連載小説
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堕天の憂鬱

〜アレンside〜
世界の果てでまた会おう
そうあの日誓ったよね 僕らは
世界が滅んだこの地が
世界の果てなんだろうか
再会しても誓いははたされない
その時の君は誓いに囚われた亡霊なのだから。
君はもう死んだ。僕のこの手で殺めた。
君が憎い。憎い憎い憎い憎い。そう思っていたら、いつのまにか君は息をしていなかった。絶望に塗れた瞳で僕を見ていたね。だが決して僕は罪を犯したわけではない。だって君が悪いんだよ?だって...
誓いを忘れ、世界の果てを探そうとしなかった君が。
愛すべき"人間"を見つけ、守ろうとした君が。
誓いをはたすため、君のため努力してきた僕に刃を向けた君が!
...全て君がいけないんだ。だから君を殺めた。君が愛していた人間達も。そして全人類。僕以外の全種族。全生物。
ようやく世界の果てが見れた。君のおかげで。
誓いははたせなかったけどそれでいい。
僕は満たされた。今まで何をしても満たされなかった心が。満たされた......はずだった。
手にはまだ君の感触が残ってる。ナイフ越しの君の感触。
誰かを殺めたのは君が1番最初だよ。そして最後の奴は......僕自身だ。
あの誓いをした日よりずっと前から君は僕の心の支えだった。でも君が死んで誓いもはたせなくなった今、僕が生きている理由なんてない。
僕はずっとずっと君のことが好きだった。だから...許せなかった。君が僕以外の...誰かを愛してしまうことが。そしてあんな低俗な人間達を愛してしまうことが。
贖罪なんてものじゃないけど...僕も今からそっちへ行くよ。
天から堕ちた僕らの世へ。
僕が唯一愛した君のもとへ。
僕だけの君のもとへ。
大好きで...大嫌いな君のもとへ。
今...行くから。もう少しだけ...待ってて...。
今までもこれからも...ずっと...ずっと...愛してるよ...シエル...。
16/05/15 20:25更新 /
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