ノエル「いやぁ、困りましたねぇ……ターゲット以外に襲いかかってくる敵がいるとは…」
ノエルは現在、複数のロボットに囲まれている。特に困っているような表情はしておらず、襲いかかってきたロボットを手持ちのショートソード(STR+5)で斬ったり足で蹴ったりして倒しており、あっという間にノエルを囲んでいたロボット達は機能停止した。
アリス「ちょっとまって、武器名の後ろの(STR+5)って何?」
文「あれは筋力 5という意味ですよ!ステ振りできるタイプのゲームでよく見る表記ですね」
アリス「じゃあ、攻撃力が上がるってこと?」
文「確か、STRを上げると物理攻撃上昇だったような…?剣とか両手で持つ系の近接武器を装備するのであれば、STR全振りするのがオススメですよ!」
※何の話
ノエル「ドロップはなし、残念……おや、あれは…」
ノエルの見る先には、ムーアとターゲットであるロクドウが戦っている光景が
文「なんと!早くもターゲットと遭遇して交戦を開始している参加者がいたとは!この短時間で強力な武器を見つけたのでしょうか!」
アリス「ちょっとまって!あの人…武器を持ってないわ!」
文「え?」
ノエル「え?」
※なんで司会の声聞こえてんだ
ムーア「ほー…やるねぇ、デカい姉ちゃん。」
ロクドウ「…っ…!」
(…身体能力低下、能力や魔法を封印されているにも関わらず、私の攻撃に対応している…何者だ、コイツ…!)
アリス「あの人だけやり忘れてるとかは…」
文「いえ、そんなはずは…」
ノエル「まぁ、何にしても助太刀します…!」
ロクドウ「…!」
ノエルが手持ちのショートソードでロクドウに斬りかかる。ロクドウは難なくその攻撃をかわして、二人から少し距離をおく。
ロクドウ「一人増えたか…」
(このメイドも身体能力が下がってはいるが、構えに隙がない……最近のメイドと医者は、手練れな奴が多いのか…?)
※この二人が異例なだけです。
(何にしても、このまま戦うよりも一度立て直す方がいい…)
そう決めたロクドウは、その場から姿を消す。
ムーア「…逃げられちゃった…。」
ノエル「ムーア、武器は持っていないのですか?」
ムーア「うん…持ってないよ…。」
ポケットから棒つき飴(カフェオレ味)の包装を破り、口に咥える。
ノエル「なら、何故あの者とまともに戦えていたのですか?」
ムーア「…戦ってた頃の感覚なら、残るでしょ…?なら、今現在の身体能力を完全に把握して、それを考慮して戦えば…ある程度は戦えるでしょ…。」
ノエル「……あぁ…」
(それができるのは、人体構造を熟知してるムーアくらい…いえ、魔王様もやりそうですね…。)
ノエル「なるべく武器は拾った方がいいですよ?確実に戦力が上がりますから…」
ムーア「ん…ノエちゃんがそう言うなら、そうしようかな…。」
そう言って、ノエルとムーアはその場から離れそれぞれ別で行動を再開する。
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