第3話『依頼』

昨日のパーティーから帰ってきた三人は、自分達のギルドに帰って寝ていた。今は辺りが明るくなり、窓からは太陽の光が入ってきている。

アイシャとカイトはもう起きているが、ザックはまだ寝ている。しかも、なかなか起きない

アイシャ「ザック、朝ですよ。起きてください」
ザック「ん………」
ザックの体を揺すりながら起こすが、やはり起きない。
アイシャ「どうしましょうか…」
カイト「大丈夫、とっておきの起こし方があるよ!」
朝食の準備ができたカイトが、笑顔でそう言った

アイシャ「とっておきの?」
首をかしげながら、ザックの近くに行くカイトを見ている。

カイト「…あ、ザック!あそこに盗賊が!!」
ザック「…っ!!!」
勢いよく起き上がって、すぐに武器を手に取る。
ザック「どこだ…外か…!」
カイト「嘘だよ、ザック」
ザック「………は?」
武器を構えたまま、キョトンとしたような顔でカイトを見る

ザック「嘘?」
カイト「うん、嘘」
ザック「………………」
とりあえず自分の武器を置いて、カイトに近づく………すごく恐い顔で

ザック「てめぇ……質の悪い嘘ついてんじゃねぇよ」
カイト「ご、ごめんごめん。だって、ザックなかなか起きないからさ…っ」
カイトは苦笑いしながら謝る。ザックは相変わらず恐い顔でカイトを見下ろしている。それを見たアイシャは少しため息をついて、二人の間に割って入って「ほら、朝ごはん冷めちゃいますよ。早く食べましょう」と言った










朝食を食べ終えた三人は、ギルドに届いている依頼書を見ている。討伐や護衛、警備など様々な依頼がある。
カイト「今回はどうする?」
アイシャ「そうですね……昨日は討伐やりましたし、今日は護衛でもやってみませんか?」
護衛の依頼書を手に取っているアイシャが、二人に問いかける。二人はアイシャの方を向き

カイト「いいと思うよ、ザックは?」
ザック「…それでいい」
と言った。

アイシャ「では、決まりですね!では、護衛の依頼書からひとつ選ばないと…」
三人は護衛の依頼書を手に取り、話し合いながらどの依頼にするかを決めた。
数分後、どの依頼をやるか決まったようで準備して依頼主のところへ向かった。








町から少し離れた場所に着く三人。そこは牧場で、牛や鶏がいる。そこで牧場の手入れをしている女性を見つける
カイト「すみませーん、依頼で来た者ですけど」
女性「ん?…あ、こんにちは!」
その女性がザック達に気づいて、近づく。
女性「来てくださってありがとうございます!依頼の詳しいことは中で話すので、入ってください」
アイシャ「お邪魔します」

全員中に入り、席について女性の話を聞く
女性「改めまして…私は「サリア」。この牧場の管理をしています」
カイト「えっと、僕らは傭兵ギルドの者です。僕はカイトで、こっちがザック、こっちがアイシャです」
サリア「よろしくお願いしますね」
サリアは名前を覚えて、笑顔で言った。

ザック「で、依頼は?」
サリア「あ、はい。実は……町によく牛乳を運んだりしてるのですが、運んでる途中に盗賊に襲われかけたりすることがあるので…それで、皆さんに護衛を頼みました」
アイシャ「なるほど、盗賊……」
ザック「…………」
カイト「任せてください!絶対に護ります!」
立ち上がって、笑顔で護ると言うカイト。サリアはそれを聞くと安心した…それと同時に頼りになるという表情になり

サリア「ありがとうございます!運ぶのは今日の夜9時なので、お願いします!」
アイシャ「任せてください!」

三人は出発までに、
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