第3話 火花散らす剣を通じて

キン!キン!
学園に剣の当たる音が響き渡る。今日はゼオライトとアイオライトは何をしているのだろう。

「はぁっ!」
「なんのっ!」
「逃がすかぁっ!」
「まだまだっ!」

二人は手合わせ中のようだ。剣対剣なのだから、響き渡る金属音も不思議ではない。

「連刃翔!」
「なんの!虎牙るんるん(虎牙連斬)!」

近くで見ると、その剣の出す金属音とともに火花が散っている。

「閃空衝裂破ぁ!」
「霧幻飛翔斬!」

キン!ガキン!ガキィィン!

だんだんと激しさを増す二人の剣。

「ライトニング!」
「ライトニング!」

同じ技が二人から発動された。

「あら、あなたも使えるのね」
「お前も使えたんだな」

そしてお互い向かい合い、そして相手に向かう。そして・・・

「うぉぉぉぉぉぉぉ!」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

ギィィィィィィィン!

大きな音を立て、大きな火花を散らし、二人の剣はX字に交わった。
そのまま二人は押し合い、譲ろうとしない。
ギリギリと剣の擦れ合う音がしている。

ようやく二人の剣が離れた。

「・・・引き分けね」
「やるな、お前」
「そうかな。ゼオライト君もすごいもんだったわよ。」
「まあ、まだまだ上行けると思うけどな」

疲れたのか、地にバタリと仰向けになり、再び剣をX字に交えながら話した。

「さすが、隊長の妹ってだけあるな」
「伊達に7年もソーマ使いやってないもんね。」
「俺の方が長いこと剣触ってんぜ?」
「へぇ、どのくらい?」
「10年ってとこだ」
「長いのね、流石だわ。まだ本気出してなかったんじゃないの?私は本気だったけど」
「いーや、結構マジだったぜ」
「ホント?そっかぁ。」
「・・・懐かしいもんだな。最初は木刀だったっけ」
「やっぱりそうなのね。ソーマの場合木刀とはいかないからね。」
「ふぅん・・・今でも、あの時の木刀持ってんぜ」

ゼオライトは懐から2本、木刀を取り出して見せた。

「最初はこれだったのね。」
「ああ、長いことこれでやってたんだ。本物を握ったのは、剣術を始めてから3年くらい後だったっけ。」

ゼオライトはまた懐から2本、剣を取り出して見せた。

「ん?この剣は・・・?かなりシンプルな作りだけれど」
「初めて握った本物の剣だ。これもつかい込んだもんだから、かなり刃こぼれしてるぜ。」
「こういうものを握ったりして、今に至るのね。」
「まだ剣術の特訓は終わってねぇけどな。」
「そう、がんばってね。」
「お前こそ、もっとソーマを使いこなせるようにがんばれよ」
「うん♪」

地に仰向けになったまま、二人はいつのまにか眠っていた。


                                  風邪ひくぞお前ら

14/10/11 13:38更新 / マグナム

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