方法その1『あるいつも通りの朝』

~5月7日の朝~

『やっ、やっと終わった…』

長い道のりだった、まさかあそこであぁしないとクリア出来ないなんて、思っても見なかった…。よし、このエンディングを見終われば寝よう、ここ数日は水だけでずっとゲームをしていたから、腹も減っているが、とにかく眠いのだ…

「おにぃ~ちゃ~ん!朝だよ~、ゲームしゅ~りょ~!早くしないと学校遅刻しちゃうよ~」

・・・・・悪魔だ・・悪魔がいる・・。いや、正確には悪魔でなく、俺の妹の雪か…

「ほら早く~!ご飯もう出来てるよ~!……あっ、寝起きのキスをしてほしいの?もうっ!今そっちに行くからね!」

ったく、朝から騒がしい奴だな…

「とうちゃ~く!さぁ、寝起きのチューを!」
勢いよく部屋の扉を開けて、俺に迫ってくる妹を片手で止めて

『あのなぁ、俺達は血は繋がってなくても一応兄妹だぞ?恋愛なんて出来ねぇよ…』
そう、俺と雪は血が繋がっていない、理由はまぁ…いいか…。因みに今、親は新婚旅行中だ、と言っても、二人共旅行好きらしく、子供をほって二年近く帰ってきていない…つまり、今俺は妹と二人暮らし中という訳だ…。

「お兄ちゃん?2次元にブラコンがあって、3次元ないはずないって私は思ってるよ?」

『いや、別にブラコンが無いなんて言ってない。そりゃ、探せば居るだろうよ。でもな、お前は俺のためにそうしてくれてるだけだろ?もしくは、3次元に興味を持たせるために、そんな気遣いは要らないってことだよ』

「はぁ・・・・・なのに・・・」

『ん?なにか言ったか?』

「~~~~~~~ッ!!?な、なんでもないっ!」

『?』
何故か顔を赤らめている雪を見ていると、雪は慌てて俯いてしまった…

「そ、そんなことより、早くご飯食べて学校行くよ!」
そう言うと妹は、勢いよくリビングへ行ってしまった…

『はぁ、訳が分からない…』
そう言うと俺は、重たい体をひきずって、リビングへと向かうのだった…
ってか、エンディングがいつの間にか終わっていたから、また今度見直すとしよう…

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『・・・で?』

「ほら、早く食べて。はい、あ~~ん」

『何で俺は妹に飯を食べさせられてるんだ?』
そう言うと俺は、妹の箸から卵焼きを取って食べる

「もぅ!素直じゃないんだから。はい、あ~~~ん」

『………はぁ、お前なぁ…さっき言ったばかりだろ?気を使わなくていいって、あと、早く食べないといけないのに、あ~んはないだろ?』
もう一度妹の箸から卵焼きを取り、食べる…。美味しい…

「むぅ…このラノベ主人公…」

『は、はぁ?ラノベ主人公!?俺はそんなに鈍感じゃないし、モテてないぞ?』
と、いうか…何故か雪が少し不機嫌になった気もする…

「もういい、さっさと食べちゃって!学校遅れるよ!」

『あ、あぁ、そうだな…』
なんでこいつ、こんなに怒ってんだ?俺何か悪いことしたか?やっぱり3次元の女の心はよくわからないな…。っと、今はそんなことより食べるか…マジで学校に遅れそうだ…

そのあとは学校に行ったが、その道中で雪がベタついてきたりはしなかった、あれだけ言ったのだから、分かってくれたんだろう…

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~学校にて朝のホームルーム前~

「で、晴人、妹の様子はどうだ?」

『・・・・・お前・・誰?ロリコン?』

「ちょっ、お前なぁ…ロリコンは無いだろロリコンはッ!俺は田中友利、お前の親友だろ?ってか、3年も
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