桐生一馬編第十六話「肩慣らし」

    ―――11月27日輝日東高校舎内―――

桐生「おはよう」

絢辻「桐生さん、おはよう」

桐生「絢辻か…おはよう…そうだ昨日はありがとう、あの秘密を教えてくれてな」

絢辻「そんな事はお互い様でしょ?」

桐生「そうか…ん?」

絢辻「どうしたの?」

桐生「ああ…そうか、どうりで違和感があると思ったら…」

絢辻「……思ったら?」ゴゴゴゴ…

桐生「いや…違和感なんてない…な」

絢辻「やだ、しっかりしてよ」

桐生「お、おう…」

桐生「(一瞬世界が凍りついたな…これから無駄なことは言わないようにしよう)」

絢辻「所で桐生さんは休暇で今日は休みなんじゃ?」

桐生「別件でな、昨日奴らの居場所が分かっただろう…とりあえず秋山冴島品田を呼んで作戦会議だ」

絢辻「そう、なら私が呼んでおくわ…いつもあの人たちはどこにいるかしら?」

桐生「そうだな…秋山は屋上かテラス、冴島は茶道部室、品田はプールだろう」

絢辻「そうじゃあ休み時間のうちに伝えておくね場所はどこにするの?」

桐生「そうだな…待機室に昼に来いって伝えておいてくれ」

絢辻「分かったわ…それじゃ遅れないうちに教室に戻るから、またね」

桐生「ああ、またな」

桐生「(最近体が鈍っているな…体育に参加でもするか)」

    ―――二時間目の前校庭―――

桐生「…体育は2-Aか、ついでに参加させてもらおう」

体育の先生「おお、桐生さん丁度いいところに」

桐生「何が御用ですか?」

体育の先生「次の時間体育の授業何ですが…よければ桐生さんに参加してもらえないかと思いまして…」

桐生「お安い御用です、ちょうど体を動かしたかったので」

体育の先生「それは良かった…それじゃ校庭で待っていてください」

桐生「はい、分かりました」

    ―――二時間目―――

桐生「はぁ…はぁ…はぁ…」

桐生「(いくら俺でもトラック30周はきついぞ…次でラストだ、全力で走ろう…)」

男子生徒「桐生さん」

桐生「ん…どうした」

男子生徒「あそこを見てください」

桐生「あれは…女子がドッチボールをやっているのか…絢辻が一人だが負けているのか…?」

???「いや、元々そうだったようですよ桐生さん」

桐生「お前は…馬場か」

馬場「お久しぶりです…彼女、一部の生徒から反感を買っているらしいです、どうしてでしょうね、かわいくてあんなに頭のいい子なのに…って、桐生さん?」

桐生「…助けに行ってくる」

馬場「え!?ちょっと桐生さ…あーあ、こりゃ止めても聞かないパターンだな…」

     ―――女子のドッチボールの試合―――

絢辻「…っ!」

飛んできたボールを間一髪でよける絢辻、その体は限界に近かった

絢辻「はぁ…はぁ…はぁ…」

女子「ほらほらもうへばっちゃったの?」

絢辻「…っ!」

女子「まだ気合十分のようね、棚町さん、頼んだよ」ポイッ

棚町「…」バシッ

棚町は無言でボールを取った後棚町はこういった

棚町「…あたしパス、このチームつまんない、はいぼーる」ポイッ

女子「えぇっ!ちょ、ちょっと!」バシッ

棚町「というわけで私絢辻さんのほうに行くから、恵子!あんたもきな!」

田中「う、うん…」

絢辻「棚町さん…別にいいのに」

棚町「良いって事、それじゃこれで三人ねさぁ巻き返すわよ!」

女子「た、田中さんまで!」

女子「(こうなったら全員で疲弊させて…まずは疲れて動け無さそうな絢辻さんから…)」

女子「えいっ!」ブンっ!

女子の投げたボールは絢辻一直線
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