―――11月13日の6時限目前―――
桐生「んんんっ…」
桐生「(うむ…たかが一時間ぐらいとはいえ、ずっと座っていると背筋を伸ばしたくなるな…)」
桐生「どれ…眠気覚ましに少しぶらついてみるか…どこに行く?」
桐生「…廊下をぶらついてみるか…」
―――廊下―――
桐生「(来ては見たが…うむ、特に変わった出来事は…)」
???「桐生さん」
桐生「ん?…絢辻か、どうかしたのか?」
絢辻「この前はありがとう」
桐生「この前?…俺、礼を言われるようなことしたか?」
絢辻「ほら、屋上でノートを…」
桐生「ああ、それか…だがあれは急に俺が声をかけたのが悪いんだ」
絢辻「ううん、私もボーっとしてたし」
桐生「うむ…じゃあお互い様ってことでいいか?」
絢辻「ふふっ、そうね」
桐生「しかし改まって御礼とは…そんなに気にしなくてよかったが…」
絢辻「ううん、嬉しかったから…」
桐生「あれでか?」
絢辻「そう、あれでね」
桐生「…俺もお前もとことん変わってるな」
絢辻「そう?ノートを落として拾ってくれた人なんていなかったから…」
桐生「ふっ…まぁ困っているやつがいたら見過ごせない性格なんでな…ガキの頃からな」
絢辻「フフッそれだけ言いたかったら、御免ね、呼び止めちゃって」
桐生「いや、大丈夫だ問題ない」
絢辻「ふふっそれじゃあね」
桐生「う〜〜〜む…」
桐生「(やっぱり絢辻は絢辻だったか…あの時雰囲気が違って見えたのは気のせいだったか…)」
桐生「ま、いいか…そうだな、次はテラスに行ってみるか」
―――テラス―――
桐生「…ふむ、昼の日差しは温かいな…」
???「お、桐生さん」
桐生「お前は…棚町か」
棚町「やっほー、なにしてんの?」
桐生「暇だからぶらついていたところだ」
棚町「へぇ〜そんじゃ少し話に付き合ってくんない?」
桐生「良いだろう、暇を持て余すよりはましだ」
棚町「じゃー質問なんだけどさ…秋山さんと森島先輩いるでしょ?」
桐生「ああ…そいつらがどうした?」
棚町「秋山さんと森島先輩って実のところどんな関係なの?」
桐生「関係?」
棚町「見てるとさ…すごい仲良しだから出来ちゃってんのかな〜って」
桐生「いや…それはないだろう」
棚町「そう?あ、恵子に頼まれごとしてたんだった!ごめん、そろそろ行くわじゃーまた!」
桐生「ああ、またな」
桐生「(あいつらのためだ…あの事は言わないようにしよう)」
桐生「そうだな…次は屋上に行ってみるか」
―――屋上―――
桐生「…ふう、澄んだ空だな…ん?」
???「…だよねぇこの前笑っちゃってさ」
???「そうよね〜私も声を出して笑っちゃった!」
桐生「(秋山に…森島?…見ていてわかるが仲がいいよな、あいつらは…しかしもうできているってのはいまだに信じられないがな)」
秋山「…ふぅ〜」ゴロン
森島「どうしたの?」
秋山「こうしてさ…君と話している時間が幸せだ、…って思ってんだよ」
森島「え?///」
秋山「そう思うとずっと一緒に居たいって思っちまう時があるんだよ…困りもんだよ」
森島「へ、へぇ〜そうなんだ///」
桐生「(ふっ…恋人同士一緒にさせてやるか)」
桐生「さて…暇も潰せた、待機室に戻るとしよう」
―――第六話終わり―――
[5]
前編へ [6]
続編へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想