第13話『悪ってなんだ?』

あれから、一週間が経った。その日は学校が休みだったから、俺はエルドに稽古をつけてもらっているところだ。稽古していて改めてわかった、エルドはやっぱ強い……俺も早く、エルドみたいに強くなりたい……


エルド「よし、一旦休憩しようぜ」
ザック「え、なんで?俺まだできるよ?」
エルド「いやいや、適度な休憩も必要だぜ?」
エルドが笑いながらそう言った。
ザック「…じゃあ、休憩しようかな」
エルド「おう!」
二人はベンチに座って、休憩する。

エルド「にしても、ザックは本当に強いな!学校で負けたことねーんだろ?」
ザック「うん…一度も負けたことないよ」
エルド「すげーなぁ、俺がお前くらいの時は、そんなに強くなかったぜ。こりゃあ、将来が楽しみだな!」
そう言ってエルドは、ザックの頭の上に手を置いて、笑っていた。
エルド「でもよ、負けたことによって学ぶことだってあるぜ?」
ザック「例えば?」
エルド「んー……そうだなぁ……」
腕を組んで、少し考え始める…
そうしていると、エルドの仲間らしき傭兵が、慌てた様子でこちらに来た。
傭兵「エルド!」
エルド「ん?どうした?慌てた様子で」
傭兵「実は……」
その傭兵が、エルドに話をする
エルド「…本当か?」
傭兵「あぁ、だから急いできてくれ!」
傭兵が先に走っていった。エルドはザックの方を向き
エルド「すまねぇ、ちょっと用事ができた……とりあえず、お前は安全な場所へ逃げろ」
ザック「?…何かあるの?」
エルド「あぁ、仲間からの情報で…この町に盗賊が向かってきているらしい!仲間があっちで住民を誘導してるらしいから、お前も急げよ!」
そう言ってエルドは、先ほどの傭兵が走っていった。方へ走った

















それからザックは、傭兵の誘導で安全な場所へ移動していた…
ザック「確か、こっちだよな………」
傭兵に言われた通りの場所へ向かって、走っていた。あの曲がり角を曲がって、真っ直ぐ進んだら建物がある……そこに、他の傭兵とみんながいるらしい。
俺は、その曲がり角を曲がった……そこには…
ザック「…!」




























住民、傭兵が血を流して倒れてる。死んでる…みんな、死んでる…………
辺りが、血で染まってる……そんな絶望的な光景を、ただ見ていた………
建物から、誰か出てくるのが見えた
盗賊「他の仲間は死んじまったが…まぁいい、貰うもんは貰った。とっととズラかるか」
盗賊だ……
ザック「…!」
ザックは、さっきの稽古で使っていた木刀を持って、盗賊に近づく
盗賊「…あ?なんだ、ガキ」
ザック「…お前か……みんなを殺したのは…!」
盗賊「…あぁ、そうだ」
ザック「…!」
コイツ……人を殺して、こんな平気な顔で…!!許さない……!!
ザックは、木刀を構える
絶対倒す……!!

盗賊「なんだぁ?やる気か?やめとけ、死ぬだけだぜ」
ザック「許さない…ぶっ飛ばす…!!」
ザックは走り出した…









































ザック「はぁ…はぁ………!」
ザックは傷だらけで立っていた…盗賊は、無傷だ
盗賊「ガキにしては、まぁまぁだな。」
なんだ、コイツ……!全然攻撃が当たらない……!!
ザック「…っ…クソオォォォォ!!!!」
木刀を構えて走る…が、盗賊はザックを蹴って撃退する
ザック「うっ…」
木刀を落とし、腹部を押さえてその場に踞る…
盗賊「じゃあ……死ね」
そう言って盗賊は、持っていた剣でザックを突き刺そうとした
負けた……こんな奴に
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