キン!キン!
学園に剣の当たる音が響き渡る。今日はゼオライトとアイオライトは何をしているのだろう。
「はぁっ!」
「なんのっ!」
「逃がすかぁっ!」
「まだまだっ!」
二人は手合わせ中のようだ。剣対剣なのだから、響き渡る金属音も不思議ではない。
「連刃翔!」
「なんの!虎牙るんるん(虎牙連斬)!」
近くで見ると、その剣の出す金属音とともに火花が散っている。
「閃空衝裂破ぁ!」
「霧幻飛翔斬!」
キン!ガキン!ガキィィン!
だんだんと激しさを増す二人の剣。
「ライトニング!」
「ライトニング!」
同じ技が二人から発動された。
「あら、あなたも使えるのね」
「お前も使えたんだな」
そしてお互い向かい合い、そして相手に向かう。そして・・・
「うぉぉぉぉぉぉぉ!」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!」
ギィィィィィィィン!
大きな音を立て、大きな火花を散らし、二人の剣はX字に交わった。
そのまま二人は押し合い、譲ろうとしない。
ギリギリと剣の擦れ合う音がしている。
ようやく二人の剣が離れた。
「・・・引き分けね」
「やるな、お前」
「そうかな。ゼオライト君もすごいもんだったわよ。」
「まあ、まだまだ上行けると思うけどな」
疲れたのか、地にバタリと仰向けになり、再び剣をX字に交えながら話した。
「さすが、隊長の妹ってだけあるな」
「伊達に7年もソーマ使いやってないもんね。」
「俺の方が長いこと剣触ってんぜ?」
「へぇ、どのくらい?」
「10年ってとこだ」
「長いのね、流石だわ。まだ本気出してなかったんじゃないの?私は本気だったけど」
「いーや、結構マジだったぜ」
「ホント?そっかぁ。」
「・・・懐かしいもんだな。最初は木刀だったっけ」
「やっぱりそうなのね。ソーマの場合木刀とはいかないからね。」
「ふぅん・・・今でも、あの時の木刀持ってんぜ」
ゼオライトは懐から2本、木刀を取り出して見せた。
「最初はこれだったのね。」
「ああ、長いことこれでやってたんだ。本物を握ったのは、剣術を始めてから3年くらい後だったっけ。」
ゼオライトはまた懐から2本、剣を取り出して見せた。
「ん?この剣は・・・?かなりシンプルな作りだけれど」
「初めて握った本物の剣だ。これもつかい込んだもんだから、かなり刃こぼれしてるぜ。」
「こういうものを握ったりして、今に至るのね。」
「まだ剣術の特訓は終わってねぇけどな。」
「そう、がんばってね。」
「お前こそ、もっとソーマを使いこなせるようにがんばれよ」
「うん♪」
地に仰向けになったまま、二人はいつのまにか眠っていた。
風邪ひくぞお前ら
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