連載小説
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第1話
……………………………




目を覚ますと、見慣れた白い天井が見える。おそらく自室だろうと思って体を起こそうとしたが、体がだるくて起こせない。それどころか頭がボーッとして、熱い…………


「起きましたか、レイ」
声が聞こえた方向に首を動かして見る。声の正体は、自分のアンドロイドのシグナだ。

シグナ「調子の方はどうですか?」
表情を変えず、こちらに来て体調を伺うシグナ。レイは、所詮ロボットだと思っていて

レイ「見てわからないのか?」
シグナ「わかります、熱がありますね」
相変わらず表情を変えずに話すシグナ。

レイ「ならいちいち聞くなよ、ポンコツ」
その言葉を言い終わったあと、少し咳き込む。イライラしているが、このイライラはシグナのせいではない。ここの施設の奴らに対してだが、どうしてもシグナに当たってしまうレイ

シグナ「ポンコツではありません、シグナです」
レイ「わかってるよそんなこと!お前の性能とかがポンコツって言ったんだよ!」
ガバッと体を起こして怒鳴るが、その後咳き込んでしまう

シグナ「安静にしていないといけませんよ?」
レイの額に熱冷ましのシートを貼るシグナ。貼り終わると同時にシグナの手をどかせるレイ

レイ「こんなのより、薬とか持ってこいよ役立たず…」
シグナに背を向けて体を寝かせる。すると、誰かが部屋に入ってくる

「よぉ、レイ!ゲホッゲホッ…調子はどうだー?」
車イスに座って、自分のアンドロイドに押してもらってるこの少年は「アレックス」。レイより年上で14歳、何故かレイにライバル心を燃やしている


レイ「…うるさいのが来た………」
ボソッと言うレイ

アレックス「お、なんか言ったか?それより、もう俺は治りかけだぞ!ゲホッゲホッ!」
レイ「…思いっきり咳き込んでるだろ、お前」
アレックス「こんなの咳き込んでる内に入らんぜ!とにかく、お前より先に治りそうだな!!」
はっはっはと笑ってるアレックス。レイがシグナの方を見て

レイ「…アイツを追い出して、うるさいから」
シグナ「はい、わかりました」
シグナが立ち、アレックスの前に行き

シグナ「お引き取りください」
アレックス「なんだなんだ!別にいいではないか!」
シグナ「お引き取りください」
アレックスを押して追い出すシグナ。部屋の扉がしまり

レイ「ったく、本当にうるさい奴……」
シグナ「ですが、アレックスさんはレイのご友人では?」
少し首をかしげるシグナ。それを聞いたレイはシグナの方を向いて

レイ「バカかお前、今のやり取りを見てどこが友人に見えるんだよ、だからポンコツなんだよ」
シグナ「……すみません」
表情を変えずに謝罪するシグナ。悲しそうな顔をせず、ただ無表情で謝る

レイ「…フン……」
また違う方向へ寝返り、眠った




翌日目が覚めると、いつものあの天井が見える。体調は、大分かよくなっていた

シグナ「おはようございます、レイ。体調はどうですか?」
レイ「大分よくなったよ……」
少し頭をかくレイ。シグナがレイに近づいて


シグナ「お食事は、どうなされますか?」
レイ「今はいい、お腹空いてないから」
シグナ「わかりました」
レイがテーブルに紙を出して、色鉛筆を出して絵を描き始める

シグナ「何を描いているのですか?」
レイ「見てればわかるよ」
そこから下書きを書く。色を塗る前の………それをか描き終わる

シグナ「これは……私とレイですか?」
そう、レイとシグナが後ろ姿で並んでいて外にいるような絵だ

レイ「そうだよ」
そして色を塗って、完成する

シグナ「上手ですね……あれ、空が白いですね?」
そうだ、レイが描いた絵には、空の色がない

レイ「だって、空の色なんて知らないもん。知らないと描けないよ」
シグナ「確かに……レイ達はずっとこの施設の中で生活してきたので、外のことは知らないですね」
頷きながら話すシグナ、するとレイが

レイ「じゃあさ、外のこと話してよ。それくらいいいだろ?」
シグナ「外のことですか……いいですよ、お話しします」




つづく
14/11/16 10:28更新 / 青猫
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