アリスの家から出て、それぞれの自宅がある方へ向けて一緒に歩くチルノ、大妖精、ルーミアの3人。
チルノ「宿題あっという間に終わった〜!これも、あたいが天才のおかげね!」
ルーミア「そーなのかー?」
チルノ「そーだよ!!」
アリスさんの教え方が上手だったから、と思ったがあえて口に出さず微笑みかける大妖精。
チルノ「ところで、アリスはいつ頃先生になるの?」
もうチルノの中ではアリスが先生になることが確定しているようで、期待の眼差しを大妖精に向けながらそう問いかける。
大妖精「んー…いつだろう。でも、そう簡単に先生にはなれないかもしれないよ?」
ルーミア「そーなのかー?」
大妖精「うん、私達に勉強を教えられるくらい知識があるか試すために、試験とかあると思う。」
チルノ「それなら大丈夫!!」
大妖精が先生になるために必要なことを説明してるのを聞いて、チルノが二人の前に出て自信満々な様子でそう言う。
チルノ「アリスは、あたいの次に天才だから余裕だよ!試験なんて、全部100点とって余裕で合格するよ!!」
と、自分のことじゃないが自信満々に言う。だが、いつも自分のことを過剰評価するチルノがこう言うということは、どこかアリスのことを自分より上だと認めているのだろう。
チルノのそういうところを知ってる大妖精とルーミアは笑みを浮かべて、チルノを見る。
大妖精「そうだね、アリスさんならきっと大丈夫だよね!絶対先生になれるよ!」
ルーミア「そーなのかー!」
そんな感じで、三人は楽しそうに話しながら森の中を歩いた。
しばらく歩いていると、ちょうどチルノの家と大妖精達の家がある方向の分岐点に着く。
チルノ「じゃ、あたいこっちだから!バイバーイ!」
大妖精「うん、また明日寺子屋でね。」
ルーミア「なのだー!」
チルノは元気よく二人に手を振って、自分の家へ向けて走る。二人もチルノに手を振って見送った後、二人とも同じ方向へ進んでいく。
チルノ「今日の夕飯は何かなー、あたいかき氷がいいな〜。」
夕飯に食べるような物ではないが、チルノは氷の妖精なためこれが普通なのかもしれない。そんな呑気なことを考えながら、家に向けて歩く。
これから起こることも知らずに……
「はぁ…はぁ…!!」
チルノの前方、右側の茂みから妖精が飛び出る。血が流れ落ちてる右腕を押さえながら、"何か"から逃げるように走ってる……。
チルノ「…?」
その妖精が、明らかに普通の状態ではないことに疑問を覚えるチルノ。何があったのかを聞こうと、歩み寄ろうとする。それよりも先に、妖精がチルノに気づく。立ち止まってチルノの方を向き、涙を流して、"何か"に怯えた目でチルノを見る。
妖精「…た…たすけ」
ドォン!!
突然、銃声が鳴り響く。それと同時に、目の前にいる妖精の右足が吹き飛び、体勢を崩して地面に倒れる。
妖精「あぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
激痛に顔を歪め、悲鳴をあげながら右膝を両手で押さえる。右足の膝から下は無くなっており、勢いよく血が吹き出て地面を赤黒く染めていく……
茂みの奥から物音が聞こえ、それがこちらへどんどん近づいてくる…。
「Hit……」
茂みから、天使が三人出て来て倒れている妖精を見て、静かにそう呟く。天使達は妖精に近づき、妖精は怯えた目で天使達を見る。
妖精「…ぁ……あぁぁ………」
小刻みに震えながら、ゆっくりとチルノを見る。助けを求めるような目を、チルノに向けている…
だが、チルノは動かない……いや、正確に
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