【死にたがりの悪魔】










この世界には、"悪魔"という生物がいる。
悪魔とは、見た目は人間に酷似しているが…体内に宿る闇を操り、人間達を襲う…悪魔によって操る物が増える。悪魔は人間を喰らい、時には悪魔を喰らうことのある…そんな生物だ。
悪魔の正体は…人間。とある施設にて、"悪魔因子"という物を投与された人間なのだ。悪魔因子に適合する者は一握りのみ、失敗すれば化け物になってしまう…。
この情報は、適合者と…悪魔を討伐するために作られた"悪魔対策機関"しか知らない情報。どちらも、施設の場所を特定できていない…。
悪魔因子を投与され、悪魔となってしまった少女が…ここにいる。

イヴ「……」
とある街にて、建物の屋根から街を見渡している…彼女の名前は「イヴ・グレモリー」。屋根の上から…ある人物を見ている。
それは…とある男性。どこにでもいるような、普通の男性だ…その人が、路地裏に入っていく。それを見ると、屋根から立ち上がる。




男性「…ふぅ」
路地裏で止まり、一息つく…すると、奥から人が現れ
「よぉ、どうだ?この街は…」
と、男性に話しかける。すると男性は…
男性「…あぁ、最高だよ。平和ボケした連中ばかりでな」
そう言うと、男性の目が変色する。そう…悪魔特有の"漆眼"だ。
「そうだよなぁ、おかげで飯に困らねぇぜ……しかし、呑気でいいよな。」
こちらも漆眼を出して、路地裏から大通りを見てる。
「この街には、こわーい…」
「悪魔がいるんだから」

ドッ

「」
ドサッ


突然、この場にいる2人の声ではない声が聞こえたと思ったら…悪魔の1人が倒れてしまう。
男性「え…?」
一瞬のことで、なにが起きたかわかってない様子で倒れた悪魔を見る。
「ほーんと、呑気だよねぇ…君達も」
路地裏から…その声の主が現れる。
男性「…!」
その声の正体を見ると…怯えに近い目になる男性。
男性「そ…その隻漆眼…竜の紋章…お前……!!」
右目のみ漆眼になっており…目の当たりに紫の竜の紋章がある…
イヴ「せいかーい…じゃ、さよなら」



























イヴ「よーし、食料確保っと。共食いするのはいいんだけど、すっごい不味いんだよね〜…」
先ほどまで話していた2人が地面に転がっている。そのまま2人を運び、路地裏から街はずれへ移動する。そこには一軒の家がある…恐らくイヴの家だろう。
イヴ「ただいま〜っと、誰もいないけど」
家の中は、必要最低限の物しか置かれていない。人間らしさがない部屋だ。
悪魔の死体をその辺に置く
イヴ「これでよし!…また死から遠ざかるなぁ…」
椅子に座って、そんなことを呟く。その目は、遥か遠くを見通し…その先の何かを見ているような目をしていた。







先ほどの悪魔が彼女のことを知っている様子だった。彼女は共食いをする悪魔として、有名になっている。どこからともなく現れては、人間を喰らう悪魔を殺し、その悪魔を喰らう……悪魔からすれば、悪魔対策機関と同じ脅威と思われている。
悪魔…普通の適合者の半分程度の力しか持ち合わせていない"半適合者"のはずなのに、その力、実力は適合者を上回る程…。
これは悪魔対策機関と悪魔が不思議に思っていることだが…普通半適合者ならば、隻漆眼がある側の腕が足に、その悪魔の力のモデルとなった動物の体の一部の形をした闇で覆われるはずだが…彼女に至っては竜の尻尾を出す。尻尾は、完全な適合者しか出せないはずなのだが……

しかし、彼女はそんなこと気にしていなかった。彼女にとってはどうでもいいことなのだから……
彼女は
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