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幻想死神郷









小悪魔「殺す…!?」
パチュリーの決断に驚く小悪魔。正邪は……この決断には驚いていない。そうするとわかっていたから…もし自分がパチュリーの立場なら、自分もそうする…
小悪魔「ちょ、ちょっと待ってください!」
パチュリー「なに?」
もう既にペンを持って、書く準備をしているパチュリーに待ったをかける。パチュリーは、顔色一つ変えてない。
小悪魔「今まで…ここまで一緒にやってきた仲間ですよ!?もっと他に、方法が……!」
パチュリー「ないわ、そんなもの。もう私は、キラだと思われてるし…何処に囚われてるかもわからない。なら…」
パチュリーは、無表情のままDeathNoteを書き始める。

パチュリー「こっちから情報を聞き出すまでよ」
もうノートに「古明地こいし」の名前を書いている……その下に、死因、死の詳しい状況を記入していく

パチュリー「せめて…楽に死なせてあげるわ」
小悪魔「………」
…いつからだろう…パチュリー様が、こんなに平気な顔で人を殺すようになったのは………





























第二のキラ、こいしが囚われている場所にて…
こいし「……」
今までもそうだったが…それ以上に今は、感情の無い空っぽの顔になっている。催眠術をかけられてそういった状態になっているのだろう。
その部屋の扉が開き、誰かが入ってくる。
















さとり「…………」
それは…Lであり、古明地こいしの姉である……古明地さとりだ。
さとりが、座っているこいしに近づき、同じ高さになるようにしゃがむ。
さとり「…こいし…………」
こいし「……」
こいしは姉を見ていない…どこを見ているのかわからない。
さとり「…こいし……まさかこいしが、第二のキラだったなんて……私達の会話を盗み聞きしてた時点で、怪しいと思っていたけど……本当にキラだったなんてね…」
こいし「…」
さとり「……本当は、いけないことだけど……キラが誰なのかを教えてくれたら…こいしは処刑しない……こいしが第二のキラだということも、みんなに言わない……だから、こいし……





























キラが誰かを、教えて」
こいし「………っ」






ドクンッ…







こいし「………はくれい…れい…む……」
さとり「…?……こいし…?」
こいし「アリス……マーガトロイド…」
さとり「こいし…!?」
こいしの異変に気づいたさとり。キラではなく……自分の仲間だった者の名前を言っている。

パチュリー「どうやら、成功ね……!」
魔法を使って、こいしの声を聞いてるパチュリー。Lの関係者を口にしている…
さとり「こいし…!?どうしたの!?」
こいし「八雲…紫……」
パチュリー「八雲紫?紫はLじゃなかったのね……だとしたら、Lは他にいる…」
さとり「こいし…!…まさか、キラに……!」
こいしがこの状態になっているのは、キラの仕業だと気づく。そして……残るは、Lである自分のみ。

パチュリー「Lは誰なの?」
こいし「…L…は…………」
さとり「こいし…!お願い、元に戻って…!!」

こいし「L…は…………」
パチュリー「………」
こいし「……………」












































パチュリー「…?」
おかしい…一向にLの名前を話さない…
パチュリー「Lは?Lは誰なの?」

さとり「……!!」
さとりは、こいしの顔を見て驚いた……涙を流している。今までずっと、心を閉ざして……感情なんてなかったこいしが……
lL……私の名前を言わないのは………私のことを、大切な存在と思っていたから…?よく考えれば、キラと関わっていたなら、いつでも私のことを言えたはず……死んでほしくないから…

そう思うと、自然に……涙が流れた

パチュリー「…!」
魔法が消えるのがわかる…こいしは、死んだのだろう……
正邪「…どうだった?」
パチュリー「…Lの名前を言う前に、死んだわ」
小悪魔「こいしさん………」

















さとり「こいし…っ…こいしぃ………!」
こいしの亡骸を抱き締めながら、何度も………こいしの名前を口にしながら泣いた…
私の、大切な家族を………許せない…

さとり「絶対……仇をとるから…!!」







それから、3日が立った…

つづく
<16/02/28 11:30 青猫>










パチュリー「…………」
パチュリーは、紅魔館の廊下を歩きながら考えていた。3日前………こいしを殺した日のことだ。DeathNoteに詳しい死の条件を記入して、こいしにLとLの仲間の名前を言わせた……仲間の名前は言ったが、Lの名前は言わなかった…
Lは今1人だということがわかったけど、Lが誰なのかがわからないのが大きい………Lは私がキラだということは、わかってるはず……仕掛けてこないのは、私がキラだという決定的証拠を掴むため…?

「…パチェ」
どうする……こっちから探すか…
「パチェ…」
それとも、仕掛けるのを待って……辿って見つけるか…

「パーチェー!!」
パチュリー「…!」
考え事をしていて気づかなかったが、後ろから聞きなれた声が聞こえた。振り返ると、パチュリーの親友であるレミリアがいた。
パチュリー「レ、レミィ…どうしたの?」
レミリア「「どうしたの?」じゃないわよ、さっきから呼んでたのに…考え事?」
パチュリー「…えぇ…まぁ、そんなところよ………」
レミリア「…………」
レミリアは、パチュリーの顔をじっと見て…少ししてから、口を開く

レミリア「パチェ…最近外出をしてるみたいだけど…」
パチュリー「えぇ…軽い運動よ。流石に、体動かさないと……と、思ってね」
レミリア「そう……パチェ、最近なんだか暗い顔してたから…」
パチュリー「そう…?」
パチュリーは、不思議そうにレミリアを見る。

レミリア「えぇ…何かあったら、相談しなさい。親友なんだから」
パチュリー「……ありがとう」
パチュリーは笑みを浮かべてお礼を言った後、大図書館に向けて歩いた…




















パチュリー「………」
夜になり、パチュリーはDeathNoteで罪人の名前を書いていく……書き終えてペンを置き、DeathNoteを見る………すごい名前の量だ、DeathNoteでなくても、気味が悪くなる…
パチュリー「……こあ」
DeathNoteを閉じて、小悪魔の名前を呼ぶ


………………






返事が返ってこない

パチュリー「…?」
パチュリーは立ち上がって、本棚の方へ向かう。本棚の間を通る度に左右を向いて、小悪魔を探す。
パチュリー「こあー…」
もう一度名前を呼ぶ……すると、奥の方から物音が聞こえた。
パチュリー「こあ…?」
そこへ向かって歩く。その物音がした場所……本棚を左に曲がって、その場所を見た…

















小悪魔が、縛られている
パチュリー「こあ…!?」
口に布を巻かれているため、喋れない様子だ。パチュリーは急いで、小悪魔の縄をほどく

パチュリー「こあ…!大丈夫!?何があったの…!?」
小悪魔「はぁ…はぁ……パチュリー様…黒い、ローブを着た妖怪が…!」
パチュリー「黒いローブを着た妖怪…?」
パチュリーが先程までいた机の方で、物音が聞こえる。

パチュリー「…まさか……!」
急いで机の方へ戻る。嫌な予感がする………
その嫌な予感は、的中した

黒いローブを着た妖怪が、パチュリーのDeathNoteを持っている。パチュリーを見た瞬間、大図書館から出ていく

パチュリー「私のノート…!待ちなさい!!」




















その妖怪を追っていて、外に出た。森の中に、その妖怪が逃げ込んだ。
パチュリー「何処へ行ったの…!?」
パチュリーは、その妖怪を探しまわる……そうしていると、奥から足音が聞こえる

パチュリー「…!」
だんだんと、その歩いてきている者の姿が見えてくる。完全に姿が見えたとき………そこには、古明地さとりがいた

パチュリー「…さとり……?」
さとり「…こんばんは、パチュリーさん。」
少し離れた場所から、さとりが挨拶する。
パチュリー「さとり…この辺で、黒いローブを着た妖怪を見なかった?その妖怪が、私の本を盗んだのよ…」
さとり「本…?」
さとりは、首をかしげた

さとり「それって…これですか?」
さとりの手には…






















パチュリーのDeathNoteがあった。

つづく
<16/03/10 22:11 青猫>































私が、Lです。」
パチュリー「…!」
ずっと探していた…自分の計画を邪魔する者…Lが…………今、目の前にいる…!!
さとり「…安心してください」
さとりは、DeathNoteを開きながらそう言った。
さとり「私は、Lとしてここに来たわけではありません。なので、あなたを捕まえるような行動も、もちろんしません」
パチュリー「…じゃあ、何者としてここに来たの…」

さとり「………」
さとりの右手には、ペンがある。強く握りしめている…

さとり「こいしの…姉として、ここに来ました」
それを言い終わると、DeathNoteを開いて手に持っているペンで、DeathNoteに何かを書き始める。

パチュリー「何書いてるの…!」
さとり「あなたの名前です。こいしを殺したこと…その命で、償ってください」
サラサラと、ペン先とページが擦れるような音が聞こえる…
もう、名前の半分くらいは書いたくらい……このままじゃ……死ぬ…!

パチュリー「…っ!!」
パチュリーは、弾幕を放った。その弾幕は、真っ直ぐさとりの方へ飛んでいき………さとりの手首に命中する。
さとり「っ!」
命中したときに、DeathNoteを落としてしまう。パチュリーは急いで、DeathNoteを拾おうとするが、さとりがパチュリーの伸ばした手を上から押さえつける。
パチュリー「放せえぇっ!!」
普段のパチュリーとは思えない顔だった…
さとり「放しません…!!」
ドッ

さとり「うぅっ…」
押さえつけられてない方の手で、さとりの腹を殴ったパチュリー。押さえつけてる手は離れ、両手で殴られたところをおさえてる。パチュリーはDeathNoteを拾うより先に、さとりの胸ぐらを掴む

パチュリー「邪魔…このシスコン」
今度はさとりの顔を殴った。さとりはその場に倒れる。
改めてパチュリーは、DeathNoteを拾ってポケットからペンと何かを出して、さとりの名前を書こうとする。
すると、さとりがパチュリーの足を掴む
さとり「こいしの…こいしの仇を……!」
パチュリー「……」
思いっきり蹴り飛ばす
さとり「うぐっ…!!」

パチュリー「残念だけど、そのこいしの仇も、もううてないわ」
DeathNoteに名前を書きながら、話を続ける。
パチュリー「こいしは、よく働いてくれたわ。いろんな人を、たくさん殺して………」
書き終わったようで、ペンをしまう。

パチュリー「よかったわね、これで大好きなこいしのところに行けるじゃない」
にこりと笑いながらそう言った。
もうすぐ、40秒経つ……


パチュリー「じゃあね、L。」































































さとり「…さよなら?」
パチュリー「!?」
40秒経ったはずなのに……Lは……古明地さとりは、死んでいない……




つづく
<16/03/25 21:44 青猫>
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