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幻想死神郷
DeathNoteに名前を書かれた者は、書き終わって40秒後に、心臓麻痺で死亡する。
名前の後に死因、死の詳しい状況を記入すれば、実現される。

だが……名前を書いたはずなのに…Lは…………古明地さとりは、死んでない……!

さとり「驚いているようですね……心を見なくても、わかります……」
ゆっくりと立ち上がったさとりが、ニヤリと笑いながらパチュリーを見る。
さとり「私が、なんの対策もせずここに来たと思いますか…?」
さとりがゆっくりと、パチュリーが持ってるじゃないですか黒色のDeathNoteを指差す。


さとり「それ……偽物ですよ」
パチュリー「…!」
その言葉を聞いたパチュリーが、その偽物のDeathNoteを力なく手から落とした……
さとり「本物は、この森に隠しましたが……どこへ隠したかは忘れました。…知ってても、教えることに意味はありません」
さとりが、青色のDeathNote…………そう、自分の妹「古明地こいし」のDeathNoteを出す。

パチュリー「それは…!」
さとり「そうです…こいしのDeathNoteです。このノートであなたを殺すと…決めていました。」
さとりが、ペンを持ってパチュリーの名前を書いていく……

パチュリー「…!!やめて…!まだ…まだ死にたくない……!!」
さとり「…残念ですが、あなたにそんなことを言う権利はありません。罪のある者、罪のない者を…一体、何人殺してきたと思っているのですか。その者達の分まで…償ってください」
さとりは、パチュリーの名前の最後の一文字を書こうとしていた。

パチュリー「やめて…やめてええぇぇぇ!!!」
さとり「…さようなら、キラ」





















































ドクン……

































さとり「…っ………!?」
さとりが、青色のDeathNoteを落とした…ほぼ同時に膝をつき、倒れ……心臓がある辺りを押さえている。

パチュリー「………ふふふふ…」
苦しそうにこちらを見ているさとりを見ながら、笑っているパチュリー

パチュリー「私が、何の対策もしてないと思った?バカね…………偽物を持ってるくらい、予想がついていたわ。」
苦しそうなさとりを見下し、笑いながら近づく。そして、あるものをさとりに見せる…

さとり「…!」
小さな紙切れに自分の名前…「古明地さとり」と書かれてある。
パチュリー「予め、(DeathNoteのページで作った)リングノートの切れ端を持っておいて正解だったわ…それを、私が名前を書いてる少し後に書いたのよ。…まぁ、あなたがLだってことは、こいしを見てたらなんとなく予想がついていたけどね?」
もう息をしていないさとりの亡骸を、ニヤニヤと笑いながら見ていた。
すると、奥から聞き慣れた声が聞こえた。



小悪魔「パチュリー様ー!」
小悪魔と正邪がいた。小悪魔の手には、さとりが隠したと思われるDeathNoteがあった。

パチュリー「小悪魔、正邪……見つけてくれたのね…」
さっきも言っていたように、このことは予想していたので移動最中に二人に魔法でDeathNoteを探すように伝えていた。
パチュリー「ありがとう、二人とも…」
DeathNoteを小悪魔から受け取る。

正邪「……やったんだな…Lを」
パチュリー「…えぇ」
L……さとりの亡骸を三人は見る。
小悪魔「さとりさんがLだったなんて…」
パチュリー「…………でも、これで邪魔者はいなくなったわ。」
二人の間を通って前に進むパチュリー

パチュリー「もう、誰も止めることはできない……私達の目的に、近づいてきたわ………」
小悪魔「……」
二人は、パチュリーの後ろ姿を見ている。


パチュリー「私が…………幻想郷の、新たな統率者になる。」













































さとりの死亡から、3日後のことだ。

レミリア「パチェ、小悪魔」
パチュリーの大図書館に入ったレミリアが、本を読んでるパチュリーと、本の整理をしている小悪魔を呼んだ。
パチュリー「どうしたの?レミィ」
レミリア「ちょっと、ついてきて。みんなも待ってるわ、話したいことがあるの」
小悪魔「話したいこと…?」
レミリアが大図書館から出て、二人はレミリアについていく。

よく話し合い等に使う部屋に、十六夜咲夜、フランドール・スカーレット、紅美鈴もいた。

レミリア「さぁ、二人も席について」
パチュリー「えぇ…」
レミリアが言うように、二人は他の人同様に席につく。

レミリア「みんな集まったわね、じゃあ始めるわ…………」
ホワイトボードの前に立ったレミリアが、皆に向けて話し始める。
レミリア「実は数日前、今はこの世にいない古明地さとりがここに来たわ。私に、あることを話しに……」
咲夜「あること…?」
レミリア「あること……それは「もし私が死ぬようなことがあれば、キラ捜索をあなた方にお願いします」……とね」
パチュリー「…!」
数日前、この紅魔館に古明地さとりが来たことは知っていた。まさか、そのようなことを話していたとは……
あの妖怪…死んでも私の邪魔をするのね。でも、バカね……よりによって、私の親友に頼むとは。一番疑われないわ……


レミリア「だから、今から……ここがキラ捜索本部…私が、第二のLよ!」
フラン「わー!」
フランが拍手をする。他のメンバーは、レミリア同様に決意したような顔をしている。

レミリア「それと、あともう一人協力してもらうわ。」
小悪魔「もう一人…それは一体……」

「それは、私のことだぜ!」
その部屋の扉が、勢いよく開かれた
レミリア「やっと来たわね……」

そこにいたのは………



































パチュリー「魔理沙…!?」


つづく
<16/04/06 22:48 青猫>












この部屋の勢いよく開かれた扉…そこには、魔理沙がいた。
レミリア「遅かったわね、魔理沙」
パチュリー「どうして、魔理沙が…?」
何か知っていそうなレミリアに聞くパチュリー。レミリアはパチュリーの方を向いて、説明し始める。
レミリア「魔理沙がね、「私もキラ捜索をやらせてくれ」って頼んできたのよ。だから、手伝ってもらうことにしたわ。」
パチュリー「どうして…」
パチュリーは、隣の席に座った魔理沙に問いかける。
パチュリー「キラ捜索が、危険なことだってわかってるの?いつ殺されるか、わからないのよ…?」
魔理沙「…別にいい」
魔理沙は少しうつむく。机の下で隠れている拳を握りしめる…

魔理沙「…霊夢とアリスを……私の親友を、二人も殺した……!だから、この私が取っ捕まえてやる…その命で、償わせてやる…!」
パチュリー「…」

レミリア「とりあえず、この7人でキラ捜索をするわ。必ず、キラを捕まえるのよ!」
フラン「おー!」
フランは元気よく、片手を上げた。




その夜、いつも集まる場所で正邪と出会う二人。そこで、新たにキラ捜索本部ができたことを伝える。

正邪「…あのさとり妖怪、くたばっても邪魔してくるのな…」
パチュリー「えぇ…本当に迷惑よ。平和な幻想郷を作れる方法なのに…何故わからないのかしら?」
小悪魔が、少し暗い顔をしている…

小悪魔「パチュリー様…これから…どうしたら……」
パチュリーが、小悪魔を見る。

パチュリー「大丈夫よ…レミリアと私は親友だし、確かな絆があるわ。こあが思ってるようなことにはならないわよ」
パチュリーが、優しい笑みを小悪魔に向けた。完全にキラになっても、まだこんな顔ができるとは……

パチュリー「あと…これをこあに託すわ。」
鞄から何かを取り出す。それは…

小悪魔「これって…こいしさんのDeathNote……」
パチュリー「えぇ…あの時に回収したのよ」

あの時………キラとLとの一騎討ちのこと。その時にL…古明地さとりが持っていた、妹…第二のキラである古明地こいしが持っていた青色のDeathNote…

パチュリー「基本、殺さなくても大丈夫よ。私と正邪がやるから…」
小悪魔「…はい……」
小悪魔は、青色のDeathNoteを受け取った。
…小悪魔には、人を殺めて欲しくはない……DeathNote所有者が死んだ後に行く先は、天国や地獄ではない……「無」が待っている…
できれば、小悪魔には天国に行ってほしい……




























それから私達は、レミィ達の目を盗みながら、罪人を裁いていった。会議には参加しているけど、これといった動きもない…好都合よ。
邪魔が入らない…これで、幻想郷に不要な者達を殺せる…!

夢への実現が、手が届きそうなと頃まで来ていた…だけど、あんなことが起こるとは…今の私には、わからなかった…


つづく
<16/04/24 14:11 青猫>






















あれから一週間が経った。私達は、レミィ達の目を盗みながら罪人を殺していくのを続けていた。一方キラ捜索は……全然進んでいない様子。
そして今日も、会議に参加した。こあにはお使いを頼んでいるから、この場にはいない。私が後からこあに伝えると言うことで、会議は始まった。


レミリア「…まずいわ……さとりからキラ捜索を頼まれたのはいいけど…全然キラを見つけられない…」
頭を抱えて話すレミリア。その場にいるメンバーも、うつ向いてる……いや、どこか悲しそうな顔をしているようにも見える…気のせいかしら…?

パチュリー「…ねぇ、レミィ。さとりから、キラだと思われる人物とか、聞いてないの?」
あの悟り妖怪のことだから、私のことは話しているはず……なのにレミィ達が動かないのは、私をキラだと思ってないからかしら…?

咲夜は、レミリアを見た…
レミリア「…残念だけど、何も聞かされてないわ……」
パチュリー「…そう……」
意外ね、話してると思ったけど………いや、やっぱり話してる上で私をキラだと思ってない…ということかしら?わからないけど…下手な動きはしない方がいいわね

美鈴がホワイトボードを見る。ホワイトボードには、キラだと思われる者達の名前が書かれてあった。
美鈴「…この人達も、特に目立った動きはしてませんよね…キラならば、Lであるさとりさんを知ってて殺して…私達みたいな後継者がいることも、知らないはずだから…」
咲夜「…動いてもいいはず。だけど、まったくそういった動きがないわ……」
レミリア「でも、殺害してる人数は増してる……一体誰なのかしら…」
早く見つけて捕まえないと、たくさんの人や妖怪達が死んでしまう……だが、誰なのかはわからない。候補の人達も、外れではないかと思えてくる…とにかく、思うように進めない状態だ。

パチュリー「…」
まずいわね………なんとかキラだと思われそうな人を見つけた方がいいわね…無いとは思うけど、私が疑われるかもしれない……
そう思って対策を考えようとしたとき、フランが急に立ち上がった。

レミリア「フラン…?」
フラン「…もういい…」
顔を上げて、ホワイトボードを見る。

フラン「今からそこに書いてる人達、壊してくる!その方が早い!」
レミリア「…!ダメよフラン!キラである可能性があるだけで、キラではないのよ!?」
フランは、レミリアの話を最後まで聞かずに部屋から出ていった。

レミリア「待ちなさいフラン!!」
レミリアは通信機を持って追いかけた。見つけたときに、みんなに知らせるための物だ。
咲夜「私達も追いかけましょう、美鈴、パチュリー様!」
美鈴「はい!」
パチュリー「先に行ってて、こあに書き置きしてから探しに行くわ…!」
咲夜「わかりました、魔理沙には道中で伝えます!」
咲夜と美鈴はレミリア達を追いかけに行った。パチュリーは、大図書館へ向かった。
大図書館の扉を開けて、メモ帳を一枚千切って書き置きを残す。

パチュリー「…一応、DeathNoteは持っておいた方がよさそうね…フランが誰かに襲われそうになれば…」
レミリア達と行動しても怪しまれないように、リングノートの方を持って紅魔館から出た…




しばらくして、通信機から連絡が…
咲夜「こちら咲夜!応答してください、どうぞ!」
パチュリー「こちらパチュリー、フランは見つかったの!?」
咲夜「はい、お嬢様が発見されたそうです!が、暴れてるようなので近づけないようです…」
パチュリー「わかったわ、場所を教えて!」
咲夜「はい、場所は人間の里から少し離れた場所にある廃工場です!」
パチュリー「廃工場…わかったわ…!」
通信機を切って、廃工場に向かった。


つづく





皆さんこんばんは〜、「あ」から「ご」で終わる果物ってな〜んだ?

\青猫ー!/ \あおねこー!/

そっか、私って果物なんだ…←


はいどうも、仮に果物ならば食べると確実に食中毒になる青猫でーす。
幻想死神郷、遂に次回で最終回です。最終回の舞台はやはり、廃工場になります。
果たして、生きるのはキラか、ニアか……生きた方が「正義」です。
どちらが勝つか、楽しみに待っててくださいね?それでは!
<16/05/10 23:48 青猫>
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