ここは、幻想郷……人間、妖怪、妖精、神が住んでいる地だ。そこはどこにあるのか……外の世界の人は、誰も知らない。
そんな幻想郷のある場所にて……
妖怪「はぁ…はぁ……!」
森の中を、息を切らしながら走っている……というより、何かから逃げている妖怪達がいる。その後ろを見ると……一人の狐の妖怪が追ってきていた。
静音「逃がさない…!行きなさい、式神!!」
彼女の周囲から現れた式神が、前方にいる妖怪目掛けて飛んでいく。その式神達が、妖怪達の後ろの方にいる妖怪に体当たりする。
妖怪「うぉっ!?」
体当たりをされ、倒れる妖怪。式神はそこで姿を変えて、その倒れた妖怪を縛る。
妖怪「リーダー!ヤバイです、もうそこまで来てます!!」
その妖怪達のリーダーらしき存在は、何も言わずただ走っている。
妖怪「リーダー!なんとか言ってくださいよ!」
妖怪「リーダー!」
妖怪のリーダー「………」
そのリーダーが止まり…
妖怪のリーダー「うるさいっ!!」
そこから勢いよく回し蹴りをして、後ろにいた妖怪を蹴り飛ばした
妖怪「ぐあぁぁ!!?」
妖怪「り、リーダー!?」
妖怪のリーダー「まったく、さっきから…リーダーリーダーうるさいッスよ、リーダーしか言えないんスか?だいたい……」
妖怪のリーダーから、ドロンッと煙が出てくる。それがなくなった頃には、リーダーの姿はない。代わりに、狸の妖怪の少女の姿があった
紅葉「あちき、リーダーじゃあねーッス」
妖怪「な!?だ、誰だお前!!?」
妖怪「リーダーを何処へやった!!」
紅葉「えーっと、リーダーなら………」
キョロキョロと周りを見て、リーダーを探す。そして、とある木に目が止まり、そこを指差す。
紅葉「そこで、のびてるッス」
妖怪「リーダー!?」
それを見た後、妖怪達は紅葉を囲む
妖怪「お前か!やったのは!」
紅葉「いやいや、あちきじゃねーッスよ」
片手を軽く振って、違うと言うアピールをする………が、妖怪達は紅葉を睨み
妖怪「もういい!コイツを倒すぞ!!」
妖怪は一斉に紅葉にかかっていった
紅葉「だから……」
妖怪の攻撃が当たる前にジャンプして、攻撃をかわす。
そして、近くの妖怪の頭目掛けて右足で蹴る
紅葉「あちきじゃねーって、言ってるッス!!」
妖怪「ぐえっ!」
その妖怪の頭を踏み台にして飛び、また違う妖怪の頭を蹴っては踏み台にして飛び…それを繰り返して、周りの妖怪を倒してしまう。
紅葉「ふぅ……」
着地した後、前方にいる1体の妖怪を見る。
紅葉「あとは、あんただけッスね…」
拳をパキパキ鳴らせながら妖怪に近づく
妖怪「………にやり…」
紅葉「…?」
その妖怪がにやりと笑ったことに、不思議そうに見て首をかしげる紅葉。すると後ろの茂みから物音が聞こえて、振り返る。そこには、妖怪が飛び出してきている光景が見えた。恐らく、奴等の仲間だと思われる。
紅葉「な!?もう一人いたッスか!?」
妖怪「死ねぇっ!!クソガキッ!!!」
妖怪が紅葉に攻撃を仕掛けた…
バシィッ!!!
妖怪「………………」
紅葉「……?」
目を閉じて、防ぐ体勢を取っていたが、一向に攻撃してこないと思い、目を開けた
妖怪は、攻撃しようとしている体勢で止まっている……そしてそのまま、妖怪は倒れた。
倒れた妖怪の後ろには、ある妖怪がいた。それは………
紅葉「!」
紅葉「椿の姉御!!」
そこには、木刀を持って妖怪を倒した時の体勢から立ち
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