―――これは第六話の授業の後のこと―――
棚町「あんたもよくやるねぇ、クラス全員の目の前で喧嘩を吹っ掛けるなんてさ」
後藤「しかたねぇだろ…先輩と話して以降こういうことが後を絶たない、いわゆる見せしめってやつだ」
棚町「見せしめねぇ…あんなん見せられたら減るとは思うけどこりないやつはでてくるよ?」
後藤「その時はその時でまたやるさ…少し手荒になるがな」
棚町「そうかい…あんたも変わったね、私が知ってる頃はかわいいガキンチョだったのにさー!」ギュイ
後藤をヘッドロックして
後藤「おい!やめろ!痛てぇって!」
その場にいた生徒たちが笑いだし
男子生徒「はははは!」「よっしゃ薫―!もっとやれー!」
???「少し失礼するよ!」ガラッ
誰かが教室のドアを開ける
???「後藤明日斗君、だね?」
後藤「あ?誰だ、あんた」
棚町「あれ?あんた知らないの?花園聖治(はなぞのせいじ)だよ、ハナヂ王子って聞いたことない?」
後藤「ああ、思い出したそういえばそんな奴いたな…ふむ」
手を顎にあて考えた後
後藤「で、その王子様が一体何の用だ?(すまない薫、離してくれ首がつらい)」
離してもらって花園のもとまで行く
花園「突然でちょっと悪いんだけどさ…これを森島先輩に渡してくれないかな」
そういって何かを受け取り
後藤「これは…ラブレターか?どうしてこんなものを俺に」
花園「だって君って森島先輩と仲いいだろ?」
後藤「…否定はしないが話ができるってだけだ」
花園「それならいいじゃないか、な?頼むよ」
後藤「…ひとつ聞くが何で本人に渡さねぇ、普通こう言うもんは自分で出すのが義理ってもんだろ」
花園「まぁそういう考えもあるよね…だけど僕は気が付いてしまったんだ」
後藤「なんだと?」
花園「僕が渡してしまうと…」「待ち合わせ場所で会った時の感動が薄れちゃうだろ?」
後藤「…」(どうでもいいことに気が付く野郎だ…なぜ王子と呼ばれる意味が分からない)
花園「やっぱり、そういうムード的なものを僕は大事にしておきたいんだよね」
後藤「そうか…で、これはいつまでに渡せばいい」
花園「できれば今日までで、因みに場所屋上の予定だよ」
後藤「わかった、わざわざ律義にありがとうな、渡しに行ってくる…じゃあな結果は楽しみに待ってるぜ」
そういって渡しに行こうとすると
花園「待ってくれ、少し質問があるんだ」
後藤(なんなんだよ、一体…)「…なんだ、俺はさっさと終わらせちまいたいんだ…さっさと言え」
花園「君、まさかとは思うけど森島先輩と付き合ってたりしないよね?」
後藤「…勝手に想像してろ」
若干キレ気味になって出ていく
―――三年生教室前廊下―――
後藤(…やっぱりモテる人に関わるとこういう事になるんだな…)(俺は実際の所どうなんだろうな、先輩のこと…)
塚原「ん?橘君、何か用?」
後藤「ん?塚原さんか…と先輩も一緒だ、ちょうどいい…渡したいものがあります、先輩宛だ」
ラブレターを渡すと
森島「ん〜、これはびっくり、まさか二通目ももらうとは」
後藤「…二通目?」
塚原「ええ、さっき私もはるか宛のラブレターを渡したところなのよ」
後藤「塚原さんもですか…先輩もごくろうさんです、因みに一通目は誰から出すか?」
塚原「確か3年生の中で一番モテるって言われる人のラブレター」
後藤(一番持てる…ってことは)「…御木本久遠のことですか」
森島「あら、よく知ってるね?」
後藤「ええまぁ…で
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