カウント係「カウント行くぞー!10秒前!」
その声がかかると同時に、二人はギアを一速に入れ、サイドブレーキに手をかけエンジンを吹かす。
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1
GO!
ガチッ とサイドブレーキを下ろし、アクセルを床まで踏みつけたゆいと啓介。
それと同時にFDの後輪、そしてVIVIOの四輪が地を蹴り、車体を前に進ませた。
涼介「スタートダッシュは、やはり啓介のFDが上だな。目測からして、FDは350馬力、VIVIOはよくて80馬力。藤原のハチロク同様、啓介が言うようなモンスターとは程遠い。やはり、モンスターなのはクルマではなく、ドライバーなのだな・・・」
スタート地点にいるギャラリーの耳に入る2台のエキゾーストが、徐々に小さくなる。
ギャラリーA「は、速い・・・高橋啓介のFD!350馬力は伊達じゃねぇぜ!クラッチミートもバッチリだ!」
ギャラリーB「勝負にならねぇよ!VIVIOのフル加速なんて、まるで止まってるようにしか見えなかったぜ!」
ギャラリーC「でも、ドライバーは秋名のハチロク並の腕の持ち主なんだろ?啓介も油断してられねぇよ!」
2台は、最初に来るコーナーに突入していく。ものすごく大きな差になった。
啓介「二度とバックミラーには映させねぇ!」
ゆい「どんな突っ込みだろう、見せてもらうよ」
啓介はクルマを減速させ、ヒールアンドトゥ、そして4速から3速、2速への素早いシフトダウンをし、ステアリングを切り込んだ。
たちまちFDのリアは滑り出す。啓介はステアリングを逆に切り、マシンコントロールをしていく。
ギャラリーD「おおーっ!のっけから見せてくれるぜ!」
ギャラリーE「VIVIOも来るぞ!」
ゆいもブレーキペダルを踏み、かかとでアクセルを踏みつつ4→3→2とシフトダウンをしていく。
そしてコーナーの方向にステアリングを切り、アクセルを踏みつけカウンターを最小限にしコーナーを抜けていく。
ギャラリーD「VIVIOもすげぇ!もしかしたら、コーナーはFD以上に速いかもしれない!」
ギャラリーE「いつすっ飛んでもおかしくねぇ!見てるほうがゾッとするぜ!あんなスピードで曲がるやつ、今まで見たことねぇ!」
そして啓介のFDが2個目のコーナーに進入。
啓介「今度こそバックミラーから消してやるぜ!」
アウト、イン、アウトと見事なラインで華麗にコーナーを抜ける啓介。
その直後、それを超える走りを見せ付けるVIVIOが現れこれまた華麗にコーナーを抜けていく。
ギャラリーF「どっちもすげぇー!秋名のハチロクを彷彿とさせる走りだ!」
啓介「ふっ、さすがにもう付いてきてねぇだろ・・・ん?」
啓介のFDのバックミラーにヘッドライトの光が映り込んだ。
啓介「・・・まさか!?VIVIOが・・・ヤツのクルマが!?いや・・・気のせいだ、そんなバカなことあるわけねぇ!」
ゆい「見えた!」
少し焦りを覚えた啓介。しかし走りは一片も乱さず3つ、4つとコーナーを抜けていく。
しかし、そのたびにバックミラーに映るヘッドライトの光が大きくなっていく。
ゆい「近づいてる・・・このまま追いつく!」
啓介「嘘だろ・・・俺は限界まで攻めてるんだ、なのに、なぜ追いついてきやがる!」
そして・・・6個目のコーナーを抜けたときだった。
啓介「ぐっ・・・追いつかれた!?何が起こってんだ、気がヘンになりそうだぜ!」
ゆい「追いついた!ここから・・・離されない!」
FDが鬼キャンに見える&ボディ歪んでるように見えて仕方ない
ち
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