リオネ「なぁ、コウタよ」
1年A組の窓際の一番後ろの席にいる、クリオネをモチーフにしたパーカーを着ている女子生徒「リオネ」が、前の席にいる男子生徒「コウタ」に話しかける。コウタは振り返って
コウタ「なに?」
と。まぁなんともつまらん返しをする
リオネ「ちょっと、気になることがある」
コウタ「うん……ていうか、その前に僕も気になることがあるんだけど、いい?」
リオネ「何?ここはまず私が言った方がいいだろう」
コウタ「いや、絶対長くなりそうだし…僕のはすぐに終わるから」
リオネ「コウタはレディーファーストという言葉を知らないのか」
コウタ「それは人間限定だよ」
リオネ「いや、生きとし生ける者全てに共通することだ。」
コウタ「いや、人間だけでしょ」
リオネ「いや、そんなことはない。全ての種族に該当する」
コウタ「じゃあ、蛙にも?」
リオネ「もちろんだ、きっと先に飛ぶのを譲ってくれる」
コウタ「じゃあ、猫にも?」
リオネ「もちろんだ、きっと先に寝るのを譲ってくれる」
コウタ「絶対ないでしょ…あと、引っ張りすぎ」
リオネ「あー、わかった。ここは私の公園の敷地内くらい広く、子供が掘った落とし穴くらい深い心で貴様に譲ってやる」
コウタ「ずいぶん小さな心をお持ちのようで…」
リオネ「うるさい、早く話せ。」
コウタ「はいはい…じゃあ、聞くけど……」
この長いようで短い会話が終わり、コウタが気になることを話始める
コウタ「もう普通に始まったけどさ、僕達の紹介とか無いの?」
リオネ「…紹介?誰にだ?自己紹介なら、今年の入学式後の教室でやっただろう」
コウタ「いやいや、そうじやなくてね。読んでる人に対してだよ」
リオネ「読んでる人ってなんだ」
コウタ「いやだから、この小説を読んでる人だよ!」
リオネ「何の話をしているかわからないな…」
コウタ「………仕方ない、リオネの紹介だけはしとくか。不思議に思ってる人もいるだろうし………この人h」
リオネ「私はリオネ。16歳のクリオネ系女子高生だ。何故クリオネ系かと言うと、私はクリオネの遺伝子があるからだ。だからこうやって、クリオネが持つ、捕獲時に使用する触手が手から出るのだ。ちなみに、この触手h」
コウタ「もう自分で紹介してるじゃないか!!」
自分がリオネの紹介をしようとした時、すごく強引に横から入られた
リオネ「コウタが何やら私の紹介をしようとしてたからな。自分でやった方がいいだろうと思ったわけだ」
コウタ「あぁ…そう……」
リオネ「じゃあ今度は、私がコウタに聞く番だ。ちょっと見てほしい物がある」
そう言ってリオネは、ノートとペンを出す。ペンを持って、何か書き始める
リオネ「まずこっちに、織田信長と書くだろう?」
コウタ「うん」
リオネ「で、こっちに明智光秀と書くだろう?」
コウタ「うん」
リオネ「で、真ん中にこれを書くだろう?」
織田信長と明智光秀の真ん中に縦線を引き、上に三角形を書く。傘のようだ
リオネ「これは、なんだ?」
コウタ「こっちが聞きたいよ。」
まぁなんとも、最悪な相合傘だ
リオネ「これは相合傘と呼ばれる。男女の名前を書いて傘を書いて、カップルのように見せるような…あれだ。」
コウタ「うん。でもリオネが書いたのは、男同士だからね?」
リオネ「一つ思った、何故傘じゃないとダメなのだ?」
コウタのツッコミを完全に無視して、話を進めていく。
コウタ「なんでって…それはさ、雨の中男女が一本の傘をさして、帰ってる姿を見れば恋人同士っぽく見えるでしょ?」
リオネ「確かにそうだが、もっと他にあるだろう?例えば…」
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