4=死死死死死死死死死死死死死

いるような音にも聞こえる。
音の正体が見えてくる。後ろ姿だが、白い獣のような何かが、何かを食べている。その獣の前は、血で真っ赤だ……。
恐る恐る、何を食べているのか視線を落とした……


































ルーミアだ…。

間違いない…頭部だけだが、金髪に赤いリボン…間違いなく、ルーミアだ…。

チルノ「…ぁ……ぁあ………」

「……」
獣がチルノの存在に気づき、食べるのをやめてこちらを見る。目に妙なマスクが着用されており、口からはルーミアの血が垂れている。

「Black」
立ち上がり、ゆっくりとチルノに近づく…

チルノ「ぁあ……ぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
発狂のような声を上げながら、獣に対して氷の弾幕を放つ。獣に命中するが、効いていない。それでも、声をあげながら放ち続ける。

「Easy」
獣がチルノにある程度近づくと、そう呟いてチルノを蹴飛ばす。吹き飛び、木に背中を打ち付け木の根もとに倒れる。

チルノ「はぁ…はぁ……!」
痛みで少しは正気に戻ったが、目の前まで獣が来ている。獣は刃のような鋭い爪がある腕を振り上げている。
チルノは、死を覚悟した……

「Die」
獣は、腕を振り下ろした…



































ガサッ…

獣の後ろの茂みから、物音が聞こえる。爪がチルノに当たる寸前で止まっており、静かに後ろを見る。
チルノも、獣と同じ方向を向いた。

チルノ「…!」
そこには、大妖精の姿があった。先程の場所からは獣の視界から外れていたが、ここからなら見える。固く目を瞑り、目から涙を流しながら、震え、怯えていた…

獣は大妖精の方へと向き、走り出す。
大妖精「…!!」
こちらに走ってくる獣に気づき、目を開く。

大妖精「いや…いやぁ…!死にたくない……!」
怯えて、首を横に振りながらそう呟くが、獣は止まってはくれない…
大妖精「…っ…いやだああああああぁぁぁぁ!!!!」

チルノ「大…ちゃん……!」
助けなきゃ…そう思って立ち上がる…ふと、今の光景が…過去に見た映像と重なった…。



大妖精が、他の妖精達にいじめられていた光景だ…それと、少し似ていた。
その後、チルノは妖精達を追い払って大妖精を助けて…そこで、大妖精と初めて友達になった…。




そうだ……あたいが、大ちゃんを守るって…その時に誓ったんだ。大ちゃんを守るために、誰にも負けないくらい強くなろうって…誓ったんだ……。

このままじゃ、大ちゃんが死んじゃう…!あたいは、最強なんでしょ…!だったら…!!!

チルノ「…ぅぁぁぁああああああああああああああ!!!!!!」


親友の一人くらい、命懸けて守れよ!!!



チルノの手には、氷でできた剣が握られていた。剣の色が黒かったが、本人はその事に気づいていなかった…。

大妖精の目の前まで来ていた獣は立ち止まり、チルノの方を振り返る。もう剣の届く距離まで来ており、獣の体を斬り裂いた。

獣は斬られた箇所から血を吹き出し、その場に倒れた…


大妖精「…っ…チルノ…ちゃん……!」
目から涙が流れ落ちる…今度は、恐怖じゃない…安心して、涙を流している…。

チルノ「…は…はは…大ちゃん…忘れた…?あたいが、大ちゃんを守るって…。だって、あたいは…」
大妖精に向けて、手を差し出す。大妖精も、チルノの手をとろうと手を伸ばす。

チルノ「最強だから…!!」


























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まろやか投稿小説 Ver1.53c