連載小説
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1



瞼をゆっくりと開け、眠りから覚める……
「……」
見慣れない天井が視界に広がる……左からは、カーテン越しに朝日が見える。見慣れないはずなのに…どこか、見慣れたように感じた。上半身をだるそうに起こして、周りを見る。
生活感がある部屋が見える…だが、どこかそうではないように見えた…。
自分から近くのカーテンを開けると……街が見えた。ビル等の高い建物が乱立している……都会だろうか?見たことあるようで、ないような景色…
ただ、その街は……すべてが錆びついていた。ビルや他の建物の窓ガラスはすべて割れており、全体的にボロボロだ。とても人が住めるような物ではない。

その景色を見ていた少女は思った……どうして自分はここにいるのだろう?ここが自分の家なのだろうか?そもそも、親は?顔を名前も、何も思い出せない……
少女はすぐに、それが記憶喪失なのだろうと思った。だが、不思議と落ち着いていた…普通なら、パニック状態になるはず…
記憶喪失とは言うが、すべて忘れたわけではない。自分のことは多少覚えている。名前は「イヴ・グレモリー」、確か、今年で16歳になるはず…
イヴ「……」
ともかく、ここから出てみよう。そしたら、何かわかるかもしれないし、思い出せるかもしれない…そう思ったイヴは、ベッドから降りて扉を開ける。




扉を開けて、見えた物は……部屋とは全く違う風景が見えた。まるで、何かの研究施設のような…
自室の扉を閉じて、廊下を歩いてみる。物音…生活音が全く聞こえない。この建物に自分しかいないのだろうか?そう思えるくらいに…。歩いていると、自室とまったく同じ扉が見えてきたので、一応ノックしてみる。



……………


イヴ「…返事がない…」
ドアノブに手をかけて、ゆっくりと扉を開く…。部屋には誰もいない、部屋は自分の部屋とほとんど一緒だ。何もないとわかれば扉を閉めて、再び廊下を歩く。
他にも部屋があったが、どの部屋も誰もいなかった…

恐らく、今自分がいるのは6階。6階はほとんど調べ終わった、広かったため時間はかかったが…
イヴ「…お腹空いてきた…」
朝起きてから何も食べてない。食堂か何かあればいいと思いながら、階段を降りていく。そもそも人がいるかどうかもわからないため、食堂を見つけても意味はない…食料庫を探そうと考え、1階に降りる。
1階に降りて、同じように廊下を歩く。こういう時に、マップか何かあればいいなと思うイヴ。
1階には、主に売店に休憩所、受付や食堂等があった。医療に関係する部屋も多少ある…ここは病院だろうか?だが、どこの部屋も使われていない様子。自販機でもあればよかったと思うが…そもそも所持金が無い。
ここまで6階と1階を見てきたが、誰もいない。そもそも、ここはもう使われてないのだろうか?それにしては、中はやけに綺麗だ…
ただ、歩いてて1つ…あることに気づいた…
















































出入口が無い。
マップが無いため、地形がわからない上広い。見落としているところもあるかもしれないが…ほとんどは見て歩いた。
早くここから出た方がいいのだろうか…そう思い始めた時、今自分がいる廊下の先に、人影が見えた。
イヴ「誰かいた…!」
角を曲がった人影を追いかける。此処のことについて、何か聞けるかもしれない…それに自分のことを知ってる人なら、自分のことについて聞けて、思い出せるかもしれない…そういう希望を抱いて、人影を追いかけた。
角を曲がると、先ほどの人影の人物が見える。そこまで距離は無かったため、すぐに追いつく。
イヴ「あのー…すみません。此処って……」
その人の近くまで行き、話しかけるが……こちらに見向きもしない。まったく反応をせず、ただ歩いている。
イヴ「…あのー、ちょっと聞きたいことがあるんですけどー」
聞こえてなかったんだと判断したイヴは、先程より少し大きめの声で相手に話しかける…だが、やはり反応がない。流石にムッとなったイヴは
イヴ「あのー!!すみませーん!!」
と、大声で相手に話しかける。 これなら流石に聞こえただろうと思うが、やはり反応がない。流石にイラッときたイヴは、相手の肩を掴む。

イヴ「ちょっと、わざとやってるでしよ!」
相手が止まり、こちらを振り向く……

































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17/03/26 22:04更新 / 青猫
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