2階に降りて、警戒してる様子で周りを見回す。
イヴ「…………」
3階よりも荒れてる……恐らく、3階よりも化け物が多いに違いない。それに、2階に来るのは初めて…何があるかもわからない。今まで以上に慎重に進む必要がある。
そう思ったイヴは、ナイフを手に取り、慎重に進んでいく……
2階の部屋を見てみる…一番最初に入った部屋は、医療器具のような物が複数置かれている。検査をするところなのだろうか…?だけど、何の検査に使うかはわからない、もしかしたら実験に使っていた可能性もある…。
その他にも、毒のような色の薬品などもある……これが悪魔因子?それとも、別の薬品…?何にしても、触らない方がいい…。
そこから違う部屋にも入るが…どれも似たような部屋ばかり。化け物も図体いるが…こちらには気づいていない。
…あの化け物達が、元人間と思うと……ゾッとする。…恐らく、投与されて正常なのは自分だけ、ならば…このことを周りに言うべきだろうか?いや、もし自分が適合者と知られれば…きっと、ロクな扱いはされないだろう。体を解剖され、悪魔因子に適合した全てを見られて…まるで、実験材料のような扱いをされる…
そうなるくらいなら、黙っていた方がいい……
次の部屋を調べようと、扉に手をかけた時……その手が止まる。
…今まで感じたことのない何か"がある……全身がピリピリ来る……何もわからないが、これだけハッキリと言える
"この部屋に入れば、きっと死んでしまう…"
キャアァァァァァァ
イヴ「…!悲鳴!?」
女性の悲鳴が聞こえた…きっとこの階にいる。
イヴは急いで悲鳴が聞こえた方に走る。かなり遠い方から聞こえた…場所はわからない……はずだった。
悲鳴が聞こえた方から、何か…気配のようなものを感じる。近づくにつれて、どんどん気配が濃くなっていく……こんな感覚は初めて…だがイヴは、そんなことは考えない…早くその場所へ行くことしか、考えてない。
近い!この曲がり角を曲がった先だ…!
気配がかなり強い…曲がり角を曲がる。そこには……
イヴ「……!!」
化け物が人を喰らってる姿があった……
喰われている人は、化け物かと思った…だが、化け物みたいに顔面崩壊していない。目は変色しているが…
その人が、イヴに気づく…
「…た……す…………け……」
イヴ「!!」
助ける……この化け物を殺さなきゃいけない…!けど、コイツも元は人間…!でも、このままじゃこの人が……!
…いや!コイツはもう人間じゃない…ただ人間の形をしてるだけの化け物だ!だから、殺したって……
震える手で腰のナイフを抜く…呼吸も段々と荒くなる……強く歯を食いしばり、目つきが鋭くなる
人殺しにならないら…!!
イヴ「あああぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
叫んで走り出し、化け物の首目掛けてナイフを振る。化け物の首を切り、切った箇所から血が吹き出て……力なく倒れる。
イヴ「ハァ…ハァ………」
死んだ化け物をじっと見ている……本当に死んだかどうか……
死んだとわかれば、喰われていた人に近づく
イヴ「大丈夫ですか…!?」
その人は弱々しい顔でこちらを見る。
「…ありが…とう………けど……私は…もう…長…く……は……」
その人の腹部を見ると、酷く喰い散らかされている……正直、助かるような怪我ではない。
「…あな…た…に……頼み……」
そう言って女性は、力無く震える手を懐に持って行き、ラッピングされた小さな箱を出す。
「これ…を……むす…めに……」
イヴ「…っ……わかりました…
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