アリス「…ものすごく暇だわ」
この物語が始まって、初の発言がこれである。自宅でいかにも暇そうに、椅子に座って机にだら〜っと半身を寝かせてる。
アリス「こういうときに魔理沙は来ないわね…そういえば、誰かを連れ戻すとかなんとか言ってたっけ……冗談かと思ったけど…」
1週間前に魔理沙が、そんなことを言ってたことを思い出し、それからこちらに戻ってきてない。今になってそれが本当なのかと思い始めるが、すぐに暇だの上海人形はシャンハイくらいしか言わないだのそんな感じのことを思う。
魔理沙はよく家に遊びに来ていたが、今はその誰かを連れ戻すため、不在で暇な毎日を送っている。
ふと、アリスは思った。
あれ?私…ずっと家にいない?
と。
何かの間違いだと思い、もう一度思い返す……だが、何度も思い出しても家でダラダラとしている光景しか思い出せない。
まずいわこれ、私そんなつもりはなかったけど…これ引きこもりじゃない!まずいわ、こんな異国風の女の子が家にこもった怠惰な日々を送ってるとか、最悪の絵面じゃない!今からでも遅くないわ、外に出ましょう!人間の里に行って、材料買うついでに喫茶店に行くという小洒落たことをしましょう!
心の中でそう思うと、カバンに必要なものを詰めて、肩に下げて玄関のドアノブに手をかける。
いやでも…もし外に出て、何か嫌なことに巻き込まれたら………
いや、そんなことないわ。たまにしか外出ない私がトラブルに巻き込まれるとか、小さい子が投げた石ころに当たるくらいないことよ!
さぁ、外の世界へ!I love outdoorー!!
そう思って、玄関のドアを勢いよく開けた。
小さい子が投げた石ころどころか、落ちてきた隕石に当たったぁぁぁ!!
まって、まって!何か倒れてる!人ん家の目の前で堂々と何かが倒れてる!!人?妖怪?いや、そんなのどっちでもいいわ!この壮大な世界の中、何故ここで倒れる!
※御乱心。
…でも、ほっとくわけにはいかないよね……一旦家の中に入れましょう
そう思うと家の中から複数の人形が出てきて、その倒れてる人を運ぶ。そこでアリスは思った、「また家に逆戻り…」と。
家の中に入れて、ベッドに寝かせる。息はしているみたいだが、何が原因で倒れているかはわからない。
アリス「こう言う場合、永遠亭に連れて行くべきなのかもしれないけど……って、らこの人…よく見たら…」
運んでる最中気づかなかったが、左手と両足が機械になってることに気づく。機械というより、義手と義足だろう……
アリス「…これって、義手…よね?よくできてるけど……でもこの人から、妖怪の気も人間の気も感じられない……もしかして、ロボットとか…?」
気とは言うが、生を感じられない。そのことも踏まえて機械かと予想するアリス。もう少し近くで見てみようと思い、恐る恐る顔を近づけて行く……
「おばあちゃん、それ煎餅じゃない!コースターです!!」
ゴンッ
アリス「痛っ!?」
いきなり起き上がってよくわからないことを叫んだ人の頭が、アリスの頭を強打。アリスはその場でしゃがみ、両手でおでこを押さえてる。
「…あれ?ここは……?」
その人は見慣れない部屋をキョロキョロと見回す。そして、しゃがんでるアリスを見つけて
「あの…大丈夫ですか?」
と、心配して声をかける。
アリス「…えぇ…なんとか……」
「涙目ですよ?」
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