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夕日に照らされた帰り道、その道を歩く少年少女。
少女が少年に話しかける。

「剣士って、かっこいいなぁ…そう思わない?」
「剣士?」
少年は不思議そうな顔で少女を見た。
「うん!悪者をね、剣で倒すの!かっこいいなぁ……剣士になってみたいなぁ」
「(アニメか何かの影響かな…)でもさ、危ないよ」
「え?」
少女は振り向く。

「やっぱり、何かを切っちゃうんだよ?危ないよ…」
「…んー……じゃあ…」
少女は少年に笑顔を向けた。

「"人を斬らない剣士"は、どう?」

































とある学園の校庭にて、複数の生徒が何かを囲むように見ている。そして、その囲んである中心にいるのは……二人の人間が。
片方は強靭な肉体を持ち、自分の身長くらいある斧を持っている。もう片方は、猫耳がついた黒いパーカーを着た、小柄な少女。武器は何も持っていない。
状況を見る限り、男と少女が戦闘しており周りはそれを見ている。男の方が押されているという状況。

男「はぁ…はぁ……くそ…!!」
「やっぱ強いな、"黒猫"!」
「武器も装備してないのに!」
黒猫とは、猫耳の黒パーカーの少女の通り名のような物。フードを被ってるため、顔はわからない……ちなみに、この少女の名前は「シェリア」。

シェリア「どうした?もうギブか?」
男「くそ…!うおおぉぉぉぉ!!」
男が突っ込み、シェリアに向かって力任せに斧を振る。だが、シェリアはそれを軽々とかわしていく。
シェリア「あ、もうこんな時間か…」
学園の時計は、夜の11時を指していた。避けながら時計を見る余裕もある。
シェリア「そろそろ寝ないと、な!!」
隙を見て男の顔面に蹴りを入れたシェリア。その攻撃によって男のHPがゼロになる。


学校の手前あたりに、大きく「終幕」という文字が現れる。その文字が消えた後、「勝者 シェリア」という文字が現れる。

シェリア「ふぅ……」
「おー!すげー!」
「また勝ったぞ、黒猫!」
周りの生徒達が各々に試合の感想を言う。中には「次俺と!」などと、挑戦の発言も。

シェリア「あ、わりぃ!もう寝ないとだから、またな!」
シェリアはメニュー画面を開き、ログアウトボタンを押してログアウトした…




「ふぅ……今日も勝ちまくったな〜」
パソコンデスク用の椅子に座って、背伸びをする少女。
この少女の名前は「高崎 遥」。高校1年の女子高生、スポーツが得意で勉強が苦手、趣味はゲーム。このPC用オンラインゲーム「Battle High School ONLINE」で、シェリアを操作しているプレイヤーである。

遥「そろそろ寝よっかなぁ…」
そのままベッドに転び、リモコンのスイッチを押して電気を消した。


















次の日の朝、学校に入り自分のクラスである教室に入る。席に着くと、隣の席の男子生徒が遥に話しかける。

「おはよう、遥」
遥「あ、おはよう。俊明」
この男子生徒の名前は「沢田 俊明」。遥とは小学校からの付き合い、いわゆる幼馴染だ。性格は温厚で、少し弱気。
ちなみに、遥と同じく「Battle High School ONLINE」で遊んでおり、遥が所属している学園の生徒会長を務めている。
俊明「ねぇ遥、副会長の枠が空いてるんだけど…」
遥「生徒会には入らないよ?」
俊明「え、即答!?」
まだ最後まで言ってないのに、生徒会には入らないと断られたことに驚く俊明。
遥「なんとなく何を言うかわかってさ…私は自由にする方が好きだから。」
俊明「ははは…なんか、遥
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