あー、なんか誰も信じれなくなってきた…
もういっそ壊れてしまえばいいのに_______
って何考えてんだろ、私。そんなこと思ってない筈なのに…
このゲームが始まってから自分がだんだんおかしくなってきた…
ジジッ
第六ゲームがスタートする。
1.中田葵
2.吉川春優
選択者.中村紫苑
紫苑ちゃんが選択者…?!
そして…私は殺される側____
紫苑ちゃんの方を向いてみると目が合った___
紫苑ちゃんは私と違い、何かを決断したような…真っ直ぐな瞳をしていた。
わたし達は言葉は交わさずにお互いの席へ座った。
ガチャ___
「ゲームスタートです。」
吉川くんは私と紫苑ちゃんが仲いいのを知ってるから怯えきっている。
だって、さっきから
死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない
ってボツボツと言ってるから。
人ってこんな気持ち悪くなるんだ…あはは___
あっ、いまはそれどころじゃないや。紫苑ちゃんがどんな決断をしたのかが一番大事だ。もし、ほかの人みたいに裏切るのだとしたら…私は死ぬんだ。
私はまた紫苑ちゃんの方を向いた。しかし今度は目が合わない。それどころか紫苑ちゃんは目をつむっている____まさかっ!
「紫苑ちゃん!」
私は咄嗟に大声を出してしまった。その声に驚きクラスの子は一斉に私の方を向く。だけど、肝心の紫苑ちゃんはこちらを向いてくれない。
「紫苑ちゃん!こっち向いてよ、ねぇ!」
いくら呼びかけても紫苑ちゃんは目を瞑ったままこちらを向こうとしない。
もう、このまま言うしかない____
「紫苑ちゃん!まさか、自分が死ぬっていう選択をするんじゃないでしょうね?!」
紫苑ちゃんは、目を開けはしなかった。だけど、いつもみたいな優しい顔で微笑んでくれた。
「何考えてるの…?そんなことしたら紫苑ちゃんが…!」
「いいの。私のことは気にしないで…」
紫苑ちゃんは目をつむったまま話す。
「よくないよ…わたし、紫苑ちゃんとずっと一緒にいたもん!これからも一緒にいたいよ…死なないで、紫苑ちゃん…!!」
紫苑ちゃんは弱々しい声ででもはっきりとした口調で言う。
「わたしね、選択される側にたったときに思ったの。死ぬのが怖いって。死にたくない、自分は生きて帰るんだって。自分が生きるために誰かを犠牲にしなきゃって。でもねそれは間違ってた。自分が生きるための犠牲は必要だけど、それは人を殺していいってこととは違うの。そりゃ、私にだって嫌いな人だっているし、ウザイって思った人だっている。でも、一時の感情に任せて人を殺めるのは違うと思うの。
だから…」
いや…そんな言葉聞きたくないっ…!
やめて…私の前からいなくならないで_____
「さよならだね、葵。」
ブーッ
《ボタンがおされなかったため、選択者.中村紫苑》
「葵、大好きだよ」
いやぁァァァァァぁぁあああああ!!!!!
私の叫び声と共に紫苑ちゃんは暗闇へと落ちていった。
紫苑ちゃんが…死んだ 。
あの時、自分は紫苑ちゃんの決断をわかってあげられなかった。あんなに一緒にいたのに…ごめんね、紫苑ちゃん。
私も紫苑ちゃんのこと
「大好きだよ…」
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