絶望的な特別授業(ゲーム)が始まって、初めての朝。皆は黙って起きたまま、朝を迎えた。寝たくても寝られない、寝たら人形にされて、死んでしまうのだから……
咲夜「………」
部屋の片隅で体操座りをしてる咲夜とコヨミ。1日くらい徹夜しても平気だが、やはり元気がない。どうしてこんなことになったのか…そんなことを考えても何も変わらないのに、やはり考えてしまう……
こんなのがあと6日も続く…咲夜の脳裏にそんなことが過ったが、忘れようと首を横に振った。
コヨミ「どうしたの…」
そんな咲夜の様子を見たのか、元気のない表情で咲夜に問いかける。
咲夜「…ううん、なんでもない……」
無理に笑顔を作って見せた。相手に心配させないためでもあるが、これ以上考えても何も変わらない…前に進むしかないと思って、笑った…。
少し時間が経つと、いつの間にか弁当が置いてあり、その弁当を朝食として食べた一同。
みんなの様子を見てみる。このふざけた特別授業に怒りの感情を抱いている者、次は自分が死ぬかもしれないと、恐怖心を抱く者、次はいつあのゲームが始まるのか、怯えている者……様々だ。
そして、その時は来た……
施設の扉が開かれ、皆がその扉の方を見る。そこには、この特別授業の講師であるチェシャがいた。
チェシャ「授業開始、10分前だよ〜、遅刻は絶対ダメだにゃ〜」
にんまりと笑いながらそう伝える。それだけ言うと、昨日特別授業をした場所へ移動する。
全員、その場所へ集まる。昨日のように、特別授業を受ける……
そこから毎日……地獄だった…。
最後にババを持っていた人は、人形にされ……眠気に耐えられず寝てしまった人も、人形に…。日に日に人は減っていき、5日目には……私、コヨミちゃん、宇田先輩だけになった………
咲夜「………」
3人とも、虚ろな顔で俯いている。起きてるのがやっとの状態だろう…
すると、扉が開き…いつものように、チェシャが現れる。
チェシャ「おーい、授業が始まるにゃ〜。…んー、ルールがちと厳しすぎたかにゃあ……今日はちょっと、ルールを少し変えようかにゃ」
そう言って、いつもの場所へ行くチェシャ。
3人は喋らず、無言で立ち上がり、フラフラとした足取りでその場所へ向かう。
チェシャ「喜ぶにゃ、一番最初に上がった人は、自由に寝られる権利を与えるにゃー。あ、寝てもお人形になることはないから、喜ぶにゃん♪」
3人は、ぴくりとも反応しない…そんな元気が、もう残ってないからだ。
チェシャ「じゃ、はじめにゃん」
3人にカードを配られ、ババ抜きを始めて行く。
咲夜「…………」
目が霞んで、はっきりとカードは見えないが……ジョーカーは持ってないようだ。宇田かコヨミが待ってる。
宇田に手札を引かせて、コヨミの手札から1枚取る。よく見えないため、近づけて見ている。今引いたカードで、ペアになったため、真ん中に捨てる…
そこから3人は、何も考えずカードを引いては、真ん中に捨てる…それを繰り返した。本来なら、誰を休ませるか…それを相談しながらやるところだが……もう、そんな余裕は残ってない。
数分後…咲夜の手札が残り2枚になっていた。他の2人は、3枚。
宇田が手札を引き、残り1枚。
咲夜「………」
コヨミの手札から引く……今持ってるカードとペア。咲夜が1番に上がった。
その直後、どこかから学校のチャイムが鳴る。
『授業終了時間です。この授業で、見事生き残った方は…戸上咲夜さん、あなた1人です。特別授業をクリアした方は、出席者と
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