文「……どうやら、本物みたいですね。」
人間の里から離れた場所、上空からその様子を見ていた。…射命丸に名前を書かれ、苦しみながら死ぬ様を。
そのまま自宅のある妖怪の山へ向けて、飛ぶ。
文「最初は本当に、偽物かと思いましたよ。けど……ノートに書いてあった説明通り、40秒後に死にましたし、本物なのでしょう…正直、驚いてはいますけれど。」
取材用のメモ帳の中に紛れた、デスノートのページ。それをじっと見ながら呟く……
自宅に到着して、いつも編集や作業などを行ってる机の前まで行き、椅子に座る。
文「恐らくキラも持っているであろう、このノート……手にしたのはいいですが、どうしましょうか……。」
本棚の中に、上手く紛れてるDeathNoteを横目で見る。ここには椛やはたて等も入ってくる時もあるため、念のため別の本の表紙でDeathNoteを覆っている。
文「映姫さんに言うべきでしょうか?……それなら、使用する前に相談するべきでしたかねぇ。」
映姫は閻魔、罪人を裁くのが彼女の仕事。だが、罪人という罪人はキラに裁かれつくされて、彼女の仕事は無くなりつつあるが…勝手にこんなことをしたとバレれば、さぞかし怒るだろう。
文「……ですが、キラを倒すには恐らく必要でしょう。説教を受ける覚悟で、映姫さんに話しましょうか…。」
軽くため息を吐いた後、前を向く。
文「わぁぁ!!!??」
目の前に、見知らぬ少女が立っていた。その少女は、文が書いたであろう新聞を不思議そうに見ている。
文「だ、誰ですかあなたは!!い、いつからそこに!!」
ダクメ「…ノートの話をしてる辺りから…。」
文「…っ!!」
本棚の中に紛れ、一見DeathNoteとわからないように加工されてるノートを正確に指差して話している。DeathNoteのことがバレたとわかれば、咄嗟に自分の手帳を開いてペンを持つ。
ダクメ「…無駄だよ…私、死神だから……それに…名前、知らないでしょ…。」
文「…なら、あなたが死神だという証拠は…!」
椛「文さん、侵入者ですか!?」
剣と盾を持った椛が、勢いよく部屋の扉を開けて入る。椛は警戒した様子で周りをキョロキョロと見回している。
文「ちょうどよかった!椛、ここに侵入者が」
椛「なんだ、誰もいないじゃないですか。」
文「…え?」
剣と盾をしまって、文に背を向けて部屋から出ようとする椛。
文「ちょ、ちょっと待って!ここに!ここにいるでしょ!ほら!!」
文の目の前にいるダクメを指差しながら椛にダクメの存在を伝えようとする。だが椛は、真っ直ぐ文の方を向いて
椛「文さん、きっと疲れてるんですよ。幻覚が見えるくらい……まぁ、こんな状況じゃあ仕方ないことですが…。少し、休んだ方がいいですよ。」
少し心配したような表情で文に伝えると、そのまま部屋から出ていった。どうやら、本当にダクメの姿が見えてないらしい……。
ダクメ「…私達は、DeathNoteを持ってる人しか…見えない…。」
文「…どうやら、死神というのは本当らしいですね…。」
手帳を閉じ、ペンを置いて立ち上がる。ダクメを来客用のソファーに座らせ、お茶を出して自分も向かい側のソファーに座る。
文「…で、その死神さんが何故私の元に?…他の所有者の方とも、会ったんですか?」
射命丸がダクメにそう質問をする。ダクメはゆっくりお茶を飲んでる最中だったようで、一旦湯飲みを口から離して首を横に振る。
ダクメ「…会ったのは、あなたが初めて…。あなたが持ってる、ノート……元々、私のだから…。」
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