ー幻想郷ー
そこは、人間、妖怪、妖精、神が暮らす幻想の地。何も拒まず、全てを受け入れる…それが故に、幻想入りした者達が異変を起こす。だが、異変の数だけ異変を解決し、宴会と和解があった……
だが、それは前までの話。
この幻想郷に死神のノート「DeathNote」が落ちてきてから……何もかもが変わってしまった。DeathNoteを手にした人物「キラ」によって、罪人が次々と裁かれていくが…それを阻止しようとした人物、博麗の巫女と2人の魔法使い、妖怪の賢者、地霊殿一同、そして……紅魔館一同。罪のない者達まで裁かれ…キラが統率する犯罪のない幻想郷「新世界」が誕生した。
あれから犯罪はかなり減った…それと同時に、幻想郷から笑顔が無くなった。幻想郷の者達は毎日、キラの監視の目から怯えながら暮らしている。
映姫「………」
部屋から出る閻魔こと、四季映姫。本来ならそこで罪人を裁くのだが、その部屋から出てしまった。そう…裁く者がいないのだから、この部屋にいる必要なんてない…。
映姫は三途の川へやってきた。そこには自分の部下…小野塚小町がいる。
小町は死神で、三途の川にいて船で魂を運ぶ…だが、よくサボる。毎回映姫に怒られるが、まったく改めない。そう、今日も堂々と昼寝をしている。
映姫「……はぁ」
その小町の姿を見れば、軽くため息をつく。映姫は小町の近くまで行き
映姫「小町!!」
小町「ふぁっ!?は、はい、あたい寝てませんよ!?」
今ので飛び起きて、映姫に対して寝てないとアピールして
映姫「寝ていたでしょう……」
呆れたような目で小町を見る。小町は苦笑いしながらこめかみををぽりぽり掻いている。
映姫「本来ならここでお灸をすえる所ですが…やめておきます。」
小町「え?なんでですか?」
お灸をすえられると覚悟してはいたが、映姫がそうしないことに疑問を持つ。
映姫「…あなたも知っているでしょう。今この幻想郷は、キラという者に統率…いや、支配されています。罪人があればキラが裁く…だから、あなたは誰も導けず、私は誰も裁かない…」
小町「……」
映姫は小町に背を向ける。その背中は、寂しさと怒り、両方が感じられるような背中だった…
映姫「いいですか?導く者がいなくても、寝てはいけませんよ。」
小町「は、はい。」
小町の返事を聞けば、映姫は黙って歩き始めた。ある程度離れるのを見れば、小町の表情が変わる。真剣な表情にも見える…
その小町の近くで、何かが羽ばたく音が聞こえ、それがどんどん近づいてくる。
リューク「よぉ、小町。」
その羽音の正体は、死神…DeathNoteの持ち主のリュークだ。
小町「…またアンタか。今度は何の用?」
小町は背後にいるリュークの方を向かず何の用か聞く。
リューク「なんだよ、冷てぇなぁ…ちょっと、閻魔様とやらを見に来たんだよぉ。」
もう遥か遠くにいる映姫を見るリューク。
リューク「話さなくてよかったのかぁ??」
小町「何を?」
リューク「キラが誰なのか、だよぉ…知ってるだろぉ??」
小町「……」
少し間を置いて、口を開く。
小町「あたい達死神にできることは、見ることだけだよ。ノートの所有者達がどんな死に方をするのか…それを最後まで見ることだ。」
リューク「…」
その答えを聞いたリュークは
リューク「それもそうだなぁ、そうでないと面白くねぇ♪」
人間の里まで来た映姫。人間の里の様子を見ながら歩く…。
映姫「……」
いつも通りに暮らしているように見えるが……人々に笑顔がない、何かに怯えているように見える
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