ギルドに来ていた依頼書の中から、護衛の依頼を選んでその依頼主がいる牧場へ向かった三人。依頼主である、牧場を管理している「サリア」に依頼内容を聞く。
いろんな町に届け物をするのだが、途中で盗賊に襲われることがあるらしい……だからそれを護衛するという依頼だ。
三人は、届ける時間帯まで作戦をたてていた。
カイト「盗賊がどこから来るかわからないよね?僕らは荷台に隠れて待機するべきかな…」
アイシャ「…いや、誰かがサリアさんの隣にいるべきでしょう。前から出てくるのを防ぐために」
確かに、この作戦なら便利だ。仮に前から来てもすぐにわかる上、アイシャが言った通り前から来る可能性が低くなる。荷台に乗ってる二人は、後ろだけを見張っていればいい。
カイト「それいいね!誰が前に行く?」
カイトが二人に問いかける。
アイシャ「私は後ろにします。後ろから来たとき、荷台から撃てるので…」
アイシャの武器は銃なため、後ろにいる方がいいと思われる。カイトとザックが「わかった」というように頷き
カイト「じゃあ、僕かザックだね。ザック、どっちにする?」
ザック「…俺も後ろにする。数が多い場合、俺が降りて戦う」
アイシャ「一人では危険ですよ、私も降ります」
ザック「……いや、お前は荷台にいろ。カイト一人で盗賊は倒せるかもしれねーけど、今回は護衛だ。護ることが最優先になる」
アイシャ「……」
カイト「ザックなら大丈夫だよ」
アイシャの方を向いて、笑みを浮かべてそう言う。
カイト「昨日だって、一人で盗賊を倒したでしょ?だから、大丈夫だよ」
アイシャ「…そう、ですね」
同じように笑みを浮かべる
カイト「じゃあ、僕が前だね。もし降りた場合、次の町で待っているよ。それでいい?」
ザック「…あぁ」
カイト「よし、決まりだね!」
作戦がまとまった。
その作戦をサリアに伝えて、三人は9時になるまで待機していた。
武器の手入れをしているザックの近くに、アイシャが近づく
ザック「…なんだ?」
ザックはアイシャを見上げる。
アイシャ「その剣、私達のギルドが出来たときからずっと使ってますよね?それでも、その剣は綺麗なまま……」
ザック「…念入りに手入れしてるからな。」
自分の剣を見て、再び手入れをする
アイシャ「何か、その剣に思い出があるんですか?
ザック「…なんでそう思う?」
手入れをしながらアイシャに問いかける。
アイシャ「武器を大切にしてる…その理由だけとは思えないので」
ザックは手入れを終えて、刃を見ている。ずっと使い続けているのに、新品のように綺麗だ…
ザック「鋭いな……確かに、理由があってこの剣を使ってる。」
アイシャ「…どんな理由ですか……?」
ザック「…それは…」
カイト「おーい、二人ともー!」
カイトが部屋に入ってくる。二人ともカイトの方を見る。
カイト「もうすぐ出発するって!行こうよ!」
それを伝えると、カイトは自分の武器と荷物を持って、サリアのところへ向かった。二人も武器と荷物も持ち、部屋から出ようとしたときにザックが
ザック「…理由は、後で話す…」
と言って、部屋から出た。
サリア「にしても、相変わらずこの暗さでこういう道を通るのは怖いですね…」
馬をひいてるサリアが、隣に座ってるカイトに話しかける。
サリア「何回も通ってるんですけど、慣れません…」
カイト「大丈夫です、今回は僕らが乗ってるので!大船に乗ったつもりでいてください!」
カイトが軽く自分の胸を叩いて、笑顔でそう言った。サリアはそれを見ると笑顔になり
サリア「ありが
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