連載小説
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第7話









椿を襲った妖怪……風見幽香と八雲紫からなんとか逃げてきた椿と静音。自分達の自宅まで帰ってきて、扉を開ける。
扉を開けてすぐに、奥から足音が聞こえる。奥の廊下から、紅葉が顔を覗かせた。、
紅葉「あ…姉御!静姐さん!」
入ってきたのが椿と静音だとわかると、紅葉が二人の前まで駆けてきた。

紅葉「無事だったッスね…よかったッス……!」
椿は作戦開始してから姿を現さないのと、様子を見に行った静音もなかなか帰ってこないこともあり、すごく心配してたようだ。だが、その二人が目の前にいることで、安心している様子。
静音「えぇ、なんとかね…」
椿「ごめんね、心配かけちゃって……」
苦笑いを浮かべた椿に対して、紅葉は首を横に振った。
紅葉「もう、本当に心配してたッスけど……でも、二人が帰ってきてくれて、本当によかったッス!」
と、笑顔で答えた。椿はそれを聞いて「ありがとう…」と、笑顔で言った。


静音「…紅葉、安心するのはまだ早いわ…」
紅葉「え…?どういうことッスか…?」
キョトンとしている紅葉。
静音「とりあえず、上がってから話すわね…と、その前に。椿の手当てを……」
と、隣にいる椿を見た。だが、見た瞬間にその発言は途中で止まる…

…傷がない…?さっきまでは、小さかったけどあったはず………?

紅葉「?…姉御、どこも怪我してないッスよ?」
椿「うん…?」
椿本人も、このことがわかってない様子だ。

静音「…まぁいいわ、とりあえず上がりましょう。」
3人とも、リビングへ向かった





























紅葉「え!?静姐さんと姉御、妖怪に襲われたッスか!?」
静音から、椿と静音が今まで何をしてたのかを聞いて、驚いている様子。静音は、そのまま話を続ける。
静音「えぇ…二人いたわ。どっちもかなりの実力があるみたいよ…それに、椿のことも知ってる様子だったわ」
紅葉「え…姉御を?」
紅葉は椿を見る。椿は黙って頷き、少し俯く。俯きながら、口を開いた。

椿「よくわからない…連れて帰るとかなんとか…とにかく、あの妖怪が言ってることが…信用できなかった…」
静音「…本当に椿のことを知っていたとしても、良好な関係とは限らないわ。とにかく、紅葉。そんな妖怪に遭遇しても、椿のことは絶対に喋っちゃいけないわよ…」
紅葉「了解ッス!ぜっったい、喋らねーッス!
軽くその場で敬礼して見せる紅葉。それを見た静音は、笑みを浮かべる

静音「…頼もしいわ。その妖怪の名前は「幽香」と「八雲紫」。見た目は…」
紅葉に、幽香と紫の特徴を教えた。
紅葉「わかったッス!」
椿「…ごめんね、二人とも。迷惑かけちゃって…」
暗い顔で、二人に謝る椿。静音は、そっと椿の頭に手を置いて、撫でる。

静音「大丈夫よ…迷惑なんて思ってないわ。家族を守るのは…家族として、当然のことでしょ?」
紅葉「そーッス!姉御、静姐さんとあちきが、命に変えても守るッスよ!」

椿「……ありがとう……静音…紅葉……」


そこから夕飯を食べて、3人は就寝





















朝の5時

紅葉「…よし!行くッス!」
朝早くから、外へ出て一定のスピードを保ちながら走る。ジョギングをしているのだろう
昨日、外出するときには気を付けてとは言われたッスけど…大丈夫ッス!もし聞かれたりしたら、平然とした態度で「知らない」って言えばいいッスから!

と思いながら走っていた。すると、後ろから…

「あの、すみませーん!」
と、声が聞こえた。振り返るとそこには、鴉天狗がいた。
あれ?鴉天狗…ッスよね?なんか、天狗衣装が違うような……

紅葉「なんスか?」
止まってその鴉天狗に体を向ける。鴉天狗は、紅葉の近くまで来る。
「あの、人探しをしているのですが……」
紅葉「人探しッスか?」
もしかして、あのお尋ね者の鴉天狗のことかと思ったが…

「はい…これくらいの身長で、銀髪の犬の妖怪を探してるんですけど…」
と。紅葉には、その妖怪に心当たりがあった。

紅葉「椿の姉御のことッスか?」
と。

「あ、そうです!よかった、知ってる人に会えて…!」
紅葉「なんなら、案内するッスよ?」
「お願いします!あ、申し遅れました!私、射命丸文と申します!」
紅葉「あちきは紅葉ッス」
お互いに自己紹介をして、家に向けて歩いていく二人。
射命丸文…?なんか、どっかで聞いたことあるような名前……どこで聞いたッスかね…あちき………


と思いながら歩いていた。
射命丸「いやぁ、実は私椿さんのお友達でして…でもある日、椿さんが急にいなくなっちゃったらしくて、それで探しに来たんですよ」
紅葉「あ、姉御のダチだったッスか!」
相手が椿の友達とわかると、驚く紅葉

射命丸「そうなんです!積極的にいろいろ探してたんですけど…人使い…いや、妖怪使いの荒いお二方がいまして…まぁ、幽香さんと紫さんの気持ちも、わからなくはないですけれども…」


幽香…紫…?






































射命丸「あぶなっ!?いきなり何をするんですか!?」
紅葉の攻撃をかわした射命丸は、紅葉から少し距離をおく。

紅葉「…お前…幽香と紫の仲間ッスね…!!」
紅葉が、射命丸を睨み付けている…このとき射命丸は「あー…これは、話が通じないタイプですね…」と思っていた。

射命丸「そうですけど、友達ですよ?椿さんとは」
紅葉「嘘つくなッス!そうやって、あちきを騙して姉御を連れ去るつもりだったッスね!!」
射命丸「いや、連れ去るって…」
紅葉「許せねーッス……ここでぶっ倒す!!!」
紅葉が射命丸に向かって、急接近し連続で攻撃を仕掛けていく。射命丸は、その攻撃を避けたり弾いたりしている。

射命丸「まったく…なんで私の周りには…話聞かない人ばかりなんですかね…」
射命丸の目付きが鋭く、冷たくなる…
紅葉「ぶっ飛べッス!!」
その場で回し蹴りを繰り出すが、射命丸は簡単にかわす

射命丸「ーッ!!」
隙ができた紅葉の腹部を殴る。
紅葉「うっ…!?」
少し吹っ飛び、その場所で殴られた箇所をおさえている…

紅葉「けほ…けほっ……!」
射命丸「それ以上続けるなら、こっちも容赦しませんよ。痛い目にあいたくないのなら、椿さんの居場所を教えなさい。」
紅葉は立ち上がって、顔を上げる…射命丸を睨んでいる…


射命丸「…やれやれ…物わかりの悪い妖怪です…」
紅葉「オオオォォォォッ!!」
紅葉は、射命丸に向かって走った……


現在ノ修復率…44%…

つづく
16/05/10 18:17更新 / 青猫
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