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この施設で目覚めて、9日目になった。食料はもう、明日で無くなる……。
自分の体がもう、化け物だと知ってから……この施設の調査をしていない。ずっと部屋の中にいる……。……調べる気にならない……これ以上ないくらいに嫌なことを知ってしまったけど…これ以上のことなんか、知りたくない…。
だけど……何も知らないから、嫌なことが思い浮かぶ。今はこの非常食でなんとかなってるけど……無くなったら、恐らく数日後には禁断症状が現れて…眼に映る生き物すべてが、食料と認識し始める。この施設内にいる生き物と言えば…あの化け物しかいない。
もし……食べなかったら、どうなるのだろう?あの化け物と同じようになってしまうのだろうか……いや、食べられるわけがない。あの化け物は、元は人間…あれを食べてしまったら……本当に人間では無くなる。
どちらにしても人間では無くなるなら……潔く最期を迎えたい。でも……自分の手で最期を迎えるなんて、できない…。
窓から飛び降りようとも考えたが…何故か開かない。破壊を試みるも、ビクともしない…。
……自分自身が情けない。そんな現実に向き合うこともできない、最期を迎えたいと思うだけで、自分自身に刃を突き立てられない……私は臆病者だ…。

イヴ「……」
イヴは壁を殴った。壁は厚く、とても硬い……ただ、拳がぶつかる音だけが聞こえた…。
本気で殴ったから、拳は赤くなり、痛みはあるはずなのに……何ともない。体は痛くないはずなのに……それを見ると、心が痛い…。


これだけ探しても、出口は見つからない……もう、出口なんて物は無いのだろう……
私は一体、どうすればいい……











イヴ「……」
悩んでいても仕方がない……生きたいなら、他の脱出口を探すしかない……。
1階には、恐らく脱出口はないだろう。出られれば何だっていい……例えば、開く窓を見つけて、そこから降りるとか…。命綱が必要だが、無い場合……自分の体の頑丈さを信じて、飛び降りるしかない。
6階から順番に調べていく……化け物は当然徘徊しているだろうから、ナイフは持っていくことにする。
ついでに、他に非常食があるかどうかも調べよう……
















6階から4階まで調べ終わる…化け物はいなかったがら非常食も開く窓も無し。非常階段でもあればとも思うが……そんなものは無い。まるで、監獄に入ってる気分だ……。
もしここの施設にいた研究員が逃げたなら……何処かに出口はあるはず。そっちに賭けたいが……見つからない。そう考えたら、何らかの事故で研究員も化け物になってたら…とも考えられる。
……いや、それでも矛盾はある。ここにいた実験体は…元々ここにいた存在では無いはず。なら、どうやってここに運ばれたのだろうか……?飛べる乗り物で運ばれて来たのなら、説明がつくが………だけど、屋上に続く階段なんか、あっただろうか……?
そんなことを考えていると、3階に到着する。相変わらずの荒れよう…ここにはあの化け物がいる、警戒しながら調べよう……



















この間ほとんど調べたため、これといった物はない。あと調べてない場所は…この間調べた、あのパソコンの部屋……。あそこだけはらパソコンだけを見て部屋を出たから、ロクに調べられてない。こんなところに食べたのはなさそうだが、もしかしたら脱出に役立つことがわかるかもしれない。隠し通路があれば嬉しいが……

パソコンを起動して、その情報について書かれてありそうな場所を探す…。
イヴ「……違う…これでもない……これじ
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まろやか投稿小説 Ver1.53c