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幻想死神郷




このノートに名前を書かれた者は死ぬ。
名前を書いてから40秒以内に死因を書かなければ、すべてが心臓麻痺になる。
DeathNote所有者が得られるのは、一時の"輝き"だけ。所有者が行き着く未来は










































"無"である。



幻想死神郷 最終話












通信機で咲夜に教えてもらった廃工場の入り口近くまで来たパチュリー。リングノートは持っているが、持っていたら怪しまれるため隠し、廃工場の壁に背中を当てる。

…暴れてる様子は無さそう……だけど、次暴れださないなんて保証はないわ。前にフランに対して使ったことのある…あの魔法をいつでも発動できるようにしておかないと。

そう考えたパチュリーは、聞こえない程度に詠唱を始める。詠唱しながら、気づかれないように入り口から中の様子を見た。…だが、どこを見てもフランの姿が見当たらない。どこかにいるはずと思って、目で探し続ける。だが、フランは見つからず、代わりに見えたものは……




























…レミィ?
そこには、フランの姉であるレミリアがいた。ここにレミリアが居てもおかしくはない、一番にフランを追いかけた上、ここにいるという情報源はレミリアだから。だが、一つ気になることがあった……何故フランがいないのか。フランが何処かへ行ったのなら、レミリアは追いかけるはず……
そう思いながら、入り口から入ってレミリアに近づく。

パチュリー「…レミィ」
パチュリーの声で、振り返るレミリア。

レミリア「あら、パチェ。遅かったわね」
パチュリー「当然でしょ、レミィより速く動けないわ……それより、フランは?」
レミリアは、こちらに背を向けた。そして口を開き、話し始める。

レミリア「見つかったわ。"思わぬ物"と一緒にね。」
パチュリー「……?」
見つかったとは言うが、フランの姿はどこにもない。それに、"思わぬ物"とは、一体…?
そういった疑問を解決するために、レミリアに聞こうとした…だが…

レミリア「フラン、出てきなさい。」
レミリアが先に話した。その声を聞いたフランは、"思わぬ物"と一緒に、奥から出てきた。

パチュリー「…!」
その"思わぬ物"が何なのか、すぐに理解した…









正邪「くそ、放せ…!!」
正邪だ………

レミリア「フランが見つけて、捕まえてくれたのよ。第三のキラを」
レミリアはこちらを向いて話した。フランはレミリアの近くまで歩く。

パチュリー「そう…お手柄ね………」
顔には出てないとは思うが、内心驚いている。まさか、正邪が捕まってしまうとは…。
正邪がこちらを見ている…
こっちを見るなという意味で、パチュリーの表情が変わる。


レミリア「あと…もう一人のキラも見つけたわ。」

パチュリー「もう一人…誰なの?そのもう一人のキラって…」
レミリア「それは…」
名前を言う前に、使われなくなった資材や別の部屋から、咲夜と美鈴、魔理沙が現れる。入り口側で三人は止まり、咲夜はナイフを構えており、魔理沙はこちらを睨んでいる。
再び、レミリアが口を開いた。












レミリア「あなたよ、パチェ。」

パチュリー「…!」
驚きを隠せていない様子だ。自分のことをキラと言ったレミリア…他の者も、パチュリーのことをキラとして見ている。

パチュリー「私が…キラ?…違うわ…私はキラなんかじゃないわ…!」
キラではないと、レミリアに言うが…レミリアはパチュリーを睨んだまま、話す。

レミリア「いいえ、あなたよ。パチェ…ここ最近のあなたの行動を見させてもらったわ。それに…大図書館から、これも見つかったわ」
レミリアが出した物は…パチュリーのDeathNoteだ。何故レミリアがDeathNoteを持っているのか…そういった表情をしているとともに、もう言い逃れできそうにないと思っていた。

レミリア「今日起きたことは、ずっと前から計画していたことよ。フランは暴走すると見せかけて、正邪を捕らえに行き、あなたが屋敷から出る際に、咲夜が能力を使ってDeathNoteを回収した…」
パチュリー「………」
パチュリーの顔は、もうレミリア達が知ってる顔ではない……"キラ"としての顔になっていた。

レミリア「…パチュリーがキラだっていうことは、さとりから聞いた…」




































レミリア「で、話って何かしら?」
レミリアの部屋に来たさとり。レミリアと向かい合うように椅子に座っている。さとりは、口を開き…

さとり「最近、キラの噂をよく耳にしていると思いますが…単刀直入に言います。パチュリーさんがキラです。」
レミリア「……え……?」
そのことを聞いたレミリアは、驚いている様子だがさとりは気にせず続けていく。

さとり「私は、極秘でキラ捜索をしていまして……捜索していく内に、パチュリーさんがキラである可能性が高いと見ました。」
レミリア「ちょ、ちょっと待ちなさい!何でパチェがキラなのよ!?」
このまま話し続けると思い、待ったをかけて相手にパチュリーがキラである証拠を問う。

さとり「…やけに活発に動いていたこと…私の仲間がパチュリーさんのところへ行くと、必ず死ぬこと…恐らく、私の仲間はもうすぐ全滅するでしょうね………」
レミリア「………」
さとり「だから、私が死んだら…パチュリーさんがキラだと断定して、このことをパチュリーさんと小悪魔さん以外の方に話してください。」
レミリア「小悪魔…?なんで小悪魔も…?」
やはりパチュリーがキラだということを認めたくないのもあり、少し暗い顔をしていた。さとりは、サードアイを閉じて答えた。

さとり「小悪魔さんは、パチュリーさんの協力者です。キラではありませんが…他にも、第二のキラである私の妹、古明地こいし…第三のキラ、鬼人正邪がいます。」
レミリア「あなたの妹も…!?」
キラを捜索している相手の妹がキラであることに驚き、さとりは静かに頷いた。

さとり「なので、あなたの気持ちはよくわかります……だからこそ、あなた方に頼みたいのです。私が死んだ後、キラ捜索をあなた方に……」
レミリア「…わかったわ。あなたが仮に死んだ場合……全部私達に任せなさい…!」
さとり「ありがとうございます…」
レミリアに深々と頭を下げて、お礼を言った。

さとり「捕まえることに成功した場合…小悪魔さんは、捕らえないであげてください。彼女は、まだ心で迷っていました……こちら側に、引き戻せるかもしれません」
レミリア「えぇ、わかったわ…!」






























パチュリー「…それで、こあがいないときを見計らったってことね」
今の話を聞いて、このタイミングに行われた理由を簡単に話す。それと同時に、小悪魔や正邪と連絡が取れる魔法を使用しようとしたが、使えない。特殊な結界か何かでも張られているのだろうか?

レミリア「そうよ。第二のキラはもう死んでるらしいけど……二人をここで捕らえるわ。」
パチュリー「……っ…ふふふ……ははは………ははははははは!!!」

片手を目がある方に持っていき、笑っている…その様子を見て、驚く者もいれば、気味悪がる者もいた。そして、パチュリーは不気味な笑みを浮かべて、レミリアを見た。











パチュリー「そうよ…私がキラよ…!」
咲夜「…遂に認めましたね…!」
咲夜達は、いつでも捕らえられるように準備する。

レミリア「パチェ…罪を償って。難しいかもしれないけど…死刑にならないように、掛け合うから…」
パチュリー「償う?バカなことを言わないでくれる?」
パチュリーは、完全にキラの顔で笑みを浮かべた。

パチュリー「私は、この幻想郷を正しているだけよ?何百、何千の罪人を消してきた…これは善良な人達のためにやってるの。見落としてきた悪を、私が代わりに裁いているのよ」

咲夜「…あなたにそんな権限はありません……!」
パチュリー「あるわよ。」
咲夜の方を向く。

パチュリー「DeathNoteを手に入れた……いや、DeathNoteに"選ばれた"私にならできる。私なら、犯罪のない平和な幻想郷が創れる…!わかる?これは悪なんかじゃない、正義よ!!」

レミリア「…わからないわ…」
レミリアは、変わり果ててしまった親友を、どこかに悲しそうな瞳で見た。

レミリア「パチェ…あなたがやってることは、ただの人殺しよ。罪のない人を「邪魔者」と称して、殺してきた……今のあなたは、哀れな人殺しよ…!」
パチュリーは、残念そうな表情を浮かべた…その表情で、周りの人を見た。誰も、こんな素晴らしいことを理解しない…理解しようとしていない。

パチュリー「…そう、残念ね…なら…」
パチュリーは隠していたリングノートとペンを取り出す。

レミリア「…!」
美鈴「まさか、あれもDeathNote…!?」













パチュリー「あんた等全員、消えろおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

ノートにこの場にいる「邪魔者」の名前を書いていく…

レミリア「パチェ!!やめて!!」
パチュリー「こんな素晴らしいことを理解しないバカ共なんか、私の幻想郷に必要ないわぁ!!その命で、私に歯向かったことを後悔しろぉぉぉぉ!!!!」

魔理沙「…っ!!」
魔理沙は、パチュリー目掛けて弾幕を放った。その弾幕は、パチュリーのノートを持っていた方の手首に命中して、リングノートを床に落とした。
パチュリーは撃たれた手首を押さえて、少しよろける……撃った魔理沙を睨み

パチュリー「魔理沙ぁぁぁっ!!!あんた…誰を撃ってるのよぉ…!!」

魔理沙「…霊夢とアリスを…私の親友を殺しておいて……何が「正義」だ!!」
涙目でパチュリーを睨み付ける魔理沙。パチュリーの目には、殺意しか感じられない…

パチュリー「あぁ…あの馬鹿二人ねぇ……私を邪魔したからよ、邪魔したらそうなるのよ!!魔理沙、一回助けてやったでしょ!?その恩を、仇で返すつもりなの!?」
魔理沙「ふざけるなぁっ!!!親友を殺した奴を、命の恩人なんて思うわけないだろぉっ!!」

パチュリーは目を見開いた…
パチュリー「…ほんっとに、バカしかいないの…!?常識すら見失って…もうこの幻想郷は終わりだわ…早く…早く正さないと…!!」
パチュリーは、落ちてるノートに歩いて近づく…
だが、魔理沙の放った複数の弾幕が命中して、倒れてしまう…

パチュリー「…ァ"ァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"…!!」
体の痛みに、悲鳴をあげるパチュリー…
その姿を見て、ずっと一緒に過ごしてきた…レミリア達が、涙を流した。
いつから、パチュリーは変わってしまったのだろう…もっと見てあげたら、こんなことにはならなかったのかもしれない……皆はそう思い、後悔した…


パチュリー「…まだ……終われない…私が……私が…幻想郷…の……統率…者……に……!」
咲夜「…お嬢様……」
レミリア「……えぇ…確保…」
咲夜達が、パチュリーを確保するために、近づいた…

パチュリー「ま…だ……終われ…ない……終わ…れ……ない…!!」














































ドクンッ…




































レミリア「…っ……!?」
突然、レミリア達が心臓がある辺りを押さえて、その場に膝をつき、苦しみながら倒れる…

パチュリー「…!?」
レミリア「ァ…ァァ…………っ…!?」
それから5秒後……止まった。死んでしまったのだろう…心臓麻痺で…
……誰が?一体、誰が……?
パチュリーは正邪を見た。正邪は、自分ではないというように首を横に振った。
なら、誰が……?
そう思っていると、入り口の方から足音が聞こえた。その方向を見ると、そこには…












































小悪魔「…っ……」
そこには…涙を流しながら、青色のDeathNoteを持っている小悪魔がいた。パチュリーと正邪は、驚いていた…迷っていたのに、家族同然と呼べる存在を………殺したことを……

小悪魔「パチュリー…さま…っ……」
小悪魔はその場で膝をつき、DeathNoteを落として…泣き崩れた。パチュリーは、正邪に肩を貸してもらい、小悪魔の元へ向かった。
小悪魔「私は…わたしっは……っ…なんて、ことを…っ…」
パチュリーは小悪魔の前で、膝をついた。泣いている小悪魔を抱き寄せた。

パチュリー「…いいのよ、これで。これでよかったのよ…よくやったわ、こあ…辛かったでしょう…?もう大丈夫よ…」
小悪魔「パチュリー…さまぁ…っ………」
小悪魔は、パチュリーの胸元で泣き続けた……


















もう朝方だろうか…外はまだ暗い。紅魔館まで戻り、魔法で治療し…怪我はほとんど治っていた。現在、三人は紅魔館の屋上にいた。

パチュリー「…二人共。ありがとう……私達の邪魔をする者は、もう居なくなったわ。」
小悪魔「はい……」
正邪「…まぁ、よくここまでやれたな。少しは認めてやる」
パチュリー「…ふふっ」
パチュリーは少し笑った。すると、周りが少し明るくなってくる…

パチュリー「…見なさい、日の出よ…」
三人は立ち上がり、日の出を見た。それはまるで、パチュリー達の手によって創られた、新たな幻想郷を祝うかのように輝いていた…
小悪魔「きれい…!」
パチュリー「えぇ…」




やっと、やっと…悪なんて存在しない、平和な幻想郷が…!
常識的に考えれば、私達が悪だったでしょうね…でも、これからは私達が常識よ…つまり、正真正銘…私達が"正義"…!
私が、幻想郷の新たな統率者………いや…


























新世界の神よ!


























小町「…………」
遠くから…その様子をずっと見ていた小町。その小町の後ろから、何かが羽ばたいて来る音か聞こえた。

リューク「よぉ、久しぶりだなぁ…小町」
小町「…なんだ、あんたか。」
それは、死神……夜神月にDeathNoteを渡した死神「リューク」だ。小町はリュークの方を見ずに話した。

リューク「なんだってなんだよ、冷てぇなぁ…俺様とお前は、同僚だろぉ??なぁなぁ??」
小町「そんなことより、ノートを落としたのは…あんたか?」
リューク「んん?確かに、俺様は一冊落としたぜぇ?あのパチュリーっていう魔法使いが使ってるノートが、俺様のだ。正邪っていう天邪鬼が持ってるノートが、レムのだろうなぁ……律儀に会いに行って、死神の目の取引までしてるぜぇ」
リュークは、自分達が落としたノートのことを話した。小町は呆れたようにため息を吐いた。

リューク「お前だって、青色のDeathNote落としただろぉ?」
小町「…バレてたか」
リューク「当たり前だぜ、俺様もそれを見てたんだからなぁ!ここは何でもありな「幻想郷」だから、人間と死神の決まりも通用しないから、会いに行く必要もない……まぁでも、一番驚いたのは、LifeNoteが落ちてきたことだなぁ…」
小町「…そりゃあ、六冊も落ちてくれば……そんな物も落ちてくるだろ?」
リューク「六冊ぅ?俺様は知らねぇぜ、あと三冊誰が落としたのか」
小町「そうかぃ…あたいが見る限り、その三冊はまだ誰も拾ってないみたいだね。」
リューク「早く拾われねぇかなぁ〜♪月より面白れぇことしたんだ、これからもっと面白れぇのが見れるぜぇ〜♪」
いかにも楽しそうに体を動かしているリューク。小町も、にやりと笑って

小町「それは同感だね…」

と言った…



To be continued







どうも〜、ハルすたに動画板できないかなぁと思ってる青猫でーす。あと正邪のアイコンが欲しいです!←
それは置いといて、幻想死神郷…最終話終わりました〜!!いかがでしたか?多分、この最終話が、私が今まで書いてきた物の中で最高の話になってると思います!最後まで読んでくれた方、応援してくださった方、本当にありがとうございました!

と、前言ってたように…次に書く物のアンケートをとりまーす。コメント欄にどれがいいかを書いてくださいね〜!

まずひとつ目!「東方project×Bio hazard」
はい、あの有名なゾンビ映画と東方がコラボした話です!ゾンビだらけとなった幻想郷で、皆は生き残って脱出できるのでしょうか!


二つ目!「東方project×リアル鬼ごっこ」
はい!あの佐藤さんが狙われる死の鬼ごっこの作品です!原作では狙われる対象が佐藤さんですが、今回は誰なのでしょうね??


三つ目!「東方project×キングダムハーツ」
はい、ディズニーとFFがコラボしたお話です!まぁただ、ディズニーを出すのはヤバいでしょうし、話もオリジナルになるの思うので、どの作品の世界に行くかはわかりませーん!

その3つです!あ、これ以外に書いてほしいのがあれば遠慮なく言ってください!そういったのがなかった場合は…なんか、適当に考えたのを書きまーす。それではー!ドールゲームの続き書こうかな、それともメイド物?

文「青猫さん、マイクのスイッチ切り忘れてますよ」
え、嘘!?じゃあ最後の、聴かれt」

プチっ


終わり
6000文字以上書いてしまった…
<16/05/22 11:43 青猫>
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