第20話 想いを繋げ、体も傍に

時は夕暮れ。場は学園。
いつもの二人が、暇そうに木陰に寝転んでいる。大きな木の下に。

「・・・ゼオライト君」
「あ?」

アイオライトは、立ち上がってゼオライトを呼んだ。

「・・・あのね、その・・・ゼオライト君に伝えたいこと・・・あるの。今伝えないと・・・もう言えない気がするから」
「ふぅん・・・いいぜ、なんだ?」

アイオライトは、ゼオライトと目を合わせた。

「聞いたら・・・びっくりすると思う。けど、ちゃんと・・・聞いて欲しい」
「・・・ああ」
「私の・・・素直な、気持ち・・・そう、私のスピリア・・・だから」
「分かった」
「(・・・怖い・・・ちゃんと・・・伝わるかな)」

アイオライトが伝えたいのは・・・そう、「想い」。
彼女にとっては、ゼオライトにそれがきちんと伝われば・・・それで良い。

「えっと・・・わ・・・私・・・」
「・・・・・」

勇気を出し、アイオライトは伝える。

「ゼオライト君のこと・・・!」
「最後まで言わなくていいぜ」
「え?」

アイオライトは途中で言葉を妨げられ、戸惑った。

「俺達は、ここまでタイプが違う。だが、ここまでの仲になった。だから・・・言葉じゃなくて、目と目、心と心で分かり合える・・・そうだろ?」
「・・・・!」
「分かってたよ、お前が・・・その想いを俺に寄せている事。・・・俺も、お前に・・・同じ想いを寄せてた。」
「・・・・!!」
「それでも・・・やっぱ、ちゃんと言葉にして、言ってほしいよな?」
「・・・・うん!」
「そうだよな、俺だけ言わないなんて・・・ずりぃもんな」

伝わった・・・とアイオライトは思った。
言葉は必要、けれど、無くたって、目と心がある。それほどの仲になっていたのだ。

「んじゃ、改めて・・・」
「・・・ゼオライト君」
「アイオライト・・・」

さらに二人は歩み寄り距離を縮めた。

「私は・・・」
「俺は・・・」
「ゼオライト君が・・・」
「アイオライトが・・・」


                      ・・・・・・・・・・・ちゅ
14/10/27 23:54更新 / マグナム
[1]作者メッセージを読む

[5]前編へ
[7]TOP [9]目次
[0]投票 [*]感想
まろやか投稿小説 Ver1.53c