第5話

幽香「…え……?」
今まで、一緒に暮らしていた椿を連れ戻すため、この幻想郷に来た風見幽香。そこで、妖怪に襲われそうになっていた椿を助け、妖怪を一瞬で倒した……だが、その椿からは………


椿「…誰……?」
と…………
幽香は、聞き間違いだと思った…
幽香「私よ…?幽香よ、ずっと一緒に暮らしてたでしょ…?」
椿「……」
聞き間違いだと…信じたかった……
幽香「…あぁ…もしかしたら、私の顔が少し変わったのかもしれないわ……椿がいなくなってから、あちこち探し回って…少し、窶れてるかしら……みんなにも協力してもらって、ここまで来たけど…」
椿「………」
幽香「あ…もしかしたら、怖い顔してるかもしれないわね……さっき、妖怪を倒したから……でも、大丈夫よ。私は、変わってないから」
無理に笑みを浮かべて、誰なのかわからないような顔をしている椿に言うが…


椿「…誰なの…?なんで、私のこと知ってるの?」
と………
幽香「……そう……忘れちゃった…の………?」
笑みを浮かべた顔から、悲しそうな顔に変わる…
信じたくなかった……認めたくなかった……1年も経ってなかったけど、今まで一人で暮らしていた私…だけど、椿はずっと一緒に居てくれた。今まで、恐れられてきた私を、恐れることなく接してくれた……とても楽しい時間を共に過ごした、大切な家族が………私のことを、忘れたことなんて……

幽香は椿に近づく。
幽香「…忘れてるけど…戻れば、思い出すかもしれないわ…さぁ、帰りましょう」
幽香は椿の手をとって、紫を探しにいこうとした
だが…椿はその手を振りほどいた。

幽香「椿…?」
椿「なんなの、さっきから……私は、あなたのこと知らないって言ってるでしょ…!」
幽香「…!」
その発言を聞いた幽香は、更に悲しそうな顔になり、俯いた……

幽香「………仕方ない…あまりやりたくなかったけど………」
椿「……!」
幽香が少し顔を上げたのを見れば、距離を置いて木刀を構える。幽香の顔は、さっきの妖怪に向けていた顔に、少し似ている顔になっていた………
幽香が、閉じてる白い日傘を椿に向けた。


幽香「…力ずくで連れ戻すわ。」


























その頃静音と紅葉は、妖怪の捕獲に成功していた。
妖怪「くそ、女の妖怪に捕まっちまうとは…」
静音「まぁ、私達が追ってるのに気づいて仲間を違う場所に配置したのはよかったけど…実力がなかったわね」
捕まったリーダーの妖怪に、静音が話す。紅葉は、ある方向を向いてる
紅葉「…姉御、来ないッスね……」
静音「何かあったのかしら………この妖怪の仲間に、やられるようなことはないだろうし…」
椿がいると思われる方向を、心配そうな顔で二人は見ている。時間はそれなりに経っているのに、来ない……
静音「…ちょっと探してくるわ、紅葉はその妖怪達を渡して!」
紅葉「わかったッス!」
静音は、椿がいると思う方向へ飛んでいった。







椿「はぁ…はぁ……!」
傷を負っていて、息を切らしている椿。傷自体は、大したことはない…幽香に傷ひとつついてないのを見る限り、椿は避けるのが手一杯というように見える。

強い……最初はこっちも攻撃出来てたけど、全部まともに当たってない………手を抜いてるのはわかる…でも、手を抜いててこれだなんて………間違いなく、このままじゃ…負ける……!

地面や幽香から放たれる植物や弾幕をかわす……体力も残り少ないせいか、かすったりもしてる。
幽香「…椿。大人しく来てくれれば……こんなことはしないわ。正直、こんなことはやりたく
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