町にいた盗賊を倒した後、町の人から感謝の言葉をもらう三人
町長「本当に、ありがとうございます!」
ザック「…当然のことしたまでだ。自分の町だしな」
町長「いえ、殺されそうになったところを助けていただいたので…あ、そうだ!」
町長が何か思い付いたように言う。
町長「今夜お礼としてパーティーを開くので、是非来てください!」
ザック「…いや、別に…」
断ろうとしたザックの肩を、アイシャとカイトが持つ。
アイシャ「是非いかせてもらいます!」
カイト「いやぁ、本当にありがとうございます!」
ザック「…お前らなぁ……」
パーティーに行くと笑顔で言う二人を見て、軽くため息をつくザック
アイシャ「いいじゃないですか、お言葉に甘えましょうよ♪」
町長「では、今日の8時にこの建物でやるので、是非来てくださいね?」
町長はパーティーを行う建物を指す。カイトが笑顔で「わかりました、その時間に行きます!」と言って、三人は自分達のギルドに向けて進みだした
ギルドに戻ってきた三人
カイト「いやぁ、パーティー楽しみだね!」
二人はパーティーを楽しみそうにしているが、ザックはそんな様子ではない。あまり表情が変わらない人だが、楽しみそうにしてないのはわかる。
アイシャ「ザック、楽しみではないのですか?パーティー」
ザック「…別に、お礼とかいいのにと思ってな…ただ俺は、盗賊をぶっ殺したかったからやっただけなのに」
カイト「でも結果的に、町の人を助けたことになったでしょ?」
ザック「まぁ、そうだけどよ……」
アイシャ「いいじゃないですか、たまには♪」
ザック「………」
あまり納得してないような表情を浮かべたザック
そうしていると、8時前になり三人はパーティー会場に向かった。パーティー会場に行くと、町長が舞台に立ってこの町の人代表として、三人に感謝の言葉を贈った。
会場にはご馳走もあり、舞台では演奏が行われていた。
二人は楽しんでいる様子だが、ザックは一人その様子を見ているだけだ。
「ねぇ、お兄さん」
ザック「あ?」
ザックの近くに、一人の少年が寄る。
少年「ありがとう、町を守ってくれて…」
ザック「…別にいい、礼なんて」
少年「お兄さんの戦ってるところ見たよ。かっこよかった…!」
ザック「…そうか」
少年から目を離して、前を見る。
少年「僕もいつか、お兄さんみたいに強い傭兵になりたいな…」
ザック「…なれるだろ。それが自分の信じた道ならな。」
少年「え…?」
不思議そうな顔で、ザックを見上げる少年。ザックは前を向いたまま続ける。
ザック「俺もガキの頃、お前と似たようなこと言ってた。ある傭兵を見て、その人と同じ道を進みたいって言ったよ。そしたらその傭兵、自分の信じた道なら、きっとなれるって言った。まぁ、こうして傭兵になったけどな…」
少年「……」
少年は黙ってその話を聞いている
ザック「だから、お前の信じた道ならお前もなれる。きっとな」
つづく
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