椿を襲った妖怪……風見幽香と八雲紫からなんとか逃げてきた椿と静音。自分達の自宅まで帰ってきて、扉を開ける。
扉を開けてすぐに、奥から足音が聞こえる。奥の廊下から、紅葉が顔を覗かせた。、
紅葉「あ…姉御!静姐さん!」
入ってきたのが椿と静音だとわかると、紅葉が二人の前まで駆けてきた。
紅葉「無事だったッスね…よかったッス……!」
椿は作戦開始してから姿を現さないのと、様子を見に行った静音もなかなか帰ってこないこともあり、すごく心配してたようだ。だが、その二人が目の前にいることで、安心している様子。
静音「えぇ、なんとかね…」
椿「ごめんね、心配かけちゃって……」
苦笑いを浮かべた椿に対して、紅葉は首を横に振った。
紅葉「もう、本当に心配してたッスけど……でも、二人が帰ってきてくれて、本当によかったッス!」
と、笑顔で答えた。椿はそれを聞いて「ありがとう…」と、笑顔で言った。
静音「…紅葉、安心するのはまだ早いわ…」
紅葉「え…?どういうことッスか…?」
キョトンとしている紅葉。
静音「とりあえず、上がってから話すわね…と、その前に。椿の手当てを……」
と、隣にいる椿を見た。だが、見た瞬間にその発言は途中で止まる…
…傷がない…?さっきまでは、小さかったけどあったはず………?
紅葉「?…姉御、どこも怪我してないッスよ?」
椿「うん…?」
椿本人も、このことがわかってない様子だ。
静音「…まぁいいわ、とりあえず上がりましょう。」
3人とも、リビングへ向かった
紅葉「え!?静姐さんと姉御、妖怪に襲われたッスか!?」
静音から、椿と静音が今まで何をしてたのかを聞いて、驚いている様子。静音は、そのまま話を続ける。
静音「えぇ…二人いたわ。どっちもかなりの実力があるみたいよ…それに、椿のことも知ってる様子だったわ」
紅葉「え…姉御を?」
紅葉は椿を見る。椿は黙って頷き、少し俯く。俯きながら、口を開いた。
椿「よくわからない…連れて帰るとかなんとか…とにかく、あの妖怪が言ってることが…信用できなかった…」
静音「…本当に椿のことを知っていたとしても、良好な関係とは限らないわ。とにかく、紅葉。そんな妖怪に遭遇しても、椿のことは絶対に喋っちゃいけないわよ…」
紅葉「了解ッス!ぜっったい、喋らねーッス!
軽くその場で敬礼して見せる紅葉。それを見た静音は、笑みを浮かべる
静音「…頼もしいわ。その妖怪の名前は「幽香」と「八雲紫」。見た目は…」
紅葉に、幽香と紫の特徴を教えた。
紅葉「わかったッス!」
椿「…ごめんね、二人とも。迷惑かけちゃって…」
暗い顔で、二人に謝る椿。静音は、そっと椿の頭に手を置いて、撫でる。
静音「大丈夫よ…迷惑なんて思ってないわ。家族を守るのは…家族として、当然のことでしょ?」
紅葉「そーッス!姉御、静姐さんとあちきが、命に変えても守るッスよ!」
椿「……ありがとう……静音…紅葉……」
そこから夕飯を食べて、3人は就寝
朝の5時
紅葉「…よし!行くッス!」
朝早くから、外へ出て一定のスピードを保ちながら走る。ジョギングをしているのだろう
昨日、外出するときには気を付けてとは言われたッスけど…大丈夫ッス!もし聞かれたりしたら、平然とした態度で「知らない」って言えばいいッスから!
と思いながら走っていた。すると、後ろから…
「あの、すみませーん!」
と、声が聞こえた。振り返るとそこには、鴉天狗がいた。
あれ
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