町から少し離れた場所まで来た二人。今二人は止まっており、目の前には大きな廃工場がある。あまり錆が見つからない辺り、最近までここが使われていたことがわかる。
ヴァイス「…ここか?」
隣に居るリンネに対して、問いかける。本当にここに財布を盗んだ相手が居るのかと
リンネ「間違いない!ここで匂いが止まってるぞ!」
先程までリンネの嗅覚のみを頼りにここまで来ている。ヴァイスは内心、本当に当たってるのかと疑っていたりする。
リンネ「本当だからな!」
エスパーか、そうとも思ったヴァイス。
「ふふ…そうそう、その子の言うとおりだよ。」
廃工場の上の方から声が聞こえる。上を見ると、一階の屋根に少女が座っており、リンネ達の財布を軽く上に投げてはキャッチを繰り返している。
リンネ「あ、アイツだ!私達の財布を持ってる!返せ!」
「いいよ、返してあげるよ。」
そう言うとリンネの方に財布を投げる。リンネは慌てて受け止め、財布を開けて中身を確認する。
「正直追ってこれるかどうか不安だったけど、追ってこれたからいいや。」
ヴァイス「…お前、ただの盗人じゃあなさそうだな」
ヴァイスはその少女を睨んでいる。
「ご名答♪アタシは…」
今まで被っていたフードを取り、右手から炎を出す。
シエラ「爆炎の魔女、シエラ・グランツヴェルグだよ。」
リンネ「あの炎…コイツ、契約者か…!」
シエラ「そうそう♪さっきの話、聞いちゃってさ〜。アンタ、処刑人なんだって?しかも、悪魔や契約者も処刑してるっぽいし。」
ヴァイスの方を指差し、にこりと笑う。
シエラ「アタシと一発、殺り合ってみない??」
ヴァイス「くだらん…と言いたいところだが、その名前で思い出した。確かお前は、各地で爆発テロを起こしてるそうだな?」
シエラ「アタシも有名人になったな〜♪そ、毎日爆発三昧ってね〜」
ヴァイス「ならば、その話…乗ってやろう」
そう言うと同時にホルダーから拳銃を抜き、シエラに向けて発砲する。シエラは銃弾をかわし、窓から廃工場へと姿を消した…
ヴァイス「…素早いな…」
背中にある大鎌を抜き、構える。
ヴァイス「ついてくるのは自由だが…巻き込まれない場所にいろよ。」
隣に居るリンネにそう言うと、廃工場の中へと入っていく。
廃工場の中は、外観と同じでまだ新しい。自分自身の足音が、この無機質な建物内に響き渡る。
ヴァイス「………」
警戒してる様子で工場内を歩く。聞こえる足音は自分ののみ、相手がどこに居るかはわからない……
相手がここを熟知してるかどうかで変わってくる…恐らくは、罠を仕掛けているかもしれない。
周りを見ていると、遠くから炎が飛んでくる。
ヴァイス「…!」
咄嗟に拳銃で炎を打つ。銃弾が命中するとその場で爆発する。炎の飛んできた方向には、シエラがいてこちらを見ている。
ヴァイスはシエラに向けて数発撃つ。が、避けられて曲がり角を曲がって逃走する。
ヴァイス「逃がさん…!」
相手を追うヴァイス。相手がいた場所までつき、曲がり角を曲がる。そこで、ある物が目に入る
ヴァイス「…っ!」
壁にダイナマイトが張り付けてあり、導火線に火がついておいる。その火は導火線を辿り、ダイナマイトへ…
ドオオォォォォォォォォォォォン
凄まじい爆音が、この建物内に鳴り響いた。シエラは遠くから、爆発によって起きた煙をニヤニヤと笑いながら見ていた。
シエラ「た〜まや〜ってね!いや〜、あんなわかりやすい罠でも引っかかるんだね〜!もうちょい周りも見た方がいいよ〜!」
煙の中にいるであろうヴァイスに、機嫌良さそ
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