連載小説
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Season2「Ripper lurking in the fog」2


早朝…まだそこまで明るくなく、霧がかかっている時間帯に二人は宿を出て、その廃墟の町へ来ていた…
リンネ「…人の気配が、全くない……わかってはいたが…。それに、この町全体から、私達に対して殺気を向けてるようだ……」
霧で奥が見えない…だが、その霧の中にいる"何か"が、こちらをじっと見ているような気がする…
この町に入れば、この町に喰われてしまう……そんな感覚もあった……

ヴァイス「…入るぞ。」
ヴァイスがゆっくりと町の中に入る。リンネもヴァイスを見失わないように追いかけて、町の中に入っていく。


町の中にある建物は、風化して崩れてる物や、壁が欠けてる建物ばかりだった。……いや、明らかに風化で崩れたと思われない物も中にはあった。
そして…死体もあった。白骨化した死体や、まだ新しい死体まで……

リンネ「…不気味だな……」
ヴァイス「…恐らく、大量殺人が起きてここが廃墟になったんだろうな。見ろ…」
指を指した先に、白骨化した複数の死体がある。その死体は、逃げ出そうとしている痕跡がいくつもあった。他の白骨死体も、似たような痕跡が見つかった。
ヴァイス「ここを廃墟にした奴は、恐らく今もここにいる。そして…逃げ出せた奴はいないだろう。入り口に逃げ出した痕跡はなかった…」
リンネ「酷い…一体何のために……」
ヴァイス「さぁな…どちらにしろ、処刑するまでだ…」



少し歩いていると…ヴァイスが立ち止まる。
リンネ「…?どうした、ヴァイス」
ヴァイス「何かいる…」

目の前の霧の中から、こちらに向かって歩いてきている影が見える。大きさは…リンネより少し大きいくらい。
だんだん姿が見えてくる……霧の中から、緑の髪の少女が現れた。だが…明らかに普通ではない雰囲気がある。

ヴァイス「…何者だ……」
拳銃を抜いて、その少女に向ける。少女は静かに口を開き
「…影霧(エイム)の魔女、リッパー…。」
リンネ「…っ!」
ヴァイス「やはり、契約者か…!」
リッパー目掛けて発砲するが、リッパーは銃弾をかわして霧の中に溶け込む。
ヴァイス「待て…!!!」
リッパーの後を追いかけるが、いくら走ってもリッパーの姿が見えない…
ヴァイス「素早い…それか、この町の構造を把握しているか……」
周りを警戒しながら、進もうとする


















すると、いきなり足が斬られる
ヴァイス「……!!」
斬られた場所を押さえる。すると次は、右腕が斬られる。
ヴァイス「コイツ…速い…!契約で身体能力を上げたのか…!」
そう話している間に、二回斬られてしまう。
リンネ「ヴァイス!」
ヴァイスの後を追ってきたリンネ。
ヴァイス「来るな!奴の姿が見えない…だが、確実に近くにいる…!」

だが、おかしい…先程から足音が聞こえない…そして、気配も感じられない……契約で身体能力を上げた訳ではないのか…?
どちらにせよ、ここで止まるのはよくない…なら…!
ヴァイス「リンネ、こっちだ…!」
ヴァイスは走ってその場から離れる。そして、向かった先は…路地裏だ。幸い、路地裏にはあまり霧がかかっていない。

ヴァイス「ここなら、道も限定されるはずだ…リンネ、お前は近くに隠れていろ…」
リンネ「あぁ…わかった…!」
少し心配そうな顔でヴァイスを見ていたが、曲がり角を曲がって少し離れた場所に隠れる。

ヴァイス「……」
目の前の霧から、リッパーがこちらに向かって歩いてくる。両手には、ナイフが握られていた。
リッパーはヴァイスに向かって走り、斬りかかる。ヴァイスは鎌に持ち替え、攻撃を防ぐ。
ヴァイス「どうした…!先程の高速移動は、使わないのか…!」
リッパー「……」
ヴァイスは攻撃を弾き、拳銃で追撃をする。リッパーは銃弾を避けるが、一発頬を掠める。
リッパーは服から複数のナイフを取りだし、ヴァイス目掛けて投げる。拳銃でナイフを撃ち落とすが、リッパーは距離を縮めて接近戦に切り替える。

ヴァイス「…っ!」
速いが、対応できない程ではないな…力は俺の方が上か……!
攻撃を弾くと、リッパーは建物の壁を蹴って上へ飛び、ヴァイス目掛けて霧の刃を飛ばした……



To be continued

20/03/03 17:38更新 / 青猫
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