時は夕暮れ。場は学園。
いつもの二人が、暇そうに木陰に寝転んでいる。大きな木の下に。
「・・・ゼオライト君」
「あ?」
アイオライトは、立ち上がってゼオライトを呼んだ。
「・・・あのね、その・・・ゼオライト君に伝えたいこと・・・あるの。今伝えないと・・・もう言えない気がするから」
「ふぅん・・・いいぜ、なんだ?」
アイオライトは、ゼオライトと目を合わせた。
「聞いたら・・・びっくりすると思う。けど、ちゃんと・・・聞いて欲しい」
「・・・ああ」
「私の・・・素直な、気持ち・・・そう、私のスピリア・・・だから」
「分かった」
「(・・・怖い・・・ちゃんと・・・伝わるかな)」
アイオライトが伝えたいのは・・・そう、「想い」。
彼女にとっては、ゼオライトにそれがきちんと伝われば・・・それで良い。
「えっと・・・わ・・・私・・・」
「・・・・・」
勇気を出し、アイオライトは伝える。
「ゼオライト君のこと・・・!」
「最後まで言わなくていいぜ」
「え?」
アイオライトは途中で言葉を妨げられ、戸惑った。
「俺達は、ここまでタイプが違う。だが、ここまでの仲になった。だから・・・言葉じゃなくて、目と目、心と心で分かり合える・・・そうだろ?」
「・・・・!」
「分かってたよ、お前が・・・その想いを俺に寄せている事。・・・俺も、お前に・・・同じ想いを寄せてた。」
「・・・・!!」
「それでも・・・やっぱ、ちゃんと言葉にして、言ってほしいよな?」
「・・・・うん!」
「そうだよな、俺だけ言わないなんて・・・ずりぃもんな」
伝わった・・・とアイオライトは思った。
言葉は必要、けれど、無くたって、目と心がある。それほどの仲になっていたのだ。
「んじゃ、改めて・・・」
「・・・ゼオライト君」
「アイオライト・・・」
さらに二人は歩み寄り距離を縮めた。
「私は・・・」
「俺は・・・」
「ゼオライト君が・・・」
「アイオライトが・・・」
・・・・・・・・・・・ちゅ
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