工場内で追いかけ、戦いを繰り返していると広い部屋へと出る。部屋の奥を見ると、シエラがいてこちらを見ている。
ヴァイス「…もう逃げ場がないぞ。」
シエラを睨みながら、鎌を構える。シエラはニヤニヤと笑いながら口を開く。
シエラ「追い詰めたって?残念だけど…」
ヴァイスの後ろにある出入り口から炎が上がる。そして、シエラの全身からも炎が上がる。
シエラ「アンタは、アタシの最大の罠(トラップ)に引っかかった!この廃工場内で灰にしてあげるよ!!」
シエラから出た炎が、周りにも移り燃え始める。この部屋が炎に包まれるのに、そう時間はかからなかった…。
遠くでその部屋が燃える様子を見ていたリンネ。
リンネ「ヴァイス…!」
炎の中で戦っているヴァイスを心配している様子で見ている。
リンネ「中の様子が知りたい、どうにか中に入れないか…!」
周りを見回して、他にあの部屋へと入れそうな通路を探す。探していると、階段を見つける。
リンネは階段の前まで移動する。
リンネ「ここからあの部屋に行ければ…!」
そう呟くと、階段を駆け上がる
シエラ「はははは!!さっきから逃げてばっかじゃん!悪魔や契約者を何人も処刑したんでしょ〜!!」
シエラが放つ大量の爆炎を避けながら発砲を繰り返す…だが、シエラの周りにある炎は一際強いためか、銃弾がシエラに届く前に燃え尽きる。接近戦に持ち込みたいが、あの炎をまともにくらえばただじゃすまない……。
シエラ「じゃ、これならどーかな!」
先程よりも圧倒的に数の多い爆炎をヴァイスに向けて放つ。攻撃するのをやめて、避けることに専念する。
ヴァイス「…!」
シエラ「がんばれがんばれ〜♪…ま、そのガンバりは無駄なんだけど、ね」
シエラが指を鳴らすと、ヴァイスの近くにある複数の爆炎が光り……
ヴァイス「…!」
大爆発を起こした。ヴァイスはもろにその爆発を受けてしまい、周りは煙で覆われてしまう……
シエラ「アタシはさ、爆炎を好きなタイミングで爆発させることもできるだよ。あと、決められた範囲ならどこでも爆発を起こせるよ?」
煙が晴れて、複数の火傷を負ってるヴァイスを見てニヤニヤと笑うシエラ。
シエラ「あれをくらってそれだけで済んでるなんてねぇ〜……アンタ、普通の人間じゃないね?普通なら、バラバラに吹っ飛んでるよ??」
ヴァイス「………」
シエラ「…話す気はないってね。まぁいいや、アタシには関係ないし。」
そう言うと、更に強い炎が現れる。
シエラ「じゃ…終わらせよっか。」
二階を上ったリンネが、ヴァイス達のいる部屋に辿り着き扉を開ける。ヴァイスが危険な状態になっている光景が、目に映る。
ヴァイス…!!
咄嗟に近くに落ちてる瓦礫の破片を手に取り、上を見上げる。何かを探している様子……
相手が炎なら、多少水が通じるはず…!
あった!火災報知器!作動してないのは、恐らくここが正常に動いていないからか…なら……
瓦礫を投げる体勢になり
無理矢理起動させてやる!!
そのまま、真っ直ぐ火災報知器に向けて投げる。瓦礫は「ガンッ」という音をたてて、火災報知器に命中する。
当たりどころがよかったのか、機械音が鳴った後火災報知器から水が出る。
リンネ「やった!!成功だ!」
シエラ「…!」
水が降ってきていることに気づき、上を見る。周りの炎が弱くなっていく……
上を見ていると、リンネが視界に入る。
シエラ「あれは…処刑人と一緒にいた子供…!」
シエラの気が逸れたのを見逃さなかったヴァイス。鎌が届く距離まで近づいていた。
シエラ「…!!しまっ」
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