連載小説
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1
「………」
いつもと変わらない朝、いつもと変わらない町の風景…。
何も、いつもと変わらない


「えー、続いてのニュースです。昨日の午後四時頃、霊災がが起こりました。霊災は陰陽団によって解決されましたが、重傷を負ったものは14人、死亡者は2人出ています」
町で流れていたニュースを、気にせず私は通りすぎた
霊災とは、妖怪が起こす災害のこと。現れるのは鬼が多く、人をよく襲う…
その霊災を解決するために作られたのが陰陽団。陰陽師が集まっている集団のことである

私はいつもと織りの時間に学校について、自分の教室に入って席につく。そしてスケッチブックを開いて、外の景色を描く…これもいつもやってること

「よぅ夕香!おっはよー!」
今元気よく挨拶してきたのは「大門 静音」。彼女は、私の友人…
私の紹介は…まだしてなかった。私は「土御門夕香」。



夕香「おはよう、静音」
静音「お、何描いてるんだ?外の風景か?」
自分の席に荷物を置いてスケッチブックを覗く静音
夕香「うん」
静音「相変わらず絵うまいなぁ、夕香は!あたしもそういう特技欲しいぞ!」
夕香「…静音にも特技があるよ、陰陽術とか」
陰陽術は、妖怪を相手にするときにもちいる術。主に幻術、金縛り、札…式神などもある。どこの学校もそうだが、授業で陰陽術を教えている

静音「あ、そういえばそうだった!あたしは将来、陰陽団に入って妖怪を倒しまくって大活躍するんだ!もちろん、夕香もな!」
夕香「え、私も?」
静音「当たり前だろ?なぁなぁ、最強コンビになろうぜ!」
ニッと笑う静音。正直、将来何になろうか何て、考えてなかった…静音と一緒に陰陽団に入るのも悪くないと思う。楽しそうだと思うし…

夕香「…うん、なろう」
静音「おう!そうこなくっちゃな!流石あたしの親友だぜ!」
そんな感じで話していると、予鈴が鳴る。もう5分もすれば、ホームルームが始まるだろう

静音「おっと、もうこんな時間か!そういえば、朝は体育だっけ?」
夕香「うん、陰陽術の実技テストだね」
静音「よっしゃあ!腕がなるぜー!」

ガラガラッ
教室の扉が開いて、先生が入ってくる
先生「おーい、本鈴鳴るから席につけー」















そして、1時間目の体育が始まる。実技テストの内容は、生徒同士で陰陽術で戦うという内容だ。
今は、静音が実技テストをやっている

静音「どうしたどうした!当たらないぞ!」
生徒「クソッ…! 急々如律令!! 」
生徒は静音に向けて札を投げる。その札から多量の炎に変わり、静音に襲いかかる

静音「甘いぜ! 急々如律令!」
静音がその炎に向けて札を投げる。札からは多量の水に変わり、炎を消す。
生徒「クソッ!また消された…!」
静音はその場から高く飛び、錫杖に黄色の札を貼りつける

静音「これで終わりだ、 急急如律令!!」
空中で生徒に向けて錫杖を投げる。錫杖は生徒の手前の地に刺さり、その刺さった場所から多量の岩が突き出る。
生徒「ぐあぁぁぁ!!」

先生「そこまで!」
静音「よし、勝ったぜ!」
静音が嬉しそうな顔をしてこちらに戻ってくる。

静音「どうだ、夕香!あたしの実力はすごいだろ!」
夕香「うん、確かにすごいよ」
ちなみに、先程使った錫杖や杖はすべて、学校が取り扱っている物。だから札とかの効果は、さほどダメージはない。

静音「次は、夕香の番だな!頑張ってこいよ!」
夕香「うん…!」
錫杖と札を持って、前に出わた夕香の相手である生徒も前に出る。

先生「では、始め!」
生徒「急々如律令!」
生徒が投げた札から炎が現れ、夕香の方へと飛ぶ。夕香は横に飛んでそれをかわして、三枚の札をホルダーから取り出す。

夕香「切り刻め、急々如律令!!」
三枚の札が風の刃にかわり、生徒の方へと飛ぶ。
生徒「そんなの…こうするまで!急々如律令!」
結界用の札を前に出すと、結界が張られる。風の刃は結界に当たり、生徒には当たらず刃も結界も消えてしまう。

夕香「………」
持っている錫杖に紫色の札を貼りつける。ホルダーから青色の札を取りだし、何かを唱え始める。
生徒「燃えろ!急々如律令!!」
五枚の札を放ち、すべての札が炎に変わって夕香の方へ
夕香「…急々如律令」
青色の札を投げると水に変わり、その炎を消してしまう。その水は生徒の足元まで広がる。
夕香「鳴り響け、急々如律令!」
錫杖を床に広がってる水に向けて投げる。錫杖に貼られた紫の札が雷に変わる
生徒「まずい…!急々如律令!」
生徒は急いで結界用の札を投げ、結界を張る。錫杖は結界に刺さる。
生徒「危なかった……あれ…?」
生徒が夕香をじっと見る……よく見ると夕香がだんだん消えていっている

生徒「…!……まさか、幻覚…!?」
夕香「 六合中に南斗、北斗、三台、玉女在り。青龍、白虎、朱雀、玄武…」
後ろから陰陽術を唱える声が聞こえる。後ろを見れば、四枚の札が浮かんでいる。それぞれの札の色に光が出ている

夕香「…急々如律令」
四枚の札が光の線で繋がり、真ん中から光線が放たれる
生徒「わあぁぁぁぁ!!」

先生「そこまで!」
夕香「…」
静かに元の場所に戻る。そこにいた静音が

静音「すごいな、夕香!あんな符術、どこで覚えたんだ!?」
と、目を輝かせて言った。

夕香「…図書室の本を読んで覚えたよ。」
静音「本当か!?じゃあ、昼休みにその本探しにいこう!」

話していると、1時間目の終了時刻になってチャイムが鳴った



つづく
15/04/19 10:13更新 / 青猫
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