空戦の後、宿屋で隣同士一晩を過ごした二人。日付変わって、太陽が顔を出す。
「ん・・・ふわぁぁ・・・もう朝・・・?」
最初に目を覚ましたのはアイオライトの方だった。
「・・・・んーーっ・・・!」
アイオライトは伸びをし、欠伸をした。
「・・・ゼオライト君はまだ寝てるみたいね」
アイオライトは、寝ているゼオライトの寝顔を覗き込んだ。
「・・・(意外と可愛い寝顔してるのね)」
ゼオライトは、寝顔を覗き込んでいるアイオライトの視線にも気づかずまだ寝ている。
「ああっ、見とれてちゃいけないわ、起こさなくっちゃ・・・どうやって起こそう?」
起こし方にも色々あって、迷う。
「・・・(ここは、目覚めのキスかな・・・でも、恥ずかしい・・・)」
それにしてもゼオライト、まだ寝てるのか。
「・・・普通に起こそう」
ゼオライト君、おーきーてー!
アイオライトは大きな声を出しながらゼオライトの体を揺すった。
「ん・・・あ、アイオライト、おはようだぜ・・・ふぁぁ・・・」
「あ、おはよ〜♪」
「ん?なんだお前その格好?」
「ふぇ?ああ、これね。ソーマの下に着てる服だよ。見るの初めてだっけ?」
「ああ、初めてだな」
そう、ソーマの肩鎧の下にひらひらした服を着ているのだ。
「えへへ、可愛いでしょ♪」
「ああ、まあな」
「ゼオライト君も、腰に剣差してないとちょっと変わって見えるね」
「そうか?」
「うん、なんか異能者・・・というか戦人っぽさが薄れて庶民的に見える」
「具体的だな」
「う、うん、まあ・・・」
「・・・ていうかお前」
「ん?」
「寝ぐせすごいぞ」
「へっ?」
アイオライトは急いで鏡を見る。確かにスゴイ。
「い、急いで直さなくっちゃ!」
慌ててくしを手に取り髪を解かす。
ゼオライトは何と帽子をかぶったまま寝たので寝ぐせがついていない。
「ふぅ・・・完了っと」
寝ぐせが直り、元のキレイな髪に戻った。
「さて・・・学園に戻ろっか」
「そうだな。ところで、これどうやって着けるんだ?」
ゼオライトは、ソーマ「バルハイト」の着用の仕方が疑問だったようだ。
「ん、ああこれ?これは、一回肩の部分を外して・・・」
「ふむふむ、なるほどな・・・肩の部分って取れたんだな」
「うん、戦闘中に取れたりしないように工夫を凝らしてあるんだよ」
肩部分を外し、胸、お腹に当たる部分を着る。その後肩に当たる部分を装着。
あっという間にソーマを装備した。
「早いな」
「慣れてるからね♪」
「さて、俺も・・・」
よく見ると2本の鞘を繋ぐようにベルトが付いていて、それを身につけることで剣を腰に差せるようになっている。
「へぇ、意外とシンプルなのね」
「ああ、簡単に着けられるようにベルトに細工したんだよ」
ベルトを身につけると、見事に腰に剣が差さっている。
「ふぅん、なるほどね」
「さて、戻るか」
学園まで戻った後、特に大きな出来事などはなく、まったりとした日となった。
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