小町「………」
幻想郷のとある場所から、幻想郷を見渡している。…正確には、ノートの所有者達を見ているのだろう。この幻想郷を犯罪のない世界に変えた者、主を守るために家族とも呼べる者達を殺した者、この幻想郷に下剋上を起こそうと、キラに協力した者……そして、人を裁く者。その者達の行動を遠くから見ていた……。
所有者達の行動を見ていると…後ろから足音が聞こえる。その足音が、小町の隣で止まった。小町はその者を見ると少し目を見開くが、すぐに普通の目に戻る。
小町「…まさか、"アレ"が本当だったなんてね……誰かが作った噂話かと思ってたけど。」
立ち上がってそんなことを呟く。
隣には、胸元に大きな目のような物がある…服の所々がボロボロで、虚ろな目の少女がいた。その虚ろな目からは、「生」が感じ取れない…なら、「死」が見えるのか?いや……この目からは、なにも感じ取れない。空っぽ……そうにしか見えなかった。
小町「…で、今のあんたの名前は?」
隣にいる少女を見下ろして、名前を聞く。
「……ダクメ。」
その少女…ダクメは、自分の名前だけを言う。本当に感情も心も何もないように思えてくる。
小町「ダクメ…ね。大方、リュークとレムがつけた名前ってところか…。」
前を見ながらそんなことを呟く小町。
小町「…あの黄色のDeathNote落としたの、あんただろ?」
所有者達を見ながら、ダクメに尋ねる。ダクメは静かに頷き、口を開く。
ダクメ「…落としたら……楽しいことが起きる……リュークがそう言ってた…。」
小町「……はぁ…余計なこと教えて……。」
リュークに呆れている様子でため息を吐く。ダクメは所有者達を見下ろす……すると、小町が口を開く。
小町「見えるだろ?たくさんの数字が…あの数字がその人の寿命。で、中には寿命が書いてない奴らがいる…ソイツ等がDeathNoteの所有者だ。」
たくさんあって見つけづらいが…確かにいる。
ダクメ「…6人……いる。」
小町「あぁ、その内2人は目立った動きはしてない。……あんたが落としたノートを拾った奴は、多分すぐ動くだろうけどね。」
黄色のDeathNoteを拾った者……射命丸を遠くから見てる。ノートを開いて、中身を確認しているようだ……
ダクメ「…なにしたらいいの……死神って…」
小町「……所有者に会ってもいい、死神の目の交渉をされたら、受けてもいい。でも……基本的はみるだけだね。」
ダクメ「…何を……?」
ダクメは小町を見る。小町は静かに目を閉じる…
小町「所有者の最期を。」
文「これは一体……何なんでしょう?表紙にはよくわからない記号のような物が書かれていましたし、どのページも何も書かれてない…書いてあるのは、表紙の裏の…」
表紙をめくってすぐに、英語で書かれてあるページがある。確かにこの部屋の机は、様々な噂や過去の新聞等が置かれてて、整理整頓しないとダメなレベルだったが……こんなノートは見たことがない。
なんとなく、英語のページを読んでみる…
文「…これは…死神のノート…。このノートに名前を書かれた者は、死ぬ……ただし、書いた人物の顔を、頭に入れてないと…効果は発揮されない……。」
英文を指でなぞりながら、その英文を読む……このノートに書かれてある内容……特に、「このノートに名前を書かれた者は死ぬ」…その文章には、心当たりがあった。
文「……まさか…DeathNote……」
そう……今の幻想郷を創ったキラが持つ…死のノート。
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