連載小説
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スマホと充電器を集め終わったため、全員家庭科室に集まる。黒板の方には、加奈子と京也がいる


加奈子「集まったね…スマホはともかく、充電器を持ってきてる奴意外と多いんだね」
全員で集めたスマホと充電器を見ては素直な感想を言う。スマホの数ほどはないかもしれないが、充電器もなかなかの数だ。


優「宮田さん、スマホや充電器を集めたけど……何のために?」

加奈子「あぁ、それは今から話すよ……アンタ等、これを見て」
そう言うと加奈子は、ノートパソコンの画面をみんなに向ける。画面には、学校のいろんな場所が映ってる


遥「これって、学校…?」
加奈子「そうだよ。さっきあたしと片桐は、学校のいろんな所にカメラを設置してきた。これで影が現れても、一発でわかるよ。で、アンタ等にスマホを集めてもらったのは…影が現れたとき、アンタ等を誘導するために使うから。これで、誰も死ななくなるよ」
加奈子は考えた作戦を話す。すると、みんなは喜んでいる様子で


「おぉ、完璧だ!」
「これで死ななくて済む!1週間生き残れる!」

と、歓喜の声をあげていた。実際、この作戦ならいける…もう誰も死ななくなる…!


加奈子「いいかい、アンタ等。充電が多いのを常に持っておきな、充電が少ないのは充電しておいて、あたしが使うスマホに電話番号を登録しないと」

そして、使うスマホすべてに加奈子が使うスマホの電話番号を登録する。


加奈子「じゃあ、あたしは放送室にいる。今日はもう影は現れないと思うけど、現れたら放送で伝える」

京也「なぁ、放送で誘導はできねーのか?」
加奈子「できないね。中等部や小等部に逃げ込んだ奴に伝わらないだろ?」
京也「あ、確かにな…」
す少し苦笑しながら頭をかく京也。そうしていると、富樫達が弁当が入ってる袋を持ってくる


富樫「お前らー、弁当だぜー」

京也「お、待ってました!」
祐也「ボクもうお腹ペコペコ…」
全員、袋の中にある弁当を一つずつ取っていく。食べようとしたとき、皐月が何かを見つける

皐月「何これ……紙?」
なんと、皐月の弁当にだけ紙が。その紙は二つ折りにしていて、「食べる前に開いてください」と書いてあるだけだ


七瀬「何で、皐月さんのだけ?」
京也「ついに、弁当にまで仕掛けてきたか…?」
楓「でもこれって、従った方がいいんじゃ……もし開かなかったら、影が現れるとか…」

生徒会長の発言で、全員開かなかった場合のことを予想してしまう………どちらにしろ、嫌な予感しかしない

皐月「じゃ、じゃあ……開く…ね……?」

皐月が恐る恐る、紙を開く…………
全員黙ってるのもあるが、まったく音がしなく…静寂が続く…………








そして、紙を完全に開いてしまう…そこに書いてあったのは…………




















『だるま落とし』


皐月「………はい?」
それを見た全員は、キョトンとしている

優「だるま…落とし?」
京也「なんだよ〜、書いてることしょうもないな!もっと生死に関わることが書いてあるのかと思ったぜ……」

祐也「…ねぇ、何故かあそこにだるま落としがあるんだけど…」
祐也が指を指す。机の上に何故かだるま落としがある……先ほどまでなかったはずのだるま落としが


皐月「よし、あれをやったらいいんだね…」
そのだるま落としに近づいて、だるま落としを叩く用の槌を手に取る。

皐月「よぉし………」
遥「頑張って!」

皐月「うん………それっ」
一番下から叩く。うまく叩けたようで、崩れてない。今叩いた一番下のが勢いよく飛ぶ

皐月「よし…!」
続いて、また下のを叩く…
















が、失敗して崩れる


皐月「あ……あーぁ………」
崩れて、だるまが転がる…

京也「あー…失敗しちまったか……まぁ、でも何も起こらないっぽいな?」
皐月「じゃあ、あれって何のために…?」
転がっているだるまを見つめる……













だるま「下手くそがぁっ!!!」

皐月「え……」

パァンッ!!!!






だるまがいきなり喋り……皐月の頭が吹っ飛ぶ………頭を無くした胴体は、首から血の噴水が出て、その血が様々なところに付着し、ドシャアという音を立ててその場に崩れた


「………………」


皐月「」



富樫「ぅ…ぅぁあああああああ!!!」
紗由理「な、何これ!?」
矢沢「どうなってんだよ!!?」

室内が生徒や職員の悲鳴で埋まる。いつの間にか医療が皐月の死体を回収するが、誰も気づいてない。


野崎「お、おい……これって、まさか……毎回誰かの弁当にあの紙がついてくるのか…!?」

七瀬「いや…まだ死にたくない……っ!」
楓「落ち着いて!」

生徒会長の言葉で、全員静かになる……


楓「さっきのは、皐月さんが失敗したから殺されたのよ…成功すれば、きっと生きられるわ!」

優「そ、そうだね……きっと生きてられるよ!」
その話を聞いて、少しは安心するが……やはり、不安が残る………













もうみんなが寝てる時間…遥は起きていた


優「…眠れないの?桜井さん…」
遥「うん……」
二人、並んで立つ。


優「不安なの?明日……」
遥「うん……宮田さんが影の場所を教えてくれるけど…」
優「わかるよ……僕らだけじゃない、みんな不安さ……」
遥「そうだよね………」
優は、遥の横顔を見る。少し暗い顔をしてる………


優「…けど、大丈夫だよ。今まで2回行われたけど……僕ら、生きてるじゃん。それに、今回は宮田さんがついてるんだ。きっと、生き残れる…」

遥「…そうだよね…………何か私、励まされてばっかだな…」
優「元気のない人を励ますのは、当たり前だよ?」

笑顔で喋る優。遥はそれを見て、笑顔になる

遥「ありがとう、優君!…優君は、強いな…」
遥は、下の名前で優の名前を口にした。優はそれに気づいていて


優「…そうかな……わからないけど…ありがとう、遥さん」

二人は、そこから夜空を見た





つづく
15/02/03 18:59更新 / 青猫
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