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第4話 一緒に行った遺跡には・・・(ホラー?注意)
地で寝て一晩を過ごし、そして太陽が顔を出す。

「ねぇ、この近くに地下遺跡があるの知ってる?」

唐突にアイオライトが話題を振った。

「ん?そんなもん知らねぇけど・・・」
「実はその遺跡、私ちょっと気になっててね。でも一人で行くの怖いから、
一緒に来て欲しいの。」
「別にいいけど・・・結構臆病なんだな、お前って。」
「う、うん、まあ・・・」
「まあ、女子だし仕方ねぇか。んで、その遺跡ってどこにあるんだ?」
「こっちだよ〜」
「あっ、おい!引っ張んなよ!」

アイオライトはゼオライトの手を引いて、地下遺跡へ向かう。

「ここなんだけど・・・」

そこには石の大きな蓋があった。それを開けると地下遺跡に入れるらしい。

「・・・ゼオライト君、先に入って」
「ちぇっ、仕方ねぇな」

ギギギ・・・と石の蓋を開ける。すると、薄暗い遺跡の中に続く石段が見える。
ゼオライトが先に入り、アイオライトが続いて入った。

                      〜地下遺跡〜

「ここが地下遺跡か・・・薄暗いな」
「でもそれほど暗い訳でも無いのね」

少し遺跡の中を歩いてみた。その次の瞬間・・・

・・・・キィィィィ・・・・

「・・・おい、何か聞こえねぇか?」
「うん、何か聞こえた・・・」

・・・キャァァァ・・・
・・・タスケテ・・・
・・・ユルサナイ・・・

「助けて・・・?許さない・・・?」

・・・キャアアアア・・・
・・・コロスコロス・・・

「・・・怨念?」
「ひぃっ!!」

彼らの耳に入る謎の声。怖くなったアイオライトはゼオライトに抱きつく。

「お、おい、アイオライト、どうしたんだよ?」
「・・・怖い」
「・・・さっきの声がか?」
「うん・・・」

そう、ここは怨みを残し死んだ者の怨念が巣くう場所。
そして、耳にした謎の声は、亡霊の声。

「・・・怨念巣くう遺跡ってか。こりゃまた物騒な場所に来ちまったみてぇだ。」
「帰ろうよぉ・・・」
「俺は嫌だぜ?」

帰ろうと思えば帰ることはできる。だがゼオライトはそれを拒否する。

「な・・・なんで?」
「怨みを世に残すってことは、苦しんでたんだ。ほっとけねぇだろ?ちょっとくらい楽させてやろうぜ」
「う・・・うん、わかった。」
「怖いなら、俺から離れるんじゃねぇぞ?」

そして、遺跡の探索が始まった。その中はそれほど汚れているわけでもない。
しかし、怨念だけでなくモンスターも巣くう場所と化していた。

「・・・モンスターは怖くないもんねっ!」

時折邪魔立てするモンスターを二人で片付けつつ、奥へと入る。
時折耳に入る亡霊の声も気にせず。その声にビビるアイオライトのことは少し気にかけながら。

「かなり奥まで続いてんだな。・・・ん?なんだこの扉?」
「なんだろね・・・?」
「人の怨念が多く巣くう場所かもな」
「・・・行くのやめとこ?」
「そんなに怖いかよ」

ゼオライトは勝手に扉を開けた。けれど、様子は先ほどと変わらない。
だが、前には広い部屋と壁が見えている。

「ん?なんだ行き止まりか?」
「行き止まりならしょうがないね。引き返・・・」

ゴゴゴ・・・ガシャン

勝手に先ほど開けた扉が閉まった。

「ん?・・・あれ?開かねぇ!」
「うそ!?閉じ込められた!?」

その次、ゼオライトのいる通路の先にある一つの通路から、何かが現れた。

「な・・・なんだ!?」

亡霊、そして黒い影が集まると、それは凶獣へと姿を変えた。

「な、何奴!?なんなのよ!?」

「ワレ・・・狂イ啼ク守護者・・・」

「守護者・・・だと?ただの怨念の集いだろ!?」
「そんなこと言ってる場合じゃない!来るよ!」

凶獣、そして守護者、そして怨念の集い。その化け物が、ゼオライト達に襲いかかってきた。

「討魔裂蒼翼!」
「裂空刃!」

二人が化け物に斬りかかる。しかし化け物は襲ってくる。

「ぐあっ!!」
「ああっ、ゼオライト君!」
「これくらい何でもねぇよ!」
「・・・でも、全く効いていないよ?どうしよう!?」
「弱点でもあるのか?術はどうだ?」
「でも、唱えてる時間が!」
「俺が気を引く!その間に唱えろ!」
「う、うん!」

ゼオライトは化け物の攻撃を引きつけ、その間にアイオライトが詠唱する。

「レイ!」

アイオライトが術を発動する。すると化け物の攻撃が中断される。
効いたようだ。

「光属性が効いた!なら・・・」

ゼオライトは光属性を宿す剣エクスカリバーに持ち換えた。そして・・・

「こいつでどうだっ!秋沙雨!」

その技には光属性が宿っている。やはりこれも効果があった。

「アイオライト!こいつには光が効く!光属性で攻めろ!」
「うん、分かった!」

アイオライトは上空に飛ぶと、化け物の背後に回った。
ゼオライトはその光の剣で攻撃を続けた。

「魔神剣・双牙!驟雨双破斬!真空裂斬!」
「天流槍!封針烈!光鷹天翔駆!」

化け物には攻撃する暇も与えぬと言わんばかりに連続して技を出していく。

「邪禍殲葬剣!」
「真空千裂破!」

光の攻撃に化け物も耐えられず、化け物はそこで塵となり天へと消えた。

「やったか・・・?」
「・・・やった!」

その化け物を倒したからであろうか。巣くう怨念の気配、そして声はもう無くなっていた。

そして、遺跡を後にし、再び日の光を浴びた。

「あっ、ゼオライト君、怪我してる!」
「さっき食らった奴みてぇだな。いや、心配しなくていい。」
「だめだよ、治さなくちゃ。今治癒術かけるからね!・・・・ヒール!」
「悪ぃな、手間かけさせて。ありがとよ。」
「いえいえ。・・・それより、ちょっと胸か背中貸して」
「はぁ?・・・まあ、いいけどよ」

アイオライトは、ゼオライトの胸に飛びこんだ。

「うわっ!?な、なんだよ?」
「こ、怖かったよぉ、うぅぅ・・・ぐす・・・」
「・・・泣いてんのか?」
「うぅ・・・っ・・・・うん・・・」
「・・・いいぜ、泣きたいだけ泣いて。泣きたいときは泣けばいいんだよ、人なんだからな。胸なら貸しといてやる」
「ありがと・・・う、うぅぅ・・・・」

アイオライトは遺跡の怨念の恐怖を忘れ去るまで泣いた。ゼオライトの胸で。
ゼオライトもその涙を受け止めるかのように、優しくアイオライトの肩に腕を回していた。

「・・・無理矢理奥まで連れてっちまって、悪かったな」
「うぅぅ・・・いいの、入ろうって言ったのは・・・ぐす・・・私だもん・・・」

ゼオライトは、自分の服が涙で濡れるのを感じていた。けれど、そんなことは気にしていなかった。

「よく逃げなかったな。偉いな、お前」
「ありがと・・・っ」
「・・・泣き止んだか?」
「うん・・・ありがとう、ゼオライト君」
「礼はいらねぇぜ。さて、こんなとこに居るのもなんだ。帰ろうぜ」
「うん♪」

二人共、相手の意外な一面を見れた日だった。
アイオライトの怖がりな一面。ゼオライトの優しい一面。

「ゼオライト君、優しいのね」
「べ・・・別に優しくねぇよっ」
14/10/11 21:55更新 / マグナム
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