「そういや前から聞こうと思ってたんだけどよ。ソーマってなんなんだ?」
二人でベンチに座りながら、ゼオライトが問う。
「なんなんだ?って聞かれても・・・」
「ほら、普通の武具とどう違うのかとかだよ。」
「まず見て分かるのが、武具型の場合普段は防具のみに見えるけど、戦闘の時には武器が生成される仕組みになっているの。私のは武器と翼が生成されるからちょっと特殊だけどね。」
「なるほどなぁ。ビームサーベルみたいな感じか?」
「剣の場合はそうだね。あと、他には、スピリアに関する多彩な機能があるの。」
「すぴりあ?何だそれ?」
「あ、ここの世界では心という名だったね。そう、心に関係する機能が沢山あるの。」
「その機能って?」
ゼオライトはソーマに興味を持ったようだ。
「心のありかを指し示す、つまり誰がどこにいるか特定できる思念探査機能、人の心の中に入れるスピルリンク機能があるよ。」
「つまり、俺の心にも入れるってわけ?」
「うん。入ると、中が迷宮みたいになってて、その中に、今自分のいる心の持ち主が現れる。」
「つまり、心の声を聞くこともできるわけ?」
「そうね、真実を聞き出したり、悩みを聞いたりできる。また、そこにいた人に死を迎えさせることで心を砕くこともできるわ。」
「悪しき者が触れてはいけないものだな。」
「そうそう。試しにゼオライト君にスピルリンクしてみようかな。」
「あんまヘンなことすんなよ?」
「分かってるって。」
そして次の瞬間、アイオライトが光に変わり、ゼオライトの胸元に向かい、そして消えた。
アイオライトは、ゼオライトにスピルリンクしたのだ。
〜ゼオライトのスピルメイズ〜
「へぇ・・・いたって普通ね。魔物もいないわ。とりあえず進んでみよっと」
トコトコ・・・
「今アイオライトが心の中に・・・全く何も感じないな」
トコトコ・・・・・・・・・
そして、アイオライトは心の中のゼオライトを見つけた。
「おーい!」
「おう、たどり着いたんだな」
今、心の会話が交わされている。
「まあ、試しにやってみただけだし、すぐ出た方がいいね。そんじゃ、心の外でまた会おうね!」
そして、ゼオライトの胸元から光が出る。その光がゼオライトを離れると、光は大きくなり、アイオライトへと姿を変えた。
「別に心がどうなってるとか感じなかったな」
「ふぅん・・・リンクしたことはあるけどされた事はないからわかんないんだよね。」
「で?俺の心の中がどうなってるか分かったか?」
「ええ、分かったわ。邪を知らない心のようね。善人よ。」
「そんなことが分かるのか?」
「ええ、分かるわ。邪を心に持つ者は、スピルリンクした後、中に魔物が居るの。あなたの心には一匹の魔物も見当たらなかった。」
「なるほどな。じゃ、今の心のまま変わらずに生きろってことだな。」
「そうよ。正しい道を歩み生きるのよ。」
「お前もな。」
「もちろんよ」
こうしてどんどん二人のことをお互い知り合っていくのであった。次は何を知り得るのだろうか。
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