―――10月30日輝日東高校門前―――
桐生「…なぁ、秋山」
秋山「はい、なんでしょう?」
桐生「どれだけ広いんだ、この高校そこら辺の高校とは格が違うぞ」
森島「最初はそう思いますよね〜でも来ていくうちに慣れていくから大丈夫ですよ♪」
桐生「…」
秋山「じゃ俺たちはこれで、また会いましょう」
桐生「ああ…じゃあな」
桐生「(しかし…この学校の予備知識なしで来てしまった、こんな広い学校のどこに行けばいいのやら…)」
???「お困りのようですね…桐生一馬さんですね?お待ちしてました」
桐生「ん?ああ…お前は?」
絢辻「申し遅れました、絢辻詞と申します」
桐生「絢辻か宜しくな…それで、俺を待っていたってのは?」
絢辻「その件ですが…貴方に此処輝日東高校直属のタクシードライバーをやっていただきたいのです」
桐生「何?」
絢辻「詳しくは校舎内で話しましょう…どうぞこちらへ」
桐生「ああ…(今はこの絢辻にについていくしかないか…)」
―――輝日東校舎内―――
桐生「本当に広い学校だな…ここは」
絢辻「そうでしょうか?最初見たときはそう思うかもしれませんが徐々に慣れていきますよ…所で桐生さんはどこからこの輝日東に?」
桐生「福岡の博多ってところからだ、前永州タクシーって会社に所属していた…つい一日前此処に来たばかりだ」
絢辻「博多から…遠路はるばるご苦労様です、さて着きましたどうぞお入りください」
桐生「失礼します…誰もいないのか」
絢辻「この時間帯は誰もここを使わないので…それで例の件ですがこの学校では夜遅くまで居残りする生徒が多く特に冬は創設祭の準備等で夜帰る生徒が多いのです、そのため万が一誘拐などが起きた場合その子の御両親にも深い迷惑をかけることになってしまうので…」
桐生「つまりは誘拐が起きないために直属タクシーを使って家に送らせるわけか…確かにそれには同意だな…別になってやってもいいが…条件がある」
絢辻「条件?」
桐生「俺はここに来たばかりな上土地勘がついてねぇ…よければだがここを詳しく案内してくれないか?…もう一つ敬語は使わなくていいぞ、堅っ苦しいのは嫌いなんでな」
絢辻「そう?それなら言ってくれればいいのに…あ、そろそろ集まりがあるからちょっとここで待ってて…それじゃ」
桐生「ああ…」
―――30分後―――
絢辻「ごめんなさい、待たせちゃった?クラスの進路調査用紙を集めてたから…」
桐生「クラス委員をやっているのか、お前…疲れないのか?いくつも仕事をかけ持っているが」
絢辻「大丈夫よ、こういうの好きだから」
桐生「何故だ?」
絢辻「だって人に貢献するのって素晴らしいことじゃない…さて、何処を回る?」
桐生「そうだな…まぁお任せでいい」
絢辻「お任せ?じゃあクラスから案内しようかしら」
桐生「ああ…宜しく頼む」
―――二年クラスの廊下―――
桐生「本当に広いな…行き来しづらくないのか?」
絢辻「道さえ覚えていれば大丈夫だから…はい、ここが二年の教室、私のクラスは2-Aだから用があったらそこに行って」
桐生「ああ…ん?」
絢辻「どうかした?」
桐生「おい…あれ見てみろ」
絢辻「?」
不良A「おい、俺たち今金がねぇんだよ…お前ならくれるよなぁ?」
生徒「金のことか?持ってるわけないだろ…」
不良B「ほぉ〜じゃあこの財布は何なんだ?おい!」
生徒「そ、それは…」
桐生「…何なんだ、あいつらは」
絢辻「カツアゲね…まったく仕
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