とある街の路地裏にて、二人の男性がそこにはいた。一人は怪我を負っており壁にもたれかかっている。もう一人は拳銃を持っており、その男性に銃口を向けている。
「…最期に言い残すことは、あるか?」
拳銃を持つ男が、そう聞く。
「てめぇ…絶対許ねぇ…!俺を殺した後、すぐにてめぇを呪い殺してや」
ドォンッ!!ドォンッ!!
その男が最後まで言い切る前に、男の体を複数の銃弾が貫いた。
「…つまらん最期の言葉だな。似たような言葉を、何度も聞いたよ。」
そう言いながら拳銃をしまい、その場から離れる。
先程の場所から少し離れた場所で、あるものが見えて足を止める。そのあるものとは、少女が両膝をついて目を瞑り静かに祈りを捧げている。
何に祈りを捧げているのか…少女の前に置いてある、一つのぬいぐるみに祈りを捧げていた。そのぬいぐるみは、先程自分が殺した…いや、"処刑した"人物とよく似ていた。
「…おぉ、ヴァイス!終わったのか?」
その少女が、男の存在に気づき男の方を向く。
ヴァイス「…終わったから、ソレをやってるだろ…リンネ」
その男性…ヴァイスが少女やってることを見ながら言う。
リンネ「"ソレ"ではないぞ!先程の者がちゃんと正しい道へ逝けるように送ってるのだ!」
リンネは立ち上がってヴァイスに向かってそう言い「私はオクリビトだからな!」と付け加える。ヴァイスは表情を変えることなく
ヴァイス「…"自称"オクリビトだろう。それに、オクリビトなら死体に化粧などをするんだぞ?」
リンネ「お前がいつもぐちゃぐちゃにしたりするから出来ないんだぞ!それに、ちゃんと送ることが重要なのだ!」
ヴァイス「はいはい…罪人にそんなことをしてやる必要は、無いと思うがな。」
そう言って、路地裏から表通りに向けて歩き出す。
ヴァイス「もう終わっただろう、行くぞ」
リンネ「あ!ちょっと待て!」
リンネは自分の近くにある荷物を急いで手に持ち、先程のぬいぐるみを小さな棺に入れて、鞄の中に入れてヴァイスを追いかける。
説明しておこう。この男性の名前は「ヴァイス・クルーガー」、処刑人だ。
普通処刑人であれば、決まった場所で処刑を行うが…彼の場合は違う。彼は隠れている罪人を探し、見つけてその場で処刑している。
そしてこの少女の名前は「リンネ」。自称オクリビトで、ヴァイスが処刑した罪人をよく送っている。ちなみに、先程の棺は人目のない場所に埋葬する。
リンネ「そういえば、さっきの罪人…どうだった?」
歩きながら、先程ヴァイスが処刑した罪人のことに対して聞く。ヴァイスはただ前を向いた状態で答える。
ヴァイス「…ただの罪人だ。殺人鬼で、人を殺していた理由もかなりしょうもなかった。"奴ら"に比べれば、赤子同然だな。」
リンネ「…大悪魔と、その契約者か?」
ヴァイス「あぁ…」
この世界には、悪魔が存在する。大悪魔は召喚の儀に応じてこの世界に降り立つ。そして、人の願いを叶える…そう、どんな願いでも。
契約者というのは、その大悪魔に願い、悪魔の力を手にした者達のこと…中には、魔人名や魔女名を名乗ったりする者もいる。
大悪魔と契約者は、共に行動することもある。その両方は、並大抵の人間では倒すことが出来ない…
ヴァイス「さて…面倒だが、報告をしないとな。まぁ、それをしないと飯が食えなくなるわけだが…」
ポケットからスマホを取り出して、ある番号に電話をかける。
ヴァイス「…電話してくる。」
リンネ「じゃあ、私はここで待つぞ!」
そう言って道の端の方へ移動し、ヴァイスは表通りから少し離れた場所で電話する。仕事とはいえ、
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