怠惰の書2












目を開けると、見知らぬ天井が見えた。頭がボーッとして、妙に体が重い……
ここは、どこなのだろう……何故自分は、ここにいるのだろう……そう思って、ボーッと天井を眺めていると

「よぉ、目が覚めたかい?お嬢さん。」
隣で男性の声が聞こえた。
声がした方を向くと、派手な格好をした男性がこちらを見ていた。
「目覚めないから、心配したぜ。どこも痛くないかい?」
椅子に座って、そう尋ねる男性。ベッドで寝ている少女は…
「……誰…?」
と、男性に聞いた。すると男性は立ち上がり、何かのポーズをとり

「おっと、自己紹介がまだだったな!オレ様の名前は、ハッタ!そう、世界一の美貌、クールさ、その他諸々を兼ね備え!」
(兼ね備えてるのは…派手な服と頭だけでしょ…)
「オレ様が街を歩いていると、全ての女性がオレに振り向く!イケメンって、つれーなぁ!」
(そんだけ派手なら、誰だって振り向く…)
「そう、そんなオレ様こそがハッタ・ファイスだ!よーく覚えときな、お嬢さん」
と、ナルシスト全開の自己紹介を聞いた少女は「コイツめんどくさい奴だ…」と思った。

ハッタ「よかったら、お嬢さんの名前も聞かせてくれないかい?」
ナルシスt…ハッタは、少女に近づく。少女は上半身を起こし…

「………わからない…」
と、言った。ハッタはそれを聞くと、笑っていた顔が真剣な顔になり
「…なんで私…ここにいるの……私は、誰なの…?」
自分が何者かもわからない、全てが不安に思う…俯きながら、アリスはハッタに聞く。

ハッタ「……"アリス"」
ハッタが、その名前を口にする。
「…アリス……?それが…私の名前……?」
少女が、顔を上げてハッタに尋ねる。
ハッタ「あぁ、そうだ。アリス・モータル…それが、お嬢さんの名前だ。残念ながら、それ以外は知らないけどな……」
アリス「…アリス………」

何気なく横を見ると、鏡が見えた。鏡に映っていたのは、顔につぎはぎがある、自分の姿だった


ハッタ「……すまねぇな、いろいろあってそんな体になっちまったけど……でも、それ以外は…」
途中で話すのを止める…鏡を見ると、鏡の方を向いたまま眠ってるアリスが映る。

ハッタ「……ちょっと、助けるのが遅れちまったかねぇ……支障が出てるっぽいな…」
アリスを寝かせて、毛布を肩の方までかけてやる。

「あれー、ハッタじゃん?なにしてんの、ねぇねぇ?」
部屋の入り口から、うさぎの耳を生やした少女がハッタに尋ねる。
ハッタ「…ヘイアか。2日前に助けた子の様子を、見てるんだよ。さっき起きて、また寝たけどな…」
ヘイア「へー、この子超可愛いじゃん?マジで妹にしたいレベルじゃん?写真撮ってどっかに上げたら、なんか映えそうじゃーん??」
そのうさ耳の少女、ヘイアは、寝てるアリスにめっちゃ顔を近づけてる。
ハッタ「いや、起きる。起きるから」
ヘイアをアリスから引き剥がし

ヘイア「で、この子結局何者なの??物語の枠から外れちゃった、アタシ達の所にいて…元の役は??」
ハッタの隣に座り、じーっとアリスを見てる。
ハッタ「…アリスだ。オレ達が元いた「不思議の国のアリス」の世界の、主人公だよ。」
ヘイア「うぇぇ!?アリスって、あのアリス!?」
ハッタ「ちょ、声がでけぇ!」
ヘイア「いやいやいや、ガチじゃん!ガチな子が来たじゃん!!ガチで可愛いし、もうガチ勢じゃん!!マジガチj」



















































ハッタ「落ち着いたか?」
ヘイア「うん、なんかゴメン
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まろやか投稿小説 Ver1.53c