ここは、異世界。私達が住んでいる世界と、平行して存在する別世界だ。そこには、RPG等に出てくるモンスターや、魔王が存在する。そういう世界であるが、技術面は、私達の世界と同じくらい発達している。
そんな世界の「マグアヌ」という町にある、ギルドをやってる三人のお話
パテマ「しらす」
ユミル「す…スクール」
パテマ「る?ルック」
ユミル「管」
これをパッと見た人の大抵が「なにやってんだコイツ等」と思うだろう。見ての通り、しりとりやってます。二人とも、来客用ソファーに転がり、だらだらとしりとりをやってる、出だしなのにどうしようもない状態である。
そんな二人を見た眼鏡をかけた少年「アルベルト」は、二人に近づいて
アルベルト「なにやってるんですか、そんなだらだらと……もう少しシャキッとしてくださいよ。」
転がったまま、リーダーであるパテマがアルベルトを見上げる。
パテマ「だってさー、お仕事の依頼来てないもん。パテマ退屈〜」
ユミル「うがい」
パテマ「いや、今のしりとりじゃないし」
ユミル「シイ」
パテマ「いやだから、しりとりじゃないってば」
二人の様子を見れば、少しため息をつくアルベルト
アルベルト「とりあえず、ソファーから降りてください。それ、来客用ですよ。」
パテマ「やだ」
即答かつだらだらしてる体勢なので、余計イラッと来る。
アルベルト「もしお客さんが来たらどうするんですか?それになんですか、記念すべき主人公の第一声が「しらす」って」
パテマ「もぉ、うるさいなぁ…」
小姑みたくあれこれ言うアルベルトがうるさいと思ったため、渋々ソファーから降りる
ユミル「アルベルト、あんまりネチネチ言ってると、小じわが増えるよ」
アルベルト「いや、増えるようか歳ではありませんから!」
パテマ「アルベルトの将来は、ロッテンマイヤー確定〜」
アルベルト「僕は男です!将来女性になることはありませんから!」
そんな会話をしていると、呼鈴が鳴る。三人とも玄関の方を見て
パテマ「誰が来た見らてきて、ロッテンマイヤー」
アルベルト「何で今からロッテンマイヤーになってるんですか!今後変わらず、僕のままでいます!」
パテマ「はいはい、わかったから早く行ってよロッテンマイヤー」
アルベルト「絶対わかってないでしょう……」
そう言いつつも、玄関に向かって扉を開ける。そこには、少し焦っている様子の男がいた。
アルベルト「こんにちは、依頼ですか?」
住民「あぁ、大変なんだ!!今、俺がやってる店にゴブリンが大量に入ってきて、店を乗っ取られて…!しかも、妻や子供も人質に取られてる!
パテマ「え?なになに?討伐依頼?」
廊下から勢いよく飛んで、アルベルトに飛び乗ったパテマが、身を乗り出して聞く。
住民「え…だ、誰だ?この子…」
パテマ「このギルドのリーダーの、パテマだよ〜。よろしくー☆」
住民「こ、この子がリーダー!?」
今パテマに背中に乗られてるアルベルトの方が、リーダーと思っていたらしい
ユミル「引き受けるけど、報酬は高くつくよ」
廊下から勢いよく飛んで、パテマに飛び乗ったユミルが、住民に向けて言った。
住民「えっと、坊や……扉そこまで大きくないから、坊やが見えないよ」
ユミル「ま、チームワークはいい方だから。期待してていいよ」
パテマ「ちょっと…重い…!どいてよ…パテマ辛い…!」
アルベルト「一番辛いの…誰だと思ってるんですかぁぁぁぁ…!」
住民「チームワークの欠片も感じられないんだけど!」
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