テレビ画面に名前が映し出された3人は今だ硬直している。
みんな信じられないんだ。自分が死ぬかもしれないということを…
「名前のあった3人は早く着席してください。ルールに従わない場合はすぐに死んでいただきます。」
というアナウンスが流れた。
それとともに固まっていた3人は徐々に動き出し、椅子に座った。
ガチャ
「えっ…?」
「えー、逃げられると困るので固定させてもらいました。それでは、ゲームスタートです。」
今回の選択者は小坂井くん。彼は長田くんととても仲がいい。なんたって小学校からずっと一緒にいたから。だから、結果なんて目に見えている。小坂井くんは長田くんを選ぶ。みんな確信していた。そして誰よりもそれを長田くんが確信していた。
「おい、啓太さっさとボタンおせよー」
長田くんはのんきに小坂井くんに言った。それを聞いた小坂井くんは
「あぁ、そうだな。じゃあ、もう押すよ。」
カチッ
《1.長田智樹 》
テレビ画面に大きく映し出された文字。
「お…おい、啓太?間違えて押したんだよな…?」
長田くんは必死に小坂井くんに話しかける。
だけど小坂井くんは表情も変えずに言う。
「いや、智樹お前を選んだんだよ。」
「なんでっ…俺たちずっと一緒にいたじゃないか!!」
「あぁ、一緒にいたな。だけど俺はお前よりも美雪のが大事なんだ。だよな、美雪?」
ずっと無言だった美雪ちゃんは笑顔でいう。
「当たり前でしょ?私達は付き合ってるんだから。」
えっ…この二人は付き合っていた…?
みんなも初めて聞いたようで驚きを隠せない。
「だから、ごめんな。智樹、美雪のかわりに死んでくれ (ニヤ」
「おい、嘘だろ…なぁ !!!」
ビリビリビリッ
電流がはしる
そしてそれと同時にバタッと音を立て倒れる小坂井くん。
学級委員の岡本くんが小坂井くんに駆け寄り脈を確認するが…
「だめだ、しんでる…」
「いやぁァァァ…!!!」
その言葉と同時に押しかかる恐怖。誰もが目を背けたくなる現実。
だが、そんなことお構いなしに国際関係担当は小坂井くんを回収しにきた。
そして、小坂井くんはわたし達の前から居なくなった。
長い沈黙。どれくらいの間沈黙していたのか分からない。
だがその沈黙を破るのはやはりあの音
ザザッ
みんなテレビ画面に注目した。
そして、選択死第二ゲームがはじまるのだ。
1.中村紫苑
2.溝口緋里
選択者.野々村藍紅
そこには紫苑ちゃんの名前があったんだ…
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