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桐生一馬編第五話「守ってやりたい可愛らしさ」
     ―――11月2日夜―――

桐生「真島の兄さんに電話…と」

プルルルルル…ガチッ

真島「よぉ桐生ちゃん!どないしたんや?」

桐生「真島の兄さん、朗報だ、俺がこの前『秋山と森島の関係が面白くなりそうだ」ってメール送っただろ?」

真島「アレか、確かに送ってきたのぉ…でどうなったんのや、今の状況は」

桐生「ついに秋山が告白した」

真島「なんやと!?それで返事はどやったんや?」

桐生「OK、だそうだ…フッ偶然その場に居合わせちまったからな…俺はあいつらを見守ってやろうと思う…これからどうなるのかが楽しみだな」

真島「せやなぁ!…じゃ桐生ちゃんもがんばるんやで!そんじゃな!」

桐生「ああ、またな」

ブツッ…

桐生「ふっ…秋山と森島、これからどうなるんだろうな…」

   ―――そして1週間がたったある日―――

   ―――11月13日輝日東校舎内―――

桐生「うむ…暇だな(今は仕事もないだろう…のんびりくつろげる場所を探すか)」

桐生「しかし…くつろげる場所などあるのか?…屋上に行ってみるか」

   ―――屋上―――

桐生「誰もいない…な、…ん?(あれは…絢辻?声をかけてみるか)」

桐生「おい、絢辻」

絢辻「ひゃうっ!」

ドサドサッ!

桐生「す、すまん…今すぐ拾うから待ってくれ」

絢辻「えっ、あ…」

桐生は落ちたものを拾い集め絢辻に渡す

絢辻「あ、ありがとう…」

桐生「すまねぇな、驚かせる気はなかったんだが…本当にすまねぇ」

絢辻「そんなこと…」

桐生「所でお前、こんなところで何してんだ?」

絢辻「……」

桐生「昼でも寒くなってきてるみたいだしな…風邪ひくぞ?」

絢辻「…そ、そうだね」

絢辻「……」

桐生「…?どうした、お前…いつもと雰囲気が違うぜ?柔らかい印象に感じるが…」

絢辻「そうかな?わたしは普段どうりにしてるつもりだけど」

桐生「いや…少し違う気がする…勘だがな」

絢辻「………」

桐生「…ぬ、すまん、変なこと言ったか?」

絢辻「クスッ」

桐生「フッ…」

絢辻「多分…ね」

桐生「え?」

絢辻「多分、桐生さんの気のせいだと思うな」

桐生「ん?そうか…」

絢辻「フフッ私そんなに器用じゃないから」

桐生「冗談を言うやつだお前は…」

絢辻「じゃあ聞くけどいつもの私をどんなイメージで見てたの?」

桐生「そうだな…真面目で人望がありしっかりとした奴…だな」

絢辻「そうなんだ」

桐生「だがさっきは守ってやりたい可愛らしさ、ってのがあったな」

絢辻「ふ〜ん、口説き文句みたいね」

桐生「ふっ…だがお前みたいなやつは『アサガオ』にはいなかったな」

絢辻「アサガオ?」

桐生「ああ…孤児を保護する養護施設だ、沖縄にあり前の園長は俺だった」

絢辻「貴方が園長!?世の中信じられないこともあるものね…」

桐生「ただでさえこの面にガタイだからな…そう思われてもおかしくねぇよ」

絢辻「じゃあ今その『アサガオ』の子たちは誰が面倒見てるの?」

桐生「澤村遥…俺の大切な家族の一人だいわば娘みたいなもんだ」

絢辻「へぇ〜…じゃあ私はそろそろ教室に戻るわね風邪をひかないように、ね」

桐生「ああ、またな」

絢辻「ええ、またね」

    ―――第五話終わり―――
14/10/31 23:38更新 / アンフィニ
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