冴島大河編第八話「創設祭の話」

     ―――10月29日放課後輝日東校舎内―――

梨穂子「あ〜疲れた〜もうすぐ10月も終わりだね」

冴島「ああ…早いもんやな」

梨穂子「あっと言う間に一年が過ぎちゃいそうだよ…困ったものだね」

冴島「せやな…だがこの1ヶ月でおもろいことがたくさんあった、数えきれん程な」

梨穂子「そうだね〜…あっ!そうだ!冴島さんって創設祭って行事は知ってる?」

冴島「創設祭?聞いたことがあるのぅ…やが詳しくは知らんな」

梨穂子「創設祭っていうのは…」

???「創設祭は当校の創設者に掲げる報恩感謝の精神によって開催され今年で57回を数える輝日東高校伝統行事です」

梨穂子「あ、絢辻さん」

冴島「ほぅ…アンタが天下無敵の優等生ちゅう奴か、こうやって面と面合わすのは初めてやったな…冴島大河や」

絢辻「絢辻詞です、創設祭は学校近隣住民及び父兄との交流を目的としています、言ってしまえば市と生徒によるイベントです」

冴島「ちなみにその創設祭ちゅうもんは開催日はいつなんや」

絢辻「12月24日です、理由は創設者の誕生日が12月24日だったとか」

梨穂子「あ、あの〜…」

絢辻「桜井さん、どうしたの?」

梨穂子「寒いので場所移しません?」

冴島「せやな…茶道部室に行ってみるか、コタツあるし絢辻はんはどうするんや」

絢辻「そうですね…今は仕事がありませんし茶道部室でゆっくりお話しします」

冴島「よし、茶道部室にいこか」

    ―――茶道部室―――

梨穂子・冴島・絢辻「失礼しま〜す」

冴島「誰もいないようやな…とりあえずコタツはいろか」

絢辻「は〜温かい…コタツに入ると出たくなくなりますね…それでまず位置から説明すると…」

    ―――30分後―――

絢辻「大体こんな所でしょうか」

梨穂子「Zzz…」

冴島「ほぉ…楽しそうなイベントやないかよかったら兄弟を誘って見るか…」

絢辻「兄弟?御兄弟がいらっしゃるのですか?」

冴島「ああ…血は繋がってへんけどな…一般人関係でいう親友っちゅうとこか」

絢辻「血は繋がっていない?じゃあなんで兄弟と?」

冴島「それは…何やろな、いつの間にかこう呼んでた…渡世の兄弟ちゅうもんか」

絢辻「え?ってことは…昭和生まれですか?」

冴島「せや…アンタにもいずれ兄弟と顔合わせるときが来るやろ…」

絢辻「そうなるといいですね…」

冴島「……」

絢辻「……まだ何か言いたそうな顔をしてらっしゃいますけど」

冴島「ああ…お前、アイツに似てるなって思うてな」

絢辻「私のような方が知り合いにいるのですか?」

冴島「ちょっと似てる部分があるわ…堂島の龍って呼ばれた極道やねん」

絢辻「堂島の龍?どこかで聞いたことがあるような…」

???「おっやってるねぇ〜冴島さ〜ん、絢辻さ〜ん」

絢辻「森島先輩?」

冴島「森島か、なんの用や」

森島「秋山さんを探してたんだけど…見つからなくてね…ねね、なんの話してたの?」

絢辻「森島先輩、堂島の龍って知ってますか?」

森島「堂島の…龍?…むむ…」

       ――俺と谷村、冴島さん…それと堂島の龍、桐生一馬が副総監の野望を止めたんだ―――

森島「…ハッ!」

絢辻「どうかしましたか?」

森島「…それひょっとして表の社会と裏の社会を乗っ取ろうとした宗像征四郎の野望を止めた桐生一馬って人?」

冴島「なんや、ようしっとるやんけ…誰に聞いたんや」

???「俺が教えたんですよ、冴島さん」

森島「秋山さん?もう、どこいってたの?」

秋山「悪い
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